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2月11日のウクライナ情報
国際
❶セルゲイ・ストーチャク: トランプは、アメリカ国家債務の増大を止めるため、全世界を経済制裁で絞め殺す用意がある(2025年2月3日)
トランプ大統領は国際刑事裁判所(ICC)が同盟国イスラエルの国民に逮捕状を発行したことから、 ICC への制裁を発動した。
制裁では ICC 職員とその家族が所有する財産、資産の凍結、米国への渡航禁止などが含まれる。
トランプ大統領は ICC による米国民や米国の同盟国に対する捜査、逮捕、拘束、起訴の試みについ て、「国家安全保障と外交政策に対する脅威」に当たると説明している。
ICC は 2024 年 11 月末、パレスチナ・ガザ地区における戦争犯罪容疑でイスラエルのネタニヤフ 首相とガラント元国防相に対する逮捕状を発行した。
ICC の管轄権は多くの国で認められていない。ICC の管轄権を定めたローマ規程を批准したのは124 か国で、国連安保理常任理事国としては米国、ロシア、中国が同文書を批准していない。
https://sputniknews.jp/20250207/19562269.html?rcmd_alg=collaboration2
❻駐米ウクライナ大使、米大統領補佐官と初会談 「徹底した議論」(ロイター、2025 年 2 月 6 日)
2月6日、ウクライナのマルカロワ駐米大使(写真)は、トランプ米政権のウクライナ・ロシア担当特使、キース・ケロッ グ氏と初めて公式に会談し、「徹底した議論」を行ったと明らかにした。写真は米ワシントンで2023年4月撮影(20 25 ロイター/Amanda Andrade-Rhoades)
© Thomson Reuters
[6日 ロイター] – ウクライナのマルカロワ駐米大使は、トランプ米政権のウクライナ・ロシア担当特 使、キース・ケロッグ氏と初めて公式に会談し、「徹底した議論」を行ったと明らかにした。
フェイスブックへの投稿で、今回の会談はケロッグ氏の特使就任以来初めてと説明。「われわれは特 使とそのチーム、私の同僚と徹底的に議論した」と述べた。
トランプ氏はロシアとウクライナの戦争の早期終結を望むと発言しており、ウクライナは新政権との 緊密な関係構築を模索している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は今週、イェルマーク大統領府長官がウォルツ米大統領補佐官(国 家安全保障担当)と話し合ったほか、自身のチームがケロッグ氏と対話したと述べた。また、米代表団 のウクライナ訪問に向けた作業日程が既に決まっていると明らかにしている。
ただトランプ氏は、ウクライナ戦争の解決にどのように取り組むかはほとんど語っていない。
ケロッグ氏は先週、停戦に合意できれば、米国はウクライナが年内にも選挙を実施するよう望んで いると述べた。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/
❼ロシア・ウクライナ戦争の終戦協議開始の兆し、ロシアがアメリカとの協議を初めて公式に認める(佐藤美穂、2025 年 2 月 7 日)
米ケロッグ特使、ミュンヘン安保会議で発表後、20 日ウクライナでゼレンスキー大統領と協議。 ロシア、米との終戦協議を初めて公式に認める。両国がそれぞれ 150 人の戦争捕虜を交換 トランプ米政権が来週のドイツ・ミュンヘン安全保障会議で同盟国にウクライナ終戦の青写真を提示する見通しだ。ロシアも米国との終戦案協議の存在を初めて公式に認めたことから、近く交渉テーブ ルが設けられるかどうかに注目が集まっている。
5 日、ブルームバーグ通信は複数の情報筋を引用し、ドナルド・トランプ大統領のウクライナ・ロシア 特使、キース・ケロッグ氏が 14~16 日に開かれるミュンヘン安保会議で、同盟国にウクライナ終戦案 に関するトランプ政権の構想を説明する見込みだと報じた。
この構想は交戦の一時停止とロシア軍占領地の現状維持を前提に、ロシアの再侵攻を防ぐ安全保 障をウクライナに提供することが骨子だが、具体的な内容はまだ明らかになっていない。
RBC ウクライナは、ケロッグ特使が会議終了後の 20 日にウクライナを訪問する予定だと報道し た。ケロッグ特使は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、ミュンヘン安保会議 で提示した終戦案を基に本格的な交渉に入ると見られる。
ゼレンスキー大統領が NATO(北大西洋条約機構)加盟を前提としない「領土譲渡案」を拒否してい る中、ケロッグ特使がどのような安全保障策でゼレンスキー大統領との溝を埋められるかが焦点とな る。
終戦に向けた米露の水面下の協議も加速している様子だ。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道 官は 5 日の記者会見で、米国がロシア・ウクライナと対話を進めているというトランプ大統領の発言 について、「ロシアと米国の個別部署が接触しており、最近強化された」と述べたが、詳細は明かさな かった。
