【連載】安斎育郎のウクライナ情報

1月14日のウクライナ情報

安斎育郎

1月14日分です。

安斎育郎

1月14日のウクライナ情報
安斎育郎

❶ドイツ、ウクライナのガス封鎖を受けてノルドストリーム 2 の稼働を要求(2025年1月10日)
ドイツが意外な姿勢をとったことで、ヨーロッパは重大な岐路に立たされています。それは、ノルド
ストリーム 2 パイプラインの稼働を要求することです。この決定は、ウクライナがロシアの天然ガス
輸送を物議を醸しながら停止したことに対する対応です。この停止により、エネルギー価格が高騰し、
何百万人ものヨーロッパ人が迫りくるエネルギー危機にさらされています。
このビデオでは、この地政学的対立につながった一連の劇的な出来事を明らかにし、ドイツの行動
要請の経済的および政治的影響を分析し、この決定が今後何年にもわたってヨーロッパのエネルギー
情勢をどのように変える可能性があるかを探ります。
分析対象は次のとおりです。
⦁ ウクライナの天然ガス輸送停止がヨーロッパのエネルギー市場に与える直接的な影響。
⦁ ノルドストリーム 2 が危機時に生命線となる可能性、または EU 内の分裂を深める可能性。
⦁ ウクライナの経済とヨーロッパの同盟国との関係への波及効果。
⦁ ロシアの天然ガスへの欧州の依存に対処するための代替エネルギールートとその実現可能性。
⦁ この危機が世界のエネルギー政策に及ぼす幅広い影響。
主な事実:
⦁ ウクライナがロシアの天然ガス輸送を停止したことを受けて、天然ガス価格が 4% 急騰しました。
⦁ ドイツのエネルギー戦略は、政治的反対にもかかわらず、ノルド ストリーム 2 の発動に関する議
論を再燃させました。
⦁ ハンガリーやスロバキアなどのヨーロッパ諸国は、ロシアのエネルギーに最大 65% 依存してい
ます。
⦁ 提案されている代替案には、トランス バルカン パイプラインとトルコのエネルギー ルートによる
容量増加が含まれます。
⦁ エネルギー コストの上昇は、米国の 4 倍の価格で、ヨーロッパの家庭に負担をかけています。
https://youtu.be/1H0TRqtO9DA
https://www.youtube.com/watch?v=1H0TRqtO9DA

❷米国・デンマーク戦争は史上最速で決着(2025 年 1 月 11 日)
米国がグリーンランドに侵攻すれば、これは史上最速で決着する戦争となる。グリーンランドを領有
するデンマークはウクライナに武器を渡したため、防衛能力は残されていない。
また、NATO の「同盟国」も米軍に対抗できるほどの軍事力を有していない。米軍は 130 万もの
兵士がいるのに対し、デンマーク軍はわずか 2 万弱。
そもそもグリーンランドには 1951 年から米軍が展開しており、デンマーク軍の上陸を阻止するだ
けでグリーンランドの制圧は完了する。
https://sputniknews.jp/20250111/19489039.html
〈関連情報〉
イラン軍、グリーンランドの防衛を提案(2025 年 1 月 11 日)
イラン軍は SNS への投稿で、米国による侵略戦争においてカナダ、メキシコ、パナマ、グリーンラン
ドを支援する用意があると表明した。
「我々は常に他国を支援してきたが、イランは米国の侵略とテロに対してカナダ、メキシコ、パナマ、
グリーンランドを支援する用意がある」
https://sputniknews.jp/20250111/19489129.html

