【連載】百々峰だより(寺島隆吉)

「超越人」岡田元治さんへの手紙――IT企業の社長がなぜ独立メディアの運営と農業経営の援助に乗り出したのか(上)

寺島隆吉

総合文化(20250710)
イベルメクチン(米国ではすでに市販薬として認可された州が三つ)

昭和天皇(沖縄を占領するようアメリカに要望)
寺崎英成(宮内府御用掛、天皇の要望をシーボルト「対日理事会」議長に伝えた)
ウィリアム・ジョセフ・シーボルト(「対日理事会」議長&連合国最高司令部外交局長)

横田空域(米軍横田基地の上空は日本政府の管轄権が及ばない!)
日米地位協定(在日米軍に関する地位協定。米軍が自由気ままに振るまえる根拠法)
日米合同委員会(米軍幹部と日本政府高官で組織された委員会。裏で日本を実質支配)

法律の実質的優先順位: 日本国憲法 《日米安保条約 《日米地位協定 《日米合同委員会
(註:右側に行けば行くほど権力が強くなる。つまり日本国憲法が最下位の地位にある!!)


 

ISF(独立言論フォーラム)編集長・木村朗、IT企業「リンク社」社長・岡田元治
岡田元治 「リンク社」社長
https://isfweb.org/post-58120/(動画54分)


 

岡田社長さん


株式会社リンクの岡田元治(がんじ)社長にたいして、いきなり「岡田社長さん」と書き始める失礼をお許しください。
先日のISF(独立言論フォーラム)主催のシンポジウムが終わった後、懇親会で同席させていただいたとき、気さくで話しやすい印象を受けましたので、とても「岡田社長さま」と書き始める気にはならなかったのです。
その私の素朴な感情を「さま」ではなく「さん」に込めたつもりですので、その気持ちを何とかそのまま受け止めていただければ有り難いと思います。


ところで「なかほら牧場」の素晴らし成果が届きました。
https://nakahora-bokujou.jp/
新鮮な牛乳・ヨーグルトやフィナンシェなど、数多くの豊かな品々が箱にぎっしりと詰まっていて驚愕驚喜させられました。
さっそく牛乳を賞味させていただきましたが、ほんのりとした甘みが口いっぱいに広がりなんとも言えぬ味わいでした。
この牛乳でフランス菓子フィナンシェを食べると、もっと美味しいに違いなと思って試してみたところ、やはり期待どおりの美味しさで、思わず家内にも「おまえも試してみろ」と叫んでしまいました。
しかも同梱されていた『おいしい牛乳は草の色――牛たち暮らす、なかほら牧場の365日』(春陽堂書店、2020)を読んでみると、岩手県の自然放牧場を満喫している牛たちと牧場経営者・中洞正氏のようすが、各頁に次々と掲載されている色彩豊かな写真を通じて、生き生きと伝わってきました。


去る5月25日(日)、26日(月)にISF(独立言論フォーラム)主催のシンポジウム&茶話会に招かれて話したことで、こんな嬉しいプレゼントが届くことになるとは思ってもみませんでした。
シンポジウムが終わった後、近くの中華料理店で登壇者を囲んで懇親会が開かれ、ISF木村編集長が、岡田社長さんとすぐ真向かいの座席に案内してくださったことが最高の幸せにつながったのでした。
正直に言わせていただくと、リンク社の社長・岡田元治さんという方がどんな人物であるかを、そのときまでほとんど知らなかったのです。そのときまで私の頭の中にあった知識は、「木村編集長とともにISF(独立言論フォーラム)の共同代表を務めている不思議な社長さん」というだけでした.
シンポジウムに登壇したとき私は、「WHOや米国政府が、イベルメクチンを処方した医師の免許を停止するるなどの弾圧を加えた。このことが今回の『コロナ騒ぎ』『ワクチン騒動』の本質を象徴している」という趣旨の発言をしたのですが、そのとき壇上の前から3列目にいたひとから大きな拍手をいただいたのです。
が、思いだしてみると、そのときの人物が岡田社長さんだったのです。
そして懇親会が終わった帰り道に、岩手県の「なかほら牧場」という自然放牧場を経済的に支えているのがリンク社社長の岡田さんだということを、木村編集長から教えてもらったのでした。しかし「リンク社」と「なかほら牧場」がどう結びつくか、私には相変わらず謎のままでした。


