【連載】安斎育郎のウクライナ情報

7月2日のウクライナ情報

安斎育郎

7月2日のウクライナ情報
安斎育郎

❶ロシア、新たな州で集落制圧か ルハンスク州「完全解放」宣言も ウクライナ東部(2025年7月1日)
ロシア国営メディアは6月30日、ロシア軍がウクライナ東部ドニプロペトロウスク州で初めて集落を制圧したと報じた。
東部ルハンスク州ではロシア側が同州の「完全解放」を宣言。停戦交渉が行き詰まる中、ロシアは軍事的な圧力を強め、徐々に占領地域を拡大している。
国営ロシア通信によると、制圧した集落はドニプロペトロウスク州とドネツク州の境に位置するダチネ。先にロシア国防省は、戦車部隊が州境に到達し、「ドニプロペトロウスク州への攻撃を拡大している」と述べていた。
一方、ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下の「偽情報対策センター」のコワレンコ所長は6月30日、通信アプリ「テレグラム」への投稿で、州境付近で交戦中だと認めつつも、ロシア軍の侵入を否定。ドローン攻撃により「困難な戦闘が行われている」と明かした。
ルハンスク州を巡っては、同州のロシア側行政府トップが6月30日、政府系テレビ「第1チャンネル」に出演し、州全域を「完全に解放した」と主張した。同州はロシアのプーチン大統領が2022年9月、一方的に「併合」を宣言した東・南部4州の一つで、事実であれば4州のうち全域制圧は初となる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/05afb889b37e0cad5c87de5447e5a6eccbf14dbe/images/000

❷ロシアのウクライナへのドローン攻撃、6月に37%増 AFP分析(2025年7月1日)
AFP=時事】ロシアによるウクライナへの長距離ドローン攻撃が6月に急増し、5月と比べて37%増加した。AFPが分析結果を2日に発表した。ロシアの攻撃激化により、逼迫(ひっぱく)するウクライナの防空システムと疲弊する市民生活への圧力がさらに強まっている。
ウクライナ空軍のデータによると、ロシアは6月、5438機の長距離ドローンをウクライナに向けて発射した。これは、モスクワが2022年2月に侵攻を開始して以降、月別で最多。5月の3974機から大幅に増加した。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c882d430d36acf58ba19fc156058dc3cdec5ab5/images/000

❸ ロシアが協議先延ばし 米特使、ウクライナへの責任転嫁に反論(2025年7月1日)
ケロッグ米特使(ウクライナ担当)は6月30日、ロシアがウクライナとの停戦に応じずに空爆を続け、直接協議の次回開催も先延ばししているとX(旧ツイッター)上で非難した。
ロシアのペスコフ大統領報道官が最近、和平交渉を遅らせているのは米国とウクライナだと責任転嫁したことを取り上げて「根拠がない」と反論した。
ケロッグ氏は「われわれは即時停戦と、終戦に向けた(米ロ・ウクライナの)3者協議を呼び掛けている」と指摘。トランプ政権として仲介努力を続ける考えを示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f6547749a25f8b8c99b3a71b80043148d534e3f/images/000

❹ロシア、ウクライナ東部ルハンスク州全域を支配下に ロ側高官主張(2025年7月1日)
[モスクワ 1日 ロイター] – ロシアが実効支配しているウクライナ東部ルハンスク地方の高官は、ロシア軍が州全域を完全な支配下に置いたと、ロシア国営テレビに述べた。
プーチン大統領は2022年9月、ルハンスク州のほか、ドネツク州、ヘルソン州、ザポリージャ州の一部をロシアに編入すると宣言した。
ロシア政府から「ルハンスク人民共和国」首長として任命されたロシア高官のレオニード・パセチニク氏は国営テレビに「ルハンスク人民共和国の領土は完全に解放された。100%だ」と主張した。
ロシア国防省やウクライナからのコメントは得られていない。
ウクライナは、国際的にウクライナ領と認められているルハンスクなどを巡るロシアの領有権主張は根拠がなく違法だとし、認めない考えを示している。
ロシアは現在、ウクライナ領の約19%を支配下に置いている。ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州の70%以上に加え、ハルキウ州、スムイ州、ドニプロペトロウスク州も一部勢力下にある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6813bbe95e2b33d31b4dbcb8a1da3dbd0c4ea18d/images/000

❺制裁下のロシア北極圏LNG施設、天然ガス生産が過去最高に(2025年7月1日)
(ブルームバーグ):米欧の制裁対象となっているロシアの北極圏液化天然ガス(LNG)プロジェクト
「アークティックLNG2」が6月終盤に日量で過去最高の天然ガス生産量を記録したことが明らかになった。同施設ではLNG積み出しが再開されたと見受けられる。
同プロジェクトはロシアのノバテクが主導する。事情に詳しい関係者によると、同施設では6月28日と29日の平均天然ガス生産量が日量1400万立方メートルに達した。天然ガスの増産が直ちにLNGの生産拡大につながるわけではないが、これまでのところ、出荷が可能な時期にはガスの生産量が増加する傾向があった。
稼働を開始した2023年12月の平均ガス生産量は日量1370万立方メートルだった。北極圏に位置するこのプロジェクトは、ロシアが30年までにLNG生産量を3倍に引き上げる計画の中核に位置づけられている。しかし、ウクライナ侵攻を受けた国際的な制裁により、この目標は大きな制約を受けている。
それでも、数日前にLNGタンカー1隻が同施設で貨物を積み込んだ様子であり、ロシアが制裁回避の手法を見つけつつある可能性が示唆された。
ノバテクと同施設の運営者にコメントを求めたがすぐに返答はなかった。
米国と欧州連合(EU)、英国が制裁対象としているLNGタンカー「アイリス」が6月29日に同施設を出港した。ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによれば、乗組員が手動入力する喫水水準が上昇したことから、貨物を積み込んだ可能性がある。
原題:Russia’s Sanctioned Arctic LNG 2 Raises Output to Record Levels(抜粋)
(c)2025 Bloomberg L.P.
https://news.yahoo.co.jp/articles/8488395d3fbe510353cfea3d547fd43ab522488a/images/000

