レイチェル・クラーク:【ブリンケン国務長官とバイデン外交】
国際写真:アントニー・ジョン・ブリンケンとマイダン革命を指揮した「ウクライナハンドラー」として知られるビクトリア・ヌーランドです。左は米国の国連大使、リンダ・トーマス-グリーンフィールドの3人組
【知っておきたいアントニー・ブリンケンの経歴】
バイデン政権の国務長官ブリンケン氏について 先に日本語で彼の経歴をざっとご覧ください:アントニー・ブリンケン
上記のウィキの中に、名前だけ出てくるコンサル会社があります。
2017年に彼が共同創始者として立ち上げた「ウエストエグゼック・アドバイザーズLLC」ですが、これ、英語版のウィキに行っても、日本語訳が無いんです。でも、彼を知る上で、絶対に外せないのが、このコンサル会社だと、私は確信しています。
以下の訳の中で、とりわけ重要だと思う箇所が、これ:
> 「現在の知識、専門性、人脈、ネットワーク」を持つ「政府から最近出てきた人」を雇おうとしていると説明した。同社とそのパートナーは、ロビイストや外国人エージェントに登録されることを避け、彼らが遅滞なく政府の仕事に就くことができるようにしている。
つまり、「ロビイストや外国人エージェントに登録される」と、次にまた政府の仕事に就くのに、多分一定期間間をおかなければならない規定があるらしいことが想像されます。ですから、現政権との関わりの強い人材を確保し、しかもその人たちを「ロビイストや外国人エージェントに登録」せずに社員として雇用し、顧客と現政権との関係を最大限に強め、政府側担当者と自社社員を流れ作業のように回転させる、言わば「人材ロンダリング」的な役割もあるのかな、と私は見ています。さて、こんなことを念頭において、以下の訳を読んでみてください。その下にまた、ちょっと補足を入れますね。( )内は訳者註です。
【ウエストエグゼック・アドバイザーズLLC】
ソース:https://en.wikipedia.org/wiki/WestExec_Advisors
同社は、オバマ政権の元職員である以下4名が2017年に設立したコンサルティング会社。
アントニー・ブリンケン(現 国務長官)、
ミシェール・フロノイ(オバマ政権下で政策担当国防次官)、
セルジオ・アギーレ(国家安全保障分野で政府内外を経験)、
ニティン・チャダ(オバマ政権下で国防長官上級顧問)
また、以下の人材もウェストエグゼックの社員として活躍してきた。
リサ・モナコ(現 米国副検事総長)、
ロバート・O・ワーク(レイセオン取締役、オバマ政権・トランプ政権下で副国防長官)、
アブリル・ヘインズ(現 国家情報長官、オバマ政権下で国家安全保障副顧問、CIA副長官を歴任)→ このポジションにトゥルシー・ガッバードがもうすぐ就任します。
デヴィッド・S・コーエン(現 CIA副長官)、
ジェン・プサキ(現 MSNBCのテレビ政治アナリスト、オバマ政権・バイデン政権下で政治顧問、バイデン政権下最初のホワイトハウス報道官)
インターセプトとのインタビューで、フロノイはウェストエグゼックが「現在の知識、専門性、人脈、ネットワーク」を持つ「政府から最近出てきた人」を雇おうとしていると説明した。同社とそのパートナーは、ロビイストや外国人エージェントに登録されることを避け、彼らが遅滞なく政府の仕事に就くことができるようにしている。また、秘密保持契約により顧客名の開示が制限されているため、顧客名は公表していない。事務所名は、(ホワイトハウスの)西棟近くの通りであるウェスト・エグゼクティブ・アベニューにちなんでいる。(つまり、ホワイトハウスからスープの冷めない距離に存在している!)
〜 顧客と活動内容 〜
ウェストエグゼックは顧客リストを開示していないが、いくつか報告されている。そのクライアントには、グーグルのジグソー、イスラエルの人工知能企業ウィンドワード、ドローン監視企業のシールドAI、そして「フォーチュン100種」などがある。
2020年12月にバイデン政権移行チームによって提出された財務公開のもと、国務長官候補のアントニー・ブリンケンは、ウエストエグゼックの顧客には
投資大手ブラックストーン、
米国銀行、
フェイスブック、
ウーバー、
マッキンゼー&カンパニー、
日本のコングロマリットであるソフトバンク、
医薬品会社ギリード、
投資銀行ラザード、
ボーイング、
AT&T、
カナダロイヤル銀行、
リンクトイン、
老舗サザビーズ
などが含まれていると明言した。同様の形で、国家情報長官に任命されたアブリル・ヘインズも、ウエストエグゼックがデータマイニング企業のパランティア・テクノロジーズ(CIA との強い関係で知られている)と協働していたことを明かしている。
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ここまでが、ウィキを和訳したものです。
では、同社のウェブ(https://www.westexec.com)で、仕事概要を見ると:
地政学的リスク分析
戦略的アドバイス
ステークホルダー・マッピングとエンゲージメント
キャピタルアドバイザリー
市場参入と拡大のサポート
ソートリーダーシップと市場差別化
戦略的競争時代における中国関連リスクの管理
国際経済・規制問題
(そして、弊社をパートナーに選ぶ強み、というところでドン引きします!)
〜 弊社の特徴 (英文では WHY US)〜
ウエストエグゼック・アドバイザーズは、国家安全保障と国際問題におけるこの世代のソートリーダーや上級実務家からなる比類なきグループです。弊社は、現在の深い専門知識、ユニークな視点、そしてワシントンをはじめ世界中に広がる活発なネットワークを持っています。
弊社をパートナーとして、ホワイトハウスのシチュエーションルームのような利害関係の強い環境でテストされ実証されてきた多様な熟練実務家のグループに定期的にアクセスすることが可能です。このような専門性と洞察力を活用することで、お客様のビジネス上の意思決定に高い信頼性をもたらします。
弊社は、お客様が国際的な課題や機会に直面したとき、お客様の「Go to」パートナーとなることを目指します。弊社では、一般的な分析や製品を作成することはありません。お客様のユニークな課題には、ユニークな分析とソリューションが必要です。
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以上です。
世界の覇権を握る米国の国務長官が、最後の最後までずっとこの4年間、どこを向いて政治・外交をやってきたか、もうお分かりですね。外交どころか、国防総省と双子の兄弟のように、あっちこっちで喧嘩を売って外交問題を悪化させてきた裏には、こんな世界があるのです。
確かに組閣の時に誰が何長官に抜擢されるかに大きな関心が集まりますが、それらの長官たちの下で働くエリートたちの中に、どれほどこのウエストエグゼック・アドバイザーズ社の元社員たちがいるかを見極めることも、新政権の行方を見定める鍵になるのではないでしょうか? これは同社のスタッフの写真入り名簿です。経歴に「元〜〜〜」と防衛・外交・諜報部門の政府高官だった人たちであることがよくわかります: https://www.westexec.com/our-team/
米国市民目線で見ると、私たちの税金を間違った方向に誘導してる人たちの集団です。
日系米国人、通訳・コンサルタント・国際コーディネイター ベテランズフォーピース(VFP) 終身会員 核のない世界のためのマンハッタンプロジェクト メンバー 2016年以来、毎年VFP ピース・スピーキングツアーをコーディネイトし、「戦争のリアル」を米国退役軍人が日本に伝える事によって、平和・反核・環境保護活動につなげている。