
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年6月27日 (金) 立民国民は参院選投票対象外
社会・経済立民国民は参院選投票対象外
6月20日実施の東京都議選の結果は以下のとおり(出典:NHKサイト)。
自民が議席を大幅に減らし、公明、共産が微減、立民が微増、国民は9議席を確保。
都民ファは都議会第一党に躍進したが獲得議席数は前回と同数。
石丸再生は最多の42名を擁立したが全滅。
すでに賞味期限は切れている。
自公の与党が退潮したから、本来は野党第一党の立民が躍進するべき局面。
しかし、立民は停滞したまま。
理由は立民が自民にすり寄る姿勢を鮮明にしていること。
三つの重大問題がある。
第一は消費税減税に背を向けていること。
第二は企業献金全面禁止を実現するための指導力をまったく発揮できなかったこと。
第三は史上最悪の年金改悪法制定に加担したこと。
参院選で立民に投票するのはやめた方がいい。
いま、何よりも必要な施策は消費税減税。
第一段階として消費税率を5%に引き下げるべきだ。
地方を合わせて15兆円減税になる。
財源はある。
この15兆円減税を断行するべきだ。
立民は消費税減税に背を向けている。
1年限り、食品税率ゼロを提唱しているがお話にならない。
野田佳彦氏の使命は自民と連立して消費税増税を断行することだと推察される。
立民の議席を増やすことを絶対に回避しなければならない。
企業団体献金を全面禁止する法律案を、野党が結束すれば衆議院で可決できた。
これを阻止したのは国民民主。
維新や立民は表面上は賛成だったが、国民が法制定を阻止したことを確認して見かけだけ賛成を装った疑いが強い。
〈政治とカネ〉根幹は〈企業献金〉である。
一部の野党は与党になって企業献金の甘い蜜を吸いたいと考えていると見られる。
年金改悪法は致命的。
この法律は二つの重大内容を含む。
ひとつはパート労働者に社会保険加入を強要すること。
社会保険加入強要でパート労働者の手取りが16万円から27万円も減少する。
すべての労働者を〈沼にはめる〉制度改悪である。
もうひとつは、厚生年金の積立金を政府が抜き取る内容を含んでいること。
財産権侵害の違憲立法である。
他方、国民民主の罪はさらに深い。
2025年の通常国会で消費税率5%=15兆円減税を衆院で可決できた。
ところが、国民民主がこれを消し去った。
企業献金全面禁止を潰しただけではない。
国民民主は〈103万円の壁〉を前面に掲げたが、決着したのは僅か0.7兆円の〈しょぼい減税〉。
しかも、25年度は24年度の定額減税が廃止になり、所得税が2.3兆円増税になる。
合わせて1.6兆円の所得税増税が決定された。
これを主導したのが国民民主。
消費税減税絶対阻止を基本方針とする財務省と国民民主がタイアップした結果だ。
消費税減税を掲げると出てくる反論が〈財源〉。
だが、〈財源〉はある。
日本経済を浮揚させるためにも消費税率5%が最適政策だ。
参院選に向けて財務省問題と消費税減税問題を正確に理解することが絶対に必要。
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050