
【書評】藤江成光『おかしくないですか⁉ 日本人・謎の大量死―知ってください、衝撃の事実』―現在進行形の危機を、公式資料に基づくグラフで可視化する 嶋崎史崇
映画・書籍の紹介・批評ISFは5月25日に、4回目となるコロナとワクチンについてのシンポジウム「トランプ政権と新型コロナ・ワクチン政策の転換~日本は変われるのか」を開催します。世間一般では、いまなおコロナの脅威が強調されることがある一方で、ワクチン禍から目を背けようとする傾向は強いといえます。NHKの看板番組の一つである『クローズアップ現代』が4月9日に「ワクチン接種による健康被害 問われる“救済”と“教訓”」を放送しましたが、あくまで救済制度の問題点に終始していました。つまりワクチンそのものの有効性の乏しさ、もしくは逆効果である疑いや、他のワクチンと比べて圧倒的に有害事象・接種後死亡報告が多いことなどについては、踏み込もうとしませんでした。
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/episode/te/W6M3ZV76P4/
こうした状況の中、特にコロナワクチンの甚大な潜在的悪影響の恐れについて視覚的に解説する好著が、ユーチューバー・記者として知られる藤江成光さんによって4月に方丈社から刊行されました。
藤江さんは1978年、千葉県勝浦市生まれ。国会議員秘書を経て、「日本の人口増加を目指す男」を名乗り、厚労相記者会見で鋭い質問を投げ掛け続けています。人口増加を目指していたところ、衝撃的な人口減少に行き当たった、という事実の報告が本書といえるかもしれません。
本書は、鳥集徹さんらと共に2023年に宝島社から出した『世界を欺いたコロナワクチン』に続く2冊目の著書になります。
本書の特色は、厚労省や情報公開請求に積極的に応じた浜松市の公式データを用いて、コロナワクチン接種開始後に、「日本人・謎の大量死」が起きていることを、カラーのグラフでわかりやすく示していることです。高齢化によって年2万人ほど緩やかに死者数が増え続けることは知られています。しかし特に22年には、コロナによる死亡とされる約3万人を加えても、到底説明しきれない約13万人という膨大な前年比の死者増加が生じました(32頁以下)。コロナが存在しワクチンはまだ導入されていなかった20年には、非常に異例ながら、むしろ日本の死者数は前年比で減少し、ワクチンが導入された21年から、謎の死者増加が始まったことを見逃してはなりません。23、24年も高水準の死者数が出ていながら、一般のメディアが真相を探究する動きはほとんど見られません。東日本大震災の死者数が、行方不明者を加えても約2万2000人であることに鑑みても、いかに異常な事態が生じているかが分かります。
この謎の死者増加を説明しうる一つの候補が、ワクチン副反応による死亡です。補償金の給付に関わる厚労省の「予防接種健康被害救済制度」による接種後死亡認定数が、コロナワクチンの場合、インフルエンザワクチンと比べて、同等の接種回数に調整して比較すると、100倍以上であることが厚労省資料に基づいて明かされます(45頁)。単に死亡数を挙げるだけだと、「コロナワクチンは接種回数が多いから、もし仮に犠牲が多かったとしても仕方ない」という―これまた非人道的な―反論が出るのが常です。そのため、こうした反論を事実に基づき先行的に封じておくことが重要です。
報告されている接種後死亡数自体が莫大に多いのですが、それすら全体の死亡数の氷山の一角にすぎないのでは、という疑惑が兵庫県のサンテレビの調査で明らかになっています(57頁)。
にもかかわらず、より厳密なワクチン副反応の認定に関わる「副反応疑い報告制度」では、99%以上が「因果関係評価不能」で片づけられています(54頁)。しかしその審査を行う厚労省の「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会・薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)」では、委員の14人中8人、参考人6人中3人がワクチン関連企業から金銭の受け取りがあることを、当時の武見敬三厚労相が、24年3月12日の会見で藤江さんの質問に対して認めています(55頁)。重大な利益相反の疑いがあり、公平な審査が行われているのかどうか、問い直さねばなりません。
武見大臣会見概要(令和6年3月12日(火)9:15~9:41 省内会見室):
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00672.html
