
【櫻井ジャーナル】2025.05.13XML:戦勝記念期間中に露国を攻撃したウクライナを極超音速ミサイルで攻撃の可能性
国際政治ウラジミル・プーチン露大統領は5月11日、ウクライナ政府に対し、2022年に中断した直接交渉の再開を提案した。ロシアは前提条件なしに交渉に応じる用意があるとしているが、ウクライナ軍の戦力を立て直すための時間稼ぎにしてはならないと釘を刺している。
また、ロシア政府は5月13日の朝7:00まで、22時間にわたってカプースチン・ヤール上空の空域を閉鎖すると発表、キエフのアメリカ大使館はこの間にキエフに対する大規模な空爆が行われる可能性があると警告している。11月にロシア軍が極超音速(マッハ10以上)で飛行する中距離弾道ミサイルのオレシュニクをカプースチン・ヤールから発射している。
この発表の後、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーはトルコでプーチンに会うと表明、モスクワが停戦に同意すればプーチン大統領と会談するとしている。このゼレンスキーや欧米諸国が要求している無条件の30日間停戦はウクライナ軍の戦力を立て直すための時間稼ぎにほかならない。ロシアのユーリ・ウシャコフ大統領補佐官は、キエフが本当に望むならイスタンブールに代表団を派遣し、交渉を開始するのは容易だと語っている。
ロシア軍は2022年2月24日、ミサイルなどでドンバス周辺に集結していたウクライナ軍の部隊を壊滅させ、航空基地、レーダー施設、あるいは生物兵器の研究開発施設を破壊しはじめたが、その直後から停戦交渉が始まっている。
イスラエルの首相だったナフタリ・ベネットを仲介役として停戦交渉が始まり、双方とも妥協して停戦の見通しが立つ。ベネットは3月5日にモスクワへ飛んでウラジミル・プーチンと数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけることに成功、その足でベネットはドイツへ向かい、オラフ・ショルツ首相と会う。ウクライナの治安機関であるSBUのメンバーがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺したのは、その3月5日だ。
停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われた。アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と6月17日に会談しているが、その際、プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示している。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。
ロシアとウクライナだけなら、ここで戦闘は終わっているのだが、言うまでもなく、終わらなかった。その停戦交渉を壊すため、イギリスの首相だったボリス・ジョンソンは4月9日にキエフへ乗り込み(ココやココ)、ロシアとの停戦交渉を止めるように命令している。
4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。そうした中、西側の有力メディアはロシア軍がブチャで住民を虐殺したと宣伝し始める。その主張を否定する事実が次々と現れたが、停戦交渉は壊された。
米英がベレンスキー政権に対してロシアとの停戦交渉をしないように命じたのは、彼らがロシアに勝てると信じていたからなのか、勝てなくてもロシアを疲弊させられると考えていたからだろうが、実際はロシア軍が欧米の傀儡であるウクライナ軍を圧倒、ロシア経済は好調だ。欧米の「エリート」が描いていたシナリオと現実との乖離は大きくなっているのだが、その事実を彼らは受け入れられないでいる。
5月10日にキエフでゼレンスキーと会談したフランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相、イギリスのキール・スターマー首相らはゼレンスキーと同じ意見のようで、ドナルド・トランプ米大統領も、1か月間の停戦に早期に合意できることを期待すると述べているのだが、2014年のミンスク1と15年のミンスク2で煮湯を飲まされたロシア政府がこの要求を受け入れるとは思えない。
マクロン、メルツ、スターマーらはキエフから列車で帰国した。マクロンとメルツがいたと言われる車両に英仏独の首脳が記者と一緒に入った際、マクロンとメルツは何かを素早く隠した。紙で作られた小さな入れ物と耳かきのようなもので、人によってはコカインを入れるための入れ物とコカインをすくうためのスプーンに見えたようだ。
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「戦勝記念期間中に露国を攻撃したウクライナを極超音速ミサイルで攻撃の可能性」(2025.05.12ML)
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