
5月3日のウクライナ情報
国際5月3日のウクライナ情報
安斎育郎
❶特別軍事作戦 5月1日の概要 露国防省(2025年5月2日)
ロシア国防省は、特別軍事作戦の進捗状況に関する週報を発表した。スプートニクが最も重要な項目をまとめた。
・ロシア軍の「ザーパド(西)」部隊は、ウクライナ軍の「アゾフ旅団」を攻撃した。
・ウクライナ軍、外国人傭兵の拠点162か所を攻撃した。
・ロシア防空部隊はこの24時間に、誘導爆弾「JDAM」6発と無人機137機を撃墜した。
・ウクライナ側は最大で1300人の兵を失った。
https://sputniknews.jp/20250502/51-19847316.html
❷ヘルソン州の市場攻撃 露外務省「テロ」と非難(2025年5月1日)
露ヘルソン州のサリド知事は1日、同州オレシキ市の市場に攻撃があり、民間人7人が死亡、20人以上が負傷したと発表した。知事は、1回目の攻撃後、生存者や救助隊を狙った2回目の攻撃もあったとしている。
ロシア外務省は攻撃を受け「紛争を激化させ、平和的解決の試みを妨害することのみを目的としたテロ攻撃だ」との非難声明を出した。
また、声明では「ロシアがウクライナの1991年の国境を復帰させることは認めない」とし、その理由として「キエフ政権のこの志向の背後には『ロシアのあらゆるものの根絶』があるからだ」と述べている。
ウクライナ側の主張する「1991年の国境」は、住民投票の結果ウクライナから離脱し、ロシアへの編入を決めたクリミア半島、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ヘルソン州、ザポロジエ州のことを指す。
https://sputniknews.jp/20250501/19846387.html?rcmd_alg=collaboration2
❸トランプ大統領がバチカンでの交渉内容を明かす……「ロシアは遥かに巨大で強靭、ただ前進するのみ」(2025年5月1日)
トランプ大統領はバチカンでゼレンスキー氏と会談した際、何を語ったのかを問われ、その内容を明らかにした。
トランプ政権のケロッグ特使はFOXニュースの取材に応じた中で、ウクライナと欧州が停戦条件に同意したことを明かした。
また、トランプ政権はロシアが提示する領土面の要求に対し、部分的な形で応じるとも発言した。ただし、具体的にどういった要求なのかは明らかにしていない。
【トランプ大統領がバチカンでの交渉内容を明かす……ロシアは遥かに巨大で強靭、ただ前進するのみ】
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— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) May 1, 2025
https://sputniknews.jp/20250501/19843616.html?rcmd_alg=collaboration2
❹ 米との鉱物協定「真に対等」、ウクライナ早期批准=ゼレンスキー氏(2025年5月2日)
[1日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、前日に署名された米国との鉱物資源協定について、「真に対等な合意」と述べ、ウクライナ議会による早期批准に意欲を示した。
ゼレンスキー氏は、米国との鉱物資源協定でウクライナの産業近代化に道が開かれると語り、4月26日にバチカン市で行ったトランプ米大統領との会談の最初の成果だと述べた。
ゼレンスキー氏とトランプ氏はバチカン市で行われたローマ教皇フランシスコの葬儀に先立ち会談を実施。ゼレンスキー氏は会談後「共同で成果を上げることができれば、歴史的な会談になる可能性を秘めている」と述べていた。
米国とウクライナは4月30日、ウクライナの鉱物資源などの共同開発を柱とする協定に署名。米国がウクライナの新たな鉱物資源取引への優先的なアクセスを得るほか、共同で投資基金を創設しウクライナの復興に充てることなどが盛り込まれた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/98a274c9cc2b260b018f434e24671a50df08b4ff/images/000
❺鉱物資源協定、ウクライナは米支援に国富削るとメドベージェフ氏(2025年5月1日)
[モスクワ 1日 ロイター]ロシア国家安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領は1日、ウクライナと米国の鉱物資源協定署名について、「トランプ氏はウクライナ政権を、米国の支援に対し鉱物資源で支払わざるを得ないところまで崩壊させた」と指摘した。