そこで「なかほら牧場」の成果が届いたのを機会に岡田元治さんについて本格的に調べ直すことにしました。そして調べ直してみると、ISF のサイトに次の記事(2022.08.24収録)が再配信されていることに気づきました。
(1)「IT企業リンクの挑戦~社員本位の経営は当たり前」
https://isfweb.org/post-58120/

またこの記事には関連記事として次のようなサイトにもリンクが貼られていました。
(2)【キーパーソン】ISF代表理事・岡田元治 怒れる企業人の反乱
https://isfweb.org/post-4864/
(3)見果てぬ夢を次代につなぐ(前)、見果てぬ夢を次代につなぐ(後)
https://isfweb.org/post-3505/https://isfweb.org/post-3508/
(4)会社のサイト
https://link.co.jp/


これらの記事を読んでみて、岡田社長さんのISF(独立言論フォーラム)を起ち上げる原点が「911事件」であったこと、その思いが木村朗(編)『終わらない占領との決別』(かもがわ出版2022)終章に綴られていることを初めて知りました。
しかも、この本の巻頭言が元首相・鳩山友紀夫であり、この本の出版記念シンポジウムが同時にISF創設を記念する日(2022年3月31日)であったことも、今回はじめて知ることができました。
私自身は拙著『コロナ騒ぎ謎解き物語』全3巻(2021)を出版し、それが縁で木村編集長からインタビューの依頼があり、ISFにズーム出演するまでその存在を知らなかったのですから、無知を恥じるのみです。
それはともかく、この本の終章に収録された岡田代表の論考「見果てぬ夢を次代につなぐ」によると、岡田さんの言論活動の原点は、「30年ほど前から、日本はどうやら米国から独立できていないのではないかという獏とした感じを抱いた」ことに始まるそうです。
その論考によれば、もともと広告制作を生業としていた岡田さんが、眠る時間を削って仕事に打ち込む一途(いちず)さと同じ情熱を傾けて、関連文献を読み漁り、米軍による日本統治システムの正体やマスコミによる情報操作の裏側について、自分なりの結論にたどり着いたそうですが、なかで最も悔しかったのは次のことだったと述べられています。 「それにしても、である。この屈辱の国に生きる人間として言わずにいられないのは、目的や経緯がどうであったにせよ、結果的に、沖縄を、ひいては日本全体を米軍に(米国に、ではない)売り渡した昭和天皇は、恨んでも恨みきれないということだ。」


この驚くべき事実は沖縄公文書館で発見されたいわゆる「シーボルト文書」に述べられていたものですが、それは岡田論考によれば以下のとおりでした。

 宮内府御用掛寺崎英成は1947年(昭和22)9月19日、対日理事会議長兼連合国最高司令部外交局長ウィリアム・ジョセフ・シーボルト(正しくはシーボルド──引用者、以下同じ)を訪問し、米国による沖縄の軍事占領に関する天皇の見解を伝えました。

シーボルトはその内容をまとめ、同月20日付で連合国最高司令官に、同月22日付で米国国務長官に報告しました。内容は概ね以下の通りです。
(1)米国による琉球諸島の軍事占領の継続を望む。
(2)上記(1)の占領は、日本の主権を残したままで長期租借によるべき。
(3)上記(1)の手続は、米国と日本の二国間条約によるべき。


このような事実を知った岡田社長さんは、上記の論考を次のような「締め」で終えています。

まったく〝やれやれ〟というしかない。連合国軍の最高司令官に向かって「自分の身はどうなってもいい。戦争の責任はすべて自分にある」と潔く述べたと教えられてきた状況の内実はこれだったのだ。これを知って、それまで〝右寄り〟であった私は、昭和天皇に対する尊敬と誇りを、残念ながら失ってしまった。