❸米国がエネルギー部門の対露制裁リストを大幅に拡大(2025 年 1 月 11 日)
米国は対露制裁リストを拡大し、ロシア原子力企業「ロスアトム」のリハチョフ代表取締役、石油大手
の「ガスプロム・ネフチ」、石油ガス大手の「スルグトネフチガス」及びその子会社等をさらに含めた。
米財務省が発表した。
終了間近のバイデン政権はロシア産エネルギー資源の輸送に関与しているとして、制裁リストに
100 隻を超える船舶も含めた。
バイデン政権の高官らはロシアのエネルギー部門に対する新たな制裁発動について、自国の国内市
場がエネルギー資源の採掘量と余剰の増加も含め、好景気にあることと関連付けている。
米国は新たな制裁によってルーブルのレートに打撃を与えうると踏んでいる。
https://sputniknews.jp/20250111/19488879.html

❹ バイデン大統領「トランプがウクライナ支援打ち切るなら議員らは行動を」(2025年 1 月 11 日)
アメリカのバイデン大統領はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行うとともに、トランプ
次期大統領の元でも支援を続けていく重要性を改めて強調しました。
アメリカ バイデン大統領「もし、もしトランプがウクライナ支援資金を打ち切ると決めた場合は議員ら
が声をあげることを望み、期待します」
バイデン大統領は 10 日、今後のウクライナ支援を巡って「議会では党派を超えた支持がある」と指摘し、
トランプ次期政権の下でも支援が続くよう議員らの行動に期待を示しました。
また、バイデン大統領はこれに先立ち、ウクライナのゼレンスキー大統領と「電話で長い話をした」と
明らかにした上で、「欧米諸国が団結し続ける限り、ウクライナが勝利するチャンスはある」と強調しま
した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/62fd73bc265869dc3f86ca64b7e98730d84d653b/images/000

❺「キエフ軍約 3,000 人が死亡」:ロシア、第 2 次クルスク攻撃でウクライナ防衛線を突破(2025年1月11日)
ロシア軍は戦場で優位に立っており、ロシア国防省は 1 月 4 日から 10 日の週にドンバス地方の 3つの
コミュニティを解放したと主張している。ロシアはまた、ウクライナの兵器の大規模な破壊も報告している。
これらの動きは、ドナルド・トランプ次期米大統領が 1 月 20 日の就任に向けて準備を進めている中で起
きており、詳細は不明だが、潜在的な和平協定の仲介を約束している。今後の動向に注目だ。
https://youtu.be/xPpVRJ42VH4
https://www.youtube.com/watch?v=xPpVRJ42VH4

❻日本からのウクライナへの資金をどのように確認したか、自民党政権に質問した。答えは(原口一博、2025年1月11日)
https://youtu.be/4p_v4XRt-Dw
https://www.youtube.com/live/4p_v4XRt-Dw

❼ウクライナの新たな敵?ポーランドの衝撃的な主張が欧州を震撼させる | プーチン大統領を止められる者は誰もいない?
(2025年1月11日)
ポーランド国防相は、率直なインタビューで、ウクライナ国内で戦争疲労が高まっていることへの懸
念を明らかにした。ウクライナ軍が直面している困難な状況を強調し、同国軍の前線および国内の兵
士の間で疲労が高まっていると警告した。スプートニクの情報として、同相は長期にわたる紛争の精
神的負担も強調し、「困難な雰囲気」がウクライナの軍事作戦継続能力に影響を与える可能性があると
付け加えた。この発言は、ウクライナ戦争が継続し、解決の兆しがすぐには見えない中でなされた。
https://youtu.be/UFtTYhZO2Qk
https://www.youtube.com/watch?v=UFtTYhZO2Qk

❽ダグラス・マクレガー:廃墟となったウクライナ – 46,000 人の兵士が壊滅、ロシアは止められない!(2025年1月11日)
ダグラス・マクレガーが報じたクルスク戦線での悲惨な展開を目の当たりにしてください。2024年 8 月以来、
容赦ない戦いでウクライナ軍の死傷者は 4 万 6000 人を超え、装甲車数千台が破壊されました。兵士の脱走
率が毎月 2 万人を超え、絶望が高まり、ウクライナ軍は手薄になっています。
精密な無人機攻撃と高度な戦術で強化されたロシア軍は、激しい反撃にもかかわらず戦略的な足場を
築きつつあります。厳しい冬が地形を凍らせる中、クルスクの戦いはこの紛争の決定的な瞬間となり
ます。ウクライナの防衛は、これらの高まる圧力の重圧にどれだけ耐えられるでしょうか?
https://youtu.be/7kgw7OCG6Oo
https://www.youtube.com/watch?v=7kgw7OCG6Oo

