【櫻井ジャーナル】2024.12.14/櫻井春彦 : ウクライナ/米国による攻撃の報復で露軍はウクライナのエネルギー施設を破壊
国際政治ロシア軍は12月13日にウクライナ全土のエネルギー関連施設を攻撃した。ロシア海軍が黒海から発射した20機以上のカリブ巡航ミサイル、少なくとも35機のKh-101空中発射巡航ミサイル、極超音速空対地ミサイルのキンジャールを約10機、そのほか100から200機のドローンが使われたと伝えられている。12月11日にウクライナ軍はロシア南部ロストフ州の港湾都市タガンログをミサイルで攻撃しているが、これに対する報復だ。今回、オレーシニクは使わなかった。
ウクライナのエネルギー大臣、ゲルマン・ガルシェンコによると、ウクライナ全土のエネルギー関連のインフラが大規模な攻撃を受けた。キエフ、リビウ、オデッサ、テルノーピリなどで停電が報告されている。
12月11日の攻撃ではATACMSが使用されたようだが、このミサイルをウクライナ軍だけで使うことができない。ターゲットの選定や情報の収集、ミサイルを誘導するための衛星からの情報、オペレーターなどアメリカ/NATO軍の協力が必要であり、ウクライナから発射されても、攻撃の主体はアメリカ/NATO軍だということになる。そうした攻撃を放置しないとウラジミル・プーチン露大統領は11月27日に警告していた。
シリアではトルコに雇わている武装集団のハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)が12月8日にダマスカスを制圧、バシャール・アル・アサド一家はロシアへ亡命した。HTSが奇襲攻撃を始めた後、シリア政府軍は戦わなかったと伝えられている。これはシリア軍の将兵が怖気付いたのか、その前に話がついていたのかは不明だ。
その3日後にアメリカ/NATOはATACMSでロシアのタガンログ近くにある空軍の飛行場を攻撃している。地元当局によると死傷者はいず、燃料貯蔵所の1つで火災が発生したものの、すぐに消火されたという。そのタガンログには早期警戒管制機(AWACS)であるベリエフA-100を製造している航空機製造会社がある。
ウクライナではロシア軍に押されてウクライナ軍が後退し続け、敗北は不可避の状態。2022年2月の段階からロシア軍が優勢な展開は続いているのだが、ウクライナ人を使ってロシアを疲弊させたいアメリカやイギリスなど西側諸国はロシアとの戦争継続を命令、「総玉砕」を要求している。
ロシアを蔑視している米英の支配層は簡単に勝てると考えていたのかもしれないが、戦況は彼らにとって良くない。すでにウクライナ軍は兵士も兵器も足りない状況で、アメリカ/NATOにも支援する余裕がなくなっている。
それに対し、ロシアはマッハ10で飛行し、衝突時には4000度に達するという極超音速ミサイルのオレーシニクを量産する態勢に入った。伝えられるところによると、月産25機、年間では300機に達するという。ATACMSのようなミサイルを使い続けるなら、再びオレーシニクをロシア軍は使うことになるだろう。
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【Sakurai’s Substack】
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