こんなことを書くと、天皇という文字に弱いこの国の人びと、とくに右方面からは袋叩きにあうだろうが、同時代の人間のご多分に漏れず司馬遼太郎を読んで大人になり、明治維新大好き、明治大好きで生きてきて、30代半ばに〝右側の扉〟から歴史の旅に出た〝元右寄り人間〟の、情けない怨み節と思って聞き流してもらいたい。(今にして思えば、司馬遼太郎は、歴史家などではなく小説家だったのだ。)

これを読んで、岡田社長さんの「今まで世に流されてきた言説に惑わされず、事実・真実を追究する新しいメディアを起ち上げなくては」という強い思いが、私にストレートに伝わってきました。


それにしても岡田社長さんが経営しておられるIT企業「リンク社」とはどのようなものなのでしょうか。上記(2)で紹介したサイトには次のような説明が載せられていました。

嘘や欺瞞を許せないという真摯な態度は経営者としての資質にもマッチしたのか、岡田氏が舵を取るリンク社は2016年から6期連続で増収をはたしており、25年には単年度売上高100億円の大台越えを目指している。
売上構成は2010年ごろまでは他社開発のホスティング事業「At+link」の売上が9割以上を占めていたが、現在では、リンク社が主導して実現した企業向けクラウド型テレフォニーサービス「BIZTEL」が6割近くを占めるまで伸びており、今後はBIZTELに加えて、ホスティング事業と決済系サービスの伸長を図りつつ、27~28年には売上高120億円を目指す。
https://isfweb.org/post-4864/
(ISF代表理事・岡田元治 怒れる企業人の反乱)

しかし、いくら収益をあげている会社だとしても、その儲けにいっさい貢献しない「独立言論フォーラム」(ISF)という団体に運営資金を出すというのは、普通の企業人としては考えられない行為に見えます。
ノーベル生理学・医学賞の受賞者・大村智先生から英語版『IVERMECTIN』が謹呈されてきて、やはり驚愕驚喜しましたが、そのとき、この英語版の出版費用を出したのが「タイガー・ジャイロスコープ社の社長さんだったことを、大村先生からの送り状で初めて知りました。
というのは、大村先生からの送り状には、「タイガー・ジャイロスコープ社の鳥居賢司様の自発的なお考えとご尽力により南東社から上梓(じょうし)されました」と書かれていたからです。詳しくは次のブログに書きましたので、隙間時間にでも覗いてみてください。
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-category-12.html


先日のシンポジウムの会場でこの英語版『IVERMECTIN』が販売されていたので念のために出版費用を尋ねてみたのですが、そこで初めてその費用が1,000万円だったことを知りました。
そして、それだけの大金を英語版『IVERMECTIN』に注ぎ込んだ氏の情熱と行動力に強く心を動かされました。そのことを私は上記のブログで次のように書きました。

私は、このような本を、私費を投じて制作・販売しようとした鳥居氏の心意気にまず感動しました。
しかし、その心意気の裏には、「世界中で治療効果をあげているイベルメクチンとそれを処方して医師免許の停止や剥奪されている現実」にたいする強い憤りがありました。
そのことを本書末尾に載せられている次の論考で知ることができました。
*Producer’s Note:And Yet It WOrkS、Kenji TORII / Japan
そして、たとえ費用がかかってもこのような書を世界に広めたいという氏の情熱と行動力に強く心を動かされたのでした。

しかし、以上のことを考えてみると、ISF(独立言論フォーラム)の財政を支えている岡田社長さんは、いったい幾らの資金を毎年ISFに支出されているのだろうかという新しい疑問が湧いてきました。
その疑問を、せっかく目の前にいながら、シンポジウムの後の懇親会で岡田社長さんに尋ね損なった自分の馬鹿さ加減に呆れてしまいました。おそらく、その額は1,000万円どころではなかったはずですから。
しかも、岡田社長さんと目の前で懇談していた家内によると、岡田さんはイベルメクチンを5000錠も海外から輸入して、社員には「いつでも自由に使用してください」と社内においてあるそうです。
その太っ腹に感動して、家内はさっそく1000錠を注文してしまいました。というのは体の調子が悪いときはイベルメクチンを1~4錠のむと、たちまち体調がよくなるので、いつもは500錠を注文していたのですが、すぐなくなってしまうからです。