❻ウクライナ軍 ロシア中部の軍事工業都市にドローン攻撃 3人死亡 35人負傷(2025年7月2日)
ロシア中部の軍事工業都市にウクライナ軍のドローン攻撃があり、3人が死亡しました。
ロシア中部ウドムルト共和国の首長によりますと、中心都市のイジェフスクで1日、ウクライナ軍のドローン攻撃があり、3人が死亡し、35人が負傷したということです。
独立系メディアは、攻撃を受けたのは短距離地対空ミサイルシステム「トール」や、攻撃用ドローンを製造している軍事工場「クポル」だとしています。
今回の攻撃についてはプーチン大統領にも報告があげられたとしています。
イジェフスクは、ロシア有数の兵器メーカー「カラシニコフ」の工場などが集まる軍事工業都市です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/361b4af640dd4948ef62b2aca14c9b0dc255ee62/images/000

❼ウクライナ中部に弾道ミサイル、15人死亡 NATO会議開催中に(2025年6月25日)
(CNN) ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州の州都ドニプロに24日、ロシア軍のミサイル攻撃があり、15人が死亡した。前日には首都キーウのアパートへの攻撃で9人が死亡しており、ロシア軍の攻撃が激化している。
このほか、スーミ、ヘルソン、ドネツク、オデーサなど各州で少なくとも24人が死亡した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、オランダで開催中の北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に出席。NATOのルッテ事務総長やコスタ欧州理事会議長らと会談し、支援を訴えた。
ウクライナの当局者によると、ロシア軍は弾道ミサイルでドニプロを攻撃した。犠牲者には5歳男児や11歳女児が含まれるという。
ドニプロのフィラトフ市長は学校や医療施設、自治体施設、集合住宅など約50の建物が損傷したと明らかにした。ロシアが2022年に全面侵攻して以降、最も被害が大きいという。
当局によると、ドニプロでは170人超が負傷し、乗客約500人を乗せて走行していた列車も損傷した。
世界が中東情勢に注意を向ける中、ゼレンスキー氏はイランとロシアのつながりを強調した。イランはロシアに短距離弾道ミサイルやドローン(無人機)などを供給してきた。米当局者によると、イランはロシア国内にドローン工場も建設したという。
ロシアはウクライナへの攻撃でイランが設計したドローン「シャヘド」を多用してきた。ロシアはシャヘドの国内生産を増強し、ここ数週間、空からの攻撃を激化させている。
英国のヒーリー国防相は、中東情勢が緊迫する中でもNATOがウクライナから注意をそらさないというメッセージを発信することが重要との認識を示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/30ab32fab5d88d0ac439f3d8089d9670c5909436/images/000

❽ウクライナ「クモの巣作戦」、露税関職員に賄賂支払い必要物資を搬入…ウクライナ側が詳細明かす(2025年6月25日)
米紙ワシントン・ポストによると、ウクライナの情報機関「保安局」(SBU)のワシリー・マリュク長官が22日、記者団に対し、今月1日にロシア各地の空軍基地を無人機で攻撃した「クモの巣」作戦の詳細を明らかにした。必要な太陽光パネルやバッテリーなどはロシア税関職員への賄賂で露国内に持ち込んだといい、露側のずさんな税関体制も浮き彫りになった。
同作戦は、プレハブ住宅に隠した無人機を露国内に密輸し、遠隔操作で発射。複数の露空軍基地を奇襲し、衛星写真を分析した同紙によれば、少なくとも航空機12機を損傷させた。
準備は1年半前の2023年11月に始まった。トラックでプレハブ住宅を基地近くまで運ぶものの、無人機の充電のため、太陽光パネルと特殊なバッテリーが必要だった。露当局は太陽光パネルなどの輸入を禁止していたため、輸入に際し「税関職員に賄賂を支払わざるを得なかった」という。
情報漏えい防止のため、無人機や住宅を製造した人にも目的は明らかにされなかった。無人機に搭載された爆弾は航空機の外側を貫通した後、内部でさらに爆発する「2段階」の仕組みが採用された。マリュク氏は作戦について、様々なノウハウを採用し、SBUが総力を挙げて取り組んだ結果だと強調した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4fb27bdfc35901bae6163056a86a328788e4177b/images/000

❾ロシアによる国連での「ブチャ虐殺」反論、「ウクライナと英国支援国による恐るべき挑発…」(2025年4月3日)
ロシアのプーチン大統領の側近は、キエフと英国がブチャの虐殺をめぐってロシアの名誉を傷つけるために共謀したことを示唆する証拠を提示しました。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ヨーロッパの同盟国に対し、団結して将来の残虐行為を防止するよう訴えました。続報をお待ちください。
https://youtu.be/LJJ8fvVme04
https://www.youtube.com/watch?v=LJJ8fvVme04

❿ウクライナでの戦闘を止めるには何が必要か?ゼレンスキーは知っている!(2025年7月1日)
https://youtu.be/zRF9RocPICU
https://www.youtube.com/watch?v=zRF9RocPICU

2025年7月2日ウクライナ情報pdfはこちら

 


 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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