❾自分たちで首を絞め合ってる?(2025年 1 月11日)
英国最大のガス供給会社は金曜日、寒さによる需要の高まりと、ウクライナがロシアから欧州への
ガスの輸送を停止したことを受け、英国国内の貯蔵レベルが「憂慮すべきほど低い」と発表した。
https://x.com/tobimono2/status/1877798024673657193?s=09

❿【時事ネタ】トランプ大統領会見とキエフ政権の今後〜1/11 土曜版です🫡‼️(ニキータ伝ロシアの手ほどき、2025年1月11日)
https://youtu.be/hOJF0hrVwbU
https://www.youtube.com/watch?v=hOJF0hrVwbU

⓫トランプ、プーチン両首脳の会談準備は進行中=米大統領補佐官・国家安全保障担当(2025 年 1 月 13 日)
新米大統領は、ウクライナ問題はロシアとの対話なしには不可能であり、これからの数か月は対話
構築に取り組む。トランプ新政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官に指名のマイク・ウォルツ
氏 (現下院議員)が明らかにした。
ウォルツ氏はまた、トランプ陣営はすでに、トランプ、プーチン両大統領との会談に向け、準備を進
めていることを明らかにした。ウォルツ氏は、両首脳の電話会談が「数日以内、もしくは 1 週間以内」
に成立する可能性があるとの見方を示している。
ペスコフ露大統領報道官は 10 日、米国がプーチン露大統領との対話を望んでいることを歓迎する
という声明を表していた。
また、現段階ではまだ具体的な予定は決まっておらず、対話のための前提条件はなく、必要なのは
双方の意思だと語っていた。
https://sputniknews.jp/20250113/19491334.html
※冒頭の「新米大統領」が「しんまい大統領」とも読めるところが可笑しい。

⓬スロバキア首相、ゼレンスキー氏を公然と非難 ガス輸送問題巡り(2025 年 1月 12 日)
スロバキアのフィツォ首相は、議員らとの会合でウクライナがロシア産ガスの輸送を停止したことを
巡り、議員らとの会合でゼレンスキー氏は物乞いや脅迫をして他人に金をせびっていると非難した。
「私はゼレンスキーと密接な関係をはかるためにここにいるわけではない。正直に言うと、私は彼に
うんざりすることがある。彼は欧州中を回り、物乞いをして脅迫し、他人に金をせびる。これはもう終
わらせるべきだ」
昨年 12 月、フィツォ氏がロシアのプーチン大統領と会談して以降、ゼレンスキー氏とフィツォ氏の
対立は特に深刻化した。フィツォ氏によると、ウクライナがスロバキアへの天然ガス輸送を停止するこ
と受け、プーチン大統領とこれに代わる輸送について意見を交わしたという。
ウクライナ領を経由するロシア産ガスの輸送契約は 2024 年 12 月末で終了した。これを受け、ゼ
レンスキー氏は同月、「ロシアの凍結資産」から得た資金から 5 億ユーロを支払う代わりに、ウクラ
イナの NATO 加盟にスロバキアが同意するようフィツォ氏に提案した。しかし、フィツォ氏は「絶対に
ない」と答えたとのこと。
今月 9 日、ガスの輸送停止を受けて、フィツォ氏はウクライナに報復措置を講じると警告。スロバキ
アにいるウクライナ難民への支援を打ち切る可能性やウクライナへの電力供給を停止する可能性を示
唆した。
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2025年1月14日 ウクライナ情報pdf →

 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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