「これで彼ら(ウクライナ)は、消滅しつつある国の国富で軍事物資の代金を支払わなければならなくなる」とテレグラムに投稿した。
ウクライナ紙キーウ・ポストは、トランプ政権が4月30日、5000万ドルかそれ以上の防衛装備品を直接的な商取引を通じてウクライナに輸出することを許可する意向を議会に通知したと外交筋の話を引用して報じた。ロイターはこれを確認できていない。
元ロシア大統領顧問のセルゲイ・マルコフ氏は、鉱物資源協定によってトランプ氏は対ウクライナ戦争向けの新たな支出を「正当化」する仕組みを構築したとして、ロシアが和平交渉を通じて目標を達成するのはより困難になるとの見解を示した。
「米国は自らをウクライナの共同所有者のようなものだと考え始めており、今後、親ウクライナ的な立場を取るだろう」と予想した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b772c07e732b0fab05c8038c430a917726fb3d77/images/000
❻ウクライナ、一部領土の「ロシア支配」事実上容認か…アメリカの特使が「同意」と言及(2025年5月2日)
【ワシントン=池田慶太】米国のキース・ケロッグ・ウクライナ特使は4月30日の米FOXニュース番組で、ロシアとウクライナの和平交渉を巡り、ウクライナが一部領土のロシア支配を事実上認めることに「同意した」と述べた。同月23日にロンドンで開かれた米国とウクライナの協議のやりとりだとしている。
ケロッグ氏によると、ウクライナ側は協議で、少なくとも30日間の「包括的停戦」が実現すれば、ウクライナ領のロシア支配を法的には認めないものの、事実上容認する意向を示した。米国が先に示した和平案に沿うもので、ウクライナが領土問題で態度を軟化させている可能性がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e6be1f2d72d2c594eda6884f49949569731953d/images/000
❼ トランプ氏、ロシアは「かなり大きな譲歩」 ウクライナの「全土は奪わず」と強調(2025年2月5日)
(CNN) トランプ米大統領は24日、ロシアがウクライナとの和平交渉において相当の譲歩を提示したとの認識を明らかにした。「国全体を奪取」はしないというのが譲歩の内容だとした。
ロシアが和平交渉で何を提案しているのかという記者の質問に対し、トランプ氏は「戦争の停止だ」と答えた。
トランプ氏は同日、ノルウェーのストーレ首相と大統領執務室で会談。その際にロシアとウクライナの和平交渉に触れ「国全体を奪取しないというのは、かなり大きな譲歩だ」と付け加えた。
ロシアのプーチン大統領は、2022年2月のウクライナ侵攻で他国から広く非難されており、ウクライナのゼレンスキー大統領は、クリミア半島におけるロシアの支配を正式に承認することさえ強く反対している。
関係筋によれば、米政権が先週仏パリで提示した枠組みは、米国によるクリミアのロシア領承認やウクライナの広大な領土のロシアへの割譲など、ウクライナ側に大きな犠牲を強いる内容となっている。バンス米副大統領は23日、「領土境界線を現状に近い水準で凍結する」よう求めた。
複数の同盟国外交官は、トランプ政権の提案に動揺していると明らかにした。こうした枠組みはプーチン氏や中国の習近平(シーチンピン)国家主席を含む世界の指導者たちに、違法な征服が成果をもたらす場合があるという危険なメッセージを送ることになるとみられるからだ。
「これは国際法の基本原則に関わる問題だ。我々自身の存在に関わるものであり、我が国や他の国々が独立のために講じているあらゆる保障措置を弱めることになる」と、東欧のある外交官はCNNに語った。彼らと他の関係筋は、外交上のデリケートな問題について非公開で協議した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6b2a171bf5c70a513c14b34c5922c51c4c165ff4/images/000
❽ジェフリー・サックス国際経済学者 & ヤニス・バルファキス経済学者の未来予想(2025年5月1日)
” 最終的にはアメリカなしで世界の貿易システムは進んでいく。
世界の多くの国々は、米国に従って反中になる道を選ばない。米国が現在も維持している真の経済力をよく見てみると、トランプ氏が信じているものとはほど遠い。アメリカの輸入は、ほとんどの国がアメリカの脅威のために全ての外交政策と経済の方向性を変えるほど大きくない。アメリカ全体の輸入は、世界の輸入の約12%または13%。