ロシアが米国との終戦案協議の存在を認めたのは今回が初めてだ。米国のウクライナ終戦青写真の 発表計画とロシアとの密接な水面下接触が相まって、終戦交渉開始の時期が近いとの見方が出ている。 こうした動きの中、直接対話を拒否してきたロシアのウラジーミル・プーチン大統領とゼレンスキー大統領の姿勢にも変化が見られる。実際、前日にゼレンスキー大統領は、終戦会談にウクライナ・ロシ アとともに米国・EU(欧州連合)が参加するなら、プーチン大統領との直接対話も可能だとの意向を 示した。
一方、この日ウクライナとロシアは UAE(アラブ首長国連邦)の仲介で、それぞれ 150 人の戦争捕 虜を交換した。ロシア・ウクライナ間の捕虜交換は今年に入って 2 回目となる。
ロシア国防省によると、解放されたロシア軍捕虜は現在全員ベラルーシで心理的・医療的支援を受 けており、家族との連絡も取れているという。ゼレンスキー大統領もこの日、テレグラムを通じて交換 された捕虜について「彼らはそれぞれ前線の異なる部門にいた。2 年以上拘束されていた者もいる」 と明らかにした。
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❽「独裁者は敗北しなければ止まらない」イギリス保守党副党首がウクライナ義勇兵として参戦(有馬侑之介、2025年2月7日)
英国の保守党の副党首を務めたジャック・ロプレスティ(55)元下院議員がウクライナ国際義勇兵部 隊に入隊した。
ロプレスティ元議員は 3 日(現地時間)英紙「インディペンデント」とのインタビューで「昨年 11 月に 義勇兵部隊に志願した」と述べ、「自分の経験と技能を活かせる最適な部隊を見つけるのに少し時間 がかかった」と語った。さらに「私はキーウにいるが、ウクライナ全土を移動している」と言い、「先週も ハルキウとポルタヴァを訪れた」と付け加えた。
ロプレスティ元議員は英国陸軍で下士官として勤務した経験がある。彼は昨年、保守党が惨敗した 総選挙に出馬したが、労働党のクレア・ヘーゼルグローヴ(Claire Hazelgrove)に敗れた。
ロプレスティ元議員はさらに「ウクライナ軍で勤務し、勇敢で素晴らしいウクライナの人々を助ける ことができるのは私にとって大きな名誉であり特権だ」と述べ、「彼らは独立した主権国家として自由 と生存権のために戦っているだけでなく、ヨーロッパと自由世界の私たち全てのためにも戦ってい る」と強調した。
ロプレスティ元議員は「プーチンがウクライナで勝利すれば、私たちは皆、彼がそこで止まらないこ とを知っている。独裁者は敗北しなければ決して止まらない」とし、「戦争の結果は世界全体、特に台湾のような地域に大きな影響を与えるだろう」と主張した。続いて「中国、イラン、北朝鮮のような権威 主義的独裁国家が協力する状況の中で、ウクライナが必ず勝利できるように支援しなければならな い」と述べた。
ロプレスティ元議員はドナルド・トランプ大統領の就任後、ウクライナ戦争の結果について「私たちは 皆、アメリカ政府がどのような決定を下すのかに関心を持ち、楽観的に見守っている」と語った。トラ ンプ大統領は昨年の選挙期間中、ウクライナ戦争について「24 時間以内に終戦する」と公言した。
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❾ハリコフ火災:ノルウェー、スウェーデン、ルーマニアの将校らがイスカンデルミサ イルで惨殺される(2025年2月6日)
https://youtu.be/ZraTljG7Mjw
https://www.youtube.com/watch?v=ZraTljG7Mjw
❿ロシア軍、東部の小都市を制圧 ウクライナ軍 2 万人超が死傷か(共同通信、 2025 年 2 月 8 日)
ロシア国防省は 7 日、ウクライナ東部ドネツク州の小都市トレツクを制圧したと発表した。ロシア軍 は同州全域の制圧を目指しており、国防省はトレツク制圧はクラマトルスクなどさらに大きな都市に 北進する上で足掛かりになると主張した。侵攻前の人口が約 3 万 5 千人だったトレツクの防衛のた め、ウクライナ軍は戦力を投入していた。
ロシア国防省はトレツクでの 5 カ月にわたる戦闘でウクライナ軍の死傷者は 2 万 6 千人以上に 上ると主張した。
一方、ロシア南部オレンブルク州のパスレル知事は 6 日、ウクライナ侵攻作戦に加わったムスサガ レエフ氏を州の地域情報政策省の次官代行に任命したと発表した。(共同)
会談するロシア南部オレンブルク州のパスレル知事(左)と ムスサガレエフ氏(知事のテレグラムから・共同)© 共同通信
2025年2月11日 ウクライナ情報pdf → こちら
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![安斎育郎](https://isfweb.org/wp-content/uploads/2022/07/unnamed.jpg)
1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。