植草一秀【連載】知られざる真実/2025年1月13日 (月) 旧体制刷新に「けり」つける年
社会・経済2025年は政治変革の年。
2023年「癸卯(ミズノトのウ)」、24年「甲辰(キノエのタツ)」、25年の「乙巳(キノトのミ」と連なる。
23年の「癸(ミズノト)」は「癸測」など「はかる」の意を持つ。
標準、原則、筋道を立ててはかる。
筋道を誤ればご破算になる。
「卯」は支の四番目。
子丑寅と伸びてきた植物が卯に至って蔽いかぶさるように繁茂する。
「「癸卯」の年は「万事筋道を立てて処理してゆけば繁栄に導かれるが、筋道を誤るとこんがらがってあがきのつかぬことになる。
果てはご破算に至る」(安岡正篤『干支の活学』)。
裏金問題が発覚して筋道を誤った。
24年は「甲辰(キノエのタツ)」。
「甲」はよろいで、よろいをつけた草木の芽が殻を破って頭を少し出した象形。
旧体制が破れて革新の動きが始まる。
「辰」は理想に向かって辛抱強く抵抗や妨害と闘いながら歩を進めてゆく意。
「甲辰」は、旧体制の殻を破って革新の歩を進めなければならないが、抵抗や妨害があり、困難と闘いながら慎重に伸びてゆく意。
自公過半数割れが生じたが刷新に至っていない。
25年の「乙巳」の「乙」は「甲辰」で出た芽が外界の抵抗が強くまっすぐ伸びずに曲折している象形。
改革創造の歩を進めるが、まだ抵抗が強い。
「巳」は冬眠していた蛇が、春になり地表に這い出す形。
従来の因習に終りを告げる。
外界の抵抗が強くとも弾力的に在来の因習にけりをつける。
「決着をつける年」になる。
645年の「乙巳(いっし)の変」は中大兄皇子・中臣鎌足らが蘇我入鹿を宮中にて暗殺して蘇我氏を滅ぼした政変。
「大化の改新」をもたらした。
1905年(乙巳)は日露戦争に決着をつけた。
2025年に従来の因習を打ち破り、新次元を切り拓く。
これができるかどうかで日本の進路は変わる。
24年に「変化の胎動」が観測された。
これを新しい命の開花につなげることができるか。
極めて重要だ。
しかし、現時点で日本政治刷新は見えていない。
これまでの政治が勢いを失いつつあるのは事実だが、新たに浮上している勢力に刷新感がない。
なぜか。
それは、「チームB」の伸長が人為的に推進されているから。
「新基軸」が花開くのでなく、「チームB」が浮上している。
「刷新」というより「沈殿」。
以下が「チームB」の構成メンバー。
「維新」、「国民」、「石丸」、「斎藤」、「参政」。
共通するのは「対米隷属」で「新自由主義」。
すべてが小泉・竹中政治の延長。
メディアの偏向は極限に達している。
ホリエモン、ひろゆき、高橋洋一、岸博幸、橋下徹、立花孝志等々。
「チームB」に連なる者ばかりがニュースポータルサイトに登場する。
旧来のマスメディアが偏向していたが、その偏向がより強化されてインターネットメディアを占有している。
SNSの大半は偏向するインターネットメディアから派生している。
選挙結果を誘導するために旧来メディアとインターネットメディアの両方が活用されている。
「ハイブリッド情報操作」である。
「チームB」では何も変わらない。
光り輝く「チームスター」が登場しなければ「刷新」は実現しない。
※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年1月13日 (月)「旧体制刷新に「けり」つける年」
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050