【特集】ウクライナ危機の本質と背景

アンクルサムの生物兵器大作戦

マイク・ホイットニー(Mike Whitney)

(問題) アメリカはウクライナで生物兵器を作っているのか?
(答え)これは100万ドルの質問ですね?残念ながら、「イエスかノーか」という単純な答えはない。もっと複雑なのです。

(質問)どういう意味か説明してもらえますか?
(答え)もちろんですが、人によっては少し混乱するかもしれません。

第一に、我々が知っていることのほとんどは、ウクライナ侵攻後に放棄されたバイオラボを調査したロシア人たちから得たものです。全国に30余りある施設に保管されていた病原体やその他の有害物質を発見した人たちです。

ロシアのチームは、“彼らがウクライナの研究所の従業員から受け取った、米国の軍事バイオプログラムの実施に関する”文書 も研究した。言い換えれば、ロシアは、米国が生物兵器条約の条項の義務に違反している証拠をまとめたのだ。

第二に、国防総省が様々なルートを通じて、キエフ、オデッサ、リヴィウ、ハリコフにある研究所に3200万ドルを投入していることが分かっている。これらの研究所は、“コンゴ・クリミア出血熱、レプトスピラ症、ハンタウイルスの病原体を研究することを目的としたプロジェクト”を統括するために選ばれた。

ロシア側は、これらの病原体の利害というものが「使用すると自然発生した病気を装うことができる」という事実にあり、だからこのプロジェクトが追加資金を受けたのだと信じた。つまり、ロシア側は、米国の資金提供は主に生物兵器開発が目的であったと考えている。この件に関しては、中国もロシアに同意しているようで、以下は、中国外務省の発言だ。

「中国外務省の趙立堅報道官は、ウクライナにある米国のバイオ研究所の疑惑について、“できるだけ早く関連する詳細を発表する”よう米国に求めた。“米国は30カ国に336の研究所を持ち、そのうちウクライナだけで26を支配下に置いている。米国は、国内外での生物学的軍事活動の全容を明らかにし、多国間の検証を受けるべきである”。“報道によると、これらの施設では、危険なウイルスが大量に保管されている。ロシアは軍事作戦において、米国がこれらの施設を使って軍事計画を進めていることを突き止めた”」(注1)。

米国がライバル視している国々の多くが、相当な懸念を抱いていることがわかる。そして、彼らの懸念は、米国があらゆる種類の高伝染性致死性病原体をいじくり回しているという事実にとどまらず、これらのバイオ研究所がペンタゴンの作戦統制下にある統合ネットワークの一部であるという事実についてもだ。これこそ、最大の危険信号である。

・米国による「極悪非道」の生物兵器研究

ロシアは、自分たちが考えていることについて、かなりあけすけに語っている。以下は公式声明からの抜粋である。

「我々は、生物兵器の部品がウクライナの領土で作られたと考えている」。

まさにその通りだ。病原体の備蓄を発見したのはロシア人であり、その分析を裏付ける文書があるのだから、彼らも知っているはずだ。もちろん、これらは全て「ロシアの偽情報」である可能性もあり、メディアはそう信じたいのだろう。しかし、メディアが認めていないのは、ロシア人が集めた書類の多くが、“本物の関係者が署名し、その組織の印で証明されている”ということだ。言い換えれば、ロシア人は自分たちの分析を確かな証拠によって検証することができるのである。

以下は、ウクライナのウイルス工場で実際に何が行われていたかを明らかにするのに役立つロシアの報告書からの別の抜粋だ。

「これらのプロジェクトの実施中に、6種類のウイルスファミリー(コロナウイルスを含む)と3種類の病原性細菌(ペスト、ブルセラ症、レプトスピラ症の病原体)が確認された。これは、薬剤に対する耐性を持ち、動物からヒトへの伝播速度が速いなど、これらの病原体が感染目的に有利な特徴を持つためである。P-781プロジェクトのうち、コウモリを介した人への病気の感染経路の研究に関する部分の文書を調査したところ、ハリコフの研究所をベースに研究されていたことが判明した」(注2)。

いいねえ、そうだろう?つまり、これらの施設の研究者は、自分たちが、1. 最も感染力が強い、2. 最も致死性の高い、3. 最も薬剤耐性の高いと考えている病原体を選んでいたのだ。

「極悪非道」という言葉は、いつから使うのが適切になるのだろうか?無理があるのだろうか?

以下はその続きだ。

「FLU-FLYWAYプロジェクトの枠組みで、ハリコフ獣医学研究所は高病原性鳥インフルエンザの感染拡大の媒体となる野鳥を研究した。同時に、感染拡大のプロセスが手に負えなくなる条件、経済的な損害、食の安全に対するリスクについても評価した。これらの文書は、流行の可能性が高く、種間障壁を乗り越えることができる鳥インフルエンザウイルス株の収集にハリコフ研究所が関与していることを確認するものである……」(注2)。

彼らの言っていることを理解しているだろうか?研究所の研究者たちは、渡り鳥を使って致命的な病原体をワシントンの敵の領土に輸送する方法を探していたのだ。これは、極悪非道にもほどがある。

 

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マイク・ホイットニー(Mike Whitney) マイク・ホイットニー(Mike Whitney)

米ワシントン州在住。インターネットで活躍する米国の代表的な左派ジャーナリストの一人。

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