この貿易戦争における力についてのもう一つのポイントは、金融市場が現在非常に不安定であるということ。トランプはすぐにいわゆる相互関税を放棄せざるを得なかった。貿易に対する抗議のためではなく、資本市場が硬直し始め、アメリカの金利が5%を超え始め、明らかに大きな問題があったから。
アメリカがまだ唯一の覇権国であるということに、バイデンはウクライナで軍事的に賭けた。トランプは世界経済で今それを賭けている。それぞれまったく異なる方法で賭けている。どちらの場合も私はその賭けを買わない。
そして今、中国は人民元の国際化について公然と話している。それはアメリカドルが唯一の世界的な基軸通貨であるという過剰な特権が、10年も続かないだろうということも意味する。
アメリカの覇権は、その赤字に基づいている。これは過去50年の大きなパラドックス。赤字に基づく覇権は、糸のようにかろうじてつながっている。その糸はドルの過剰な特権。人民元の国際化がその糸を本当に断ち切ることになるだろう。
もしトランプが中国を押し続けるなら、中国がBRICSを緩やかな集合体から、人民元がドルの役割を果たす新しいブレトンウッズ体制に変える可能性がある。
ドルの過剰な特権は以下の理由で終わる。
・相対的に見てアメリカの世界における重みが縮小している
・アメリカの財政責任の完全な失敗
・ドルを使ってアメリカの外交政策を強制すること、つまりドルの武器化が広範囲に行われている
・SWIFTは原始的な決済システムで、デジタル決済システムへの移行が待たれている
中国では、私が「クラウド資本」と呼ぶアルゴリズム資本と金融が完全にシームレスに統合されている。アメリカではウォールストリートがシリコンバレーにその金融的利権を共有するのを許さない。中国では政治構造のおかげで、そこは問題にならない。中国では、西側では絶対に起こらないようなことを行う。例えば、大手テクノロジー企業に相互運用性を強制するなど。
トランプが自分のハッタリが見抜かれ、自分の虚勢が失敗していると感じた場合、台湾での緊張を高め、ミサイルを配備して中国政府を挑発し、ドルの特権を失うよりもすべてを吹き飛ばすように仕向ける可能性があるか?
もし台湾人がウクライナ人のように行動すれば、壊滅的な戦争が起こるでしょう。 ”
https://x.com/i/status/1917810557857718603
https://x.com/ShortShort_News/status/1917810557857718603?s=09
❾【米宇が署名した鉱物資源協定の内容とは】(2025年5月1日)
✍️米国のベッセント財務長官とウクライナのスビリデンコ副首相が署名した鉱物資源協定は、経済連携を確立する枠組み合意に加え、政府機関による国立基金の創設、及び基金内の責任分担に関する合意という、2つの技術的合意で構成されている。
以下、主な内容。
🔸双方は基金を平等に運営し、いずれの側も過半数の議決権は持たない。
🔸基金は化石燃料や石油・ガスの掘削、インフラ、加工関連プロジェクトに投資する。米国政府はプロジェクトの選択に発言権を持つ。
🔸基金はレアアース、石油、ガス分野のプロジェクトに対する新たなライセンスから得られる収入によってのみ補填される。すでに進行しているプロジェクトの収益が基金に充てられることはない。
🔸ウクライナ領内にある資源は全てウクライナの所有物であり、その管理下にある。
🔸ウクライナの国営石油・ガス生産会社「ウクルナフタ」と原子力発電所運営会社「エネルゴアトム」はいずれも国営のままとする。
🔸基金の収益は10年間分配されない。
🔸協定は議会の承認を経て正式に成立する。
https://x.com/sputnik_jp/status/1917742442604028262?s=09
❿【ウクライナと欧州が停戦条件に同意=米特使】(2025年5月1日)
トランプ政権のケロッグ特使はFOXニュースの取材に応じた中で、ウクライナと欧州が停戦条件に同意したことを明かした。
また、トランプ政権はロシアが提示する領土面の要求に対し、部分的な形で応じるとも発言した。ただし、具体的にどういった要求なのかは明らかにしていない。
https://x.com/i/status/1917783409386287484
https://x.com/sputnik_jp/status/1917783409386287484?s=09
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1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。