それにしても、日本人が発明しノーベル賞までも受けた薬剤を海外から輸入しなければならないという事態は、日本政府としても恥ずべきことではないでしょうか。インドやインドネシアで実現していることが、日本で何故できないのでしょうか。
拙著『コロナ騒ぎ 謎解き物語』全3巻、『ウクライナ問題の正体』全3巻、『コロナとウクライナをむすぶ黒い太縄』全4巻の計10巻を注文してきた岩上さん(仮名)からは、「イベルメクチンを市販薬にすることを生涯の目標にしたい」とのメールをいただきましたが、まさに同感でした。
だからこそシンポジウムでは、すでにアメリカではイベルメクチンを市販薬として買うことが出来るよう法律を変えた州が誕生していること、さらには、そのように法律を変えようとしている州が幾つもあることを紹介したのでした。というのは「タイガー・ジャイロスコープ社の社長・鳥居賢司さんから次のようなメールをいただいていたからです。

最近、米国各州でイベルメクチンOTC化法案の提出が相次いでおります。現時点で、イベルメクチンをOTC薬(市販薬)にする法案を提出している米国の州が以下の14州です。

– テキサス州
– ノースカロライナ州
– ウェストバージニア州
– アラバマ州
– メイン州
– ペンシルバニア州
– サウスカロライナ州
– ミネソタ州
– オクラホマ州
– ケンタッキー州
– ミズーリ州
– ルイジアナ州
– ジョージア州
– ニューハンプシャー州

これ以外に、テネシー州、アーカンソー州、アイダホ州ではすでに法律として制定化され、医師の処方箋なしに薬局でイベルメクチンを手に入ることができるようになりました。

10
さて以上のように、調べれば調べるほど岡田社長さんは並みの企業人ではないことが分かってきました。それは氏の企業方針にも現われています。先述のサイト(2)ではそれを次のように紹介していました。

 岡田氏の超越人たるところは、「口だけ」正論の経営者ではなく、自社内の雇用制度でも「まっとうさ」を実現しているところだ。長くなるが、岡田氏が自社の雇用制度について語った「深彫りリンク」(リンク社の独自メディア)から、岡田氏の発言を引用する。

社内制度として「全員正規雇用」「変動定年制(年金受給開始年まで勤務可)」「累進子ども手当(1人目2万円、2人目3万円、3人目4万円・月額)」を実施しています。
会社というのはできるだけ多くの人に安心して働いてもらえる、安心して過ごせる日常を提供することが役割です。
それが派遣社員として働いていて、いつ首を切られるかわからない状況だったら、安心して生活できないでしょうし、そんな人が会社に対して当事者意識をもてるかといったら、それは無理だと思います。
会社と働いている人がお互いに支え合う関係がない組織は、健全にはならない。だから「正規雇用」というのは決して特別なことではなく、私の世代の経営者にとってはまだ当たり前のことでしたし、人を安易なコスト削減として扱うのは大きな間違いです。
とくにうちの場合、サーバというお客さまの大切なデータを管理しているインフラ部分を担っていますから、人が常に入れ替わっているような会社だったら安心して任せられないでしょう。
会社というのは社会のなかにあるわけです。それなのに社会を壊すようなことばかりやっているといずれ会社自体も壊れてしまう。そうならないためにもリンク社はできるだけ社員が安心していられる会社でいたいと考えています。

https://isfweb.org/post-4864/
(ISF代表理事・岡田元治 怒れる企業人の反乱)

「超越人」岡田元治さんへの手紙――IT企業の社長がなぜ独立メディアの運営と農業経営の援助に乗り出したのか(下)に続く

※なお、本稿は、百々峰だよりの(「超越人」岡田元治さんへの手紙――IT企業の社長がなぜ独立メディアの運営と農業経営の援助に乗り出したのか(2025年7月10日)からの転載になります。

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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