情報公開に積極的な浜松市の公式データを用いて、近年の謎の大量死が、コロナワクチン接種経験者の大量死であるという事実を突き止めたのも、藤江さんの大きな功績です(94頁以下)。22年から23年にかけ、浜松市では、非接種者の死亡数は逆に減少していたのです。一部自治体でこのような非常に不都合な傾向が浮かび上がっているわけですから、厚労省は全国的な調査に乗り出すべきだ、と私は思います。改ざんが疑われた厚労省の全国データでも、一部の年代では、2回接種者の方が非接種者より多くコロナ陽性になっていたことが、知られています。
CBC:「接種歴不明なら“未接種”にしていた?不可解なワクチンデータ修正 官房長官の説明には疑問も…波紋広がる【大石が聞く】」、2022年6月22日。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/76505?display=1
しかもこうした大量死の傾向は、決して終わったわけではありません。愛知県・奈良県・山形県・鹿児島市・埼玉県朝霞市等のデータを用いて、25年1月に、既に膨大な死者数を経験した21~24年を大きく上回る衝撃的な死者数が記録されたことを、藤江さんは112頁以下のグラフで示しています。
ユーチューブによる度重なる恣意的な動画削除措置に遭いながら、真相を探究してきた藤江さんは、自らを「削除系YouTuber」と揶揄してきました。しかしその彼が、4月17日付のX投稿で、「今年に入ってから一度も削除されていません」と証言し、「『SNS検閲停止』を訴えるトランプ大統領就任」との関連を問うていることも、ISFの次のシンポジウムの問題意識と大いに関連があるように思われます。トランプ政権で政府効率化省を率いたイーロン・マスク氏が、強力な言論統制を行っていた旧ツイッターを買収して解放したXで、規制されない情報が流れるようになったことも、無関係ではないと考えられます。
https://x.com/JINKOUZOUKA_jp/status/1912779108565799088
もちろん、大多数の接種経験者はいまだ健康なのかもしれません。しかし、「お元気で何よりだと思います。でも、ご自分さえ元気なら問題ないのですか?」(110頁)という藤江さんの問い掛けを、倫理の観点から、我々日本人一人一人が重く受け止めるべきでしょう。
ぜひ本書を手に取って、グラフによる視覚情報で、現在進行形の危機を体感していただきたいです。最後に、私自身が藤江さんの実践に倣い、厚労省の人口動態統計に基づいて作成した近年の莫大な死者増加を実証するグラフを添付しておきます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2024/dl/202412h.pdf
(2024年分だけは、速報値で、他は確定値)
※本稿執筆中の4月29日の「昭和の日」には、厚労省に対する抗議活動が、財務省への抗議活動と連続する形で、霞が関の厚労省本部周辺で開催されました。私が見たところ、千人単位で人が集まっており、藤江さん、井上正康医師、池田利恵議員、林千勝さんらが演説しました。人々の薬害についての問題意識が高まりつつある、ということでしょう。以下で私が現地で撮影した写真を紹介します。
↑当日配布されたチラシ
「WHOから命をまもる国民運動」提供のデモ動画:
https://x.com/officialAntiWHO/status/1917264928865673553
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
★ISF主催公開シンポジウム:トランプ政権と新型コロナ・ワクチン政策の転換~日本は変われるのか~5/25
★ISF(独立言論フォーラム)「市民記者」募集のお知らせ:来たれ!真実探究&戦争廃絶の志のある仲間たち
※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

1984年生まれ。東京大学文学部卒、同大学院人文社会系修士課程修了(哲学専門分野)。著書に『ウクライナ・コロナワクチン報道にみるメディア危機』(2023年、本の泉社)。主な論文は『思想としてのコロナワクチン危機―医産複合体論、ハイデガーの技術論、アーレントの全体主義論を手掛かりに』(名古屋哲学研究会編『哲学と現代』2024年)。 論文は以下で読めます。https://researchmap.jp/fshimazaki ISFでは、書評とインタビューに力を入れています。 記事内容は全て私個人の見解です。 記事に対するご意見は、次のメールアドレスにお願いします。 elpis_eleutheria@yahoo.co.jp Xアカウント:https://x.com/FumiShimazaki