【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年8月 7日 (木) 背徳・最悪の日米関税交渉

植草一秀

日本と米国の関税交渉。

格下が対応すべき事案でない。

日本国民の利益、不利益に直結する話。

関税率が25%から15%に下がると報じられて日本ではぬか喜びが主流だが、ディールの達人と言われるトランプが米国に損になるディールを主導するはずはない。

15%と引き換えに何を渡したのか。

しかも、その15%に限りない不透明感が浮上している。

ここが焦点だ。

幻かも知れぬ15%を喜んでいるのは自動車業界。

日本政府は自動車産業に媚を売ることを最優先している。

日本円暴落を喜ぶのは自動車業界。

消費税大増税を喜ぶのは自動車業界。

関税率引き下げを喜ぶのは自動車業界。

日本円暴落で日本は大変なことになっている。

外国人、外国人と大騒ぎになっているが、一番の問題は日本の不動産が外国人に買い占められつつあること。

都内の高価格帯の高級マンションが外国人に買い占められているという。

最大の原因は日本円暴落の放置。

日本円暴落で国内物価が大幅に上昇した。

自動車産業は喜ぶが国民は怒る。

日本政府は自動車産業のために存在するのか。

自動車産業が各種天下り利権などを官僚組織に供与する。

これで買収されてしまっているのだと思われる。

輸出産業をぬか喜びさせている関税率引き下げの対価として日本政府が何を支払ったのか。

ディール=取引を得意とするトランプがタダで関税率を引き下げるわけがない。

公表されている対価は二つ。

一つは農産品、軍事装備品、航空宇宙で対価を支払った。

二つは5500億ドルの投資。

5500億ドルは80兆円。

半端な金額でない。

詳細が明らかにされていないから国会でも厳しい質問が出ない。

米国製軍事装備品を毎年数十億ドル購入することを約束させられた。

軍事装備品として何を買うかを決めるのは日本国民だ。

自動車の税率を引き下げてもらうために勝手な約束をするのはおかしい。

ボーイング機を100機買うに至っては正気の沙汰と思えない。

ボーイング機の事故が相次いで世界はボーイング機を敬遠している。

エアバスシフトは当然の帰結。

民間航空会社が買う航空機のメーカーを政府が決めるな。

ボーイングに弱みを握られているとしか思われない。

1985年8月12日の日航ジャンボ123便墜落原因がボーイング社になすりつけられた。

本当は自衛隊が123便を誤射してしまったのではないのか。

1985年8月12日18時24分35秒と36秒に123便の外部から異常な着力があったことを運輸省事故調査委員会資料が公表した。

この時刻は123便にドーンという爆発音が鳴り響いた時刻。

圧力隔壁が損傷して穴が開いたなら機内では急減圧が発生していなければおかしい。

そのような客観的事実は存在しない。

さらに5500億ドルの投資。

80兆円の巨大資金が米国に注がれる。

9割は融資資金で、この資金を日本の金融機関が提供すると72兆円もの資金が日本から米国に注がれることになる。

民間が資金を出すとは考えられず、日本の公的金融機関が拠出することになると見られる。

第2の米国国債購入になりかねない。

ドルが異常な高値にあるときにドル資産を保有することは巨大な為替リスクを背負うことになる。

米国が25%の関税をかけるなら日本も25%の関税をかけると宣言すればよい。

これが格下でない対応方法だ。

月初の機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご高読をご検討くださいますようお願いします。

https://foomii.com/00050

『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。

『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』
(ビジネス社)

https://x.gd/LM7XK

ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

https://foomii.com/00050

のご購読もよろしくお願いいたします。

続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第4153号
「問題は外国人でなく円暴落」
でご購読下さい。

メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。

※なお、この記事は下記からの転載であることをお断りします。
植草一秀の『知られざる真実』2025年8月 7日 (木)「背徳・最悪の日米関税交渉」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/08/post-28b5be.html

 

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

スリーネーションズリサーチ株式会社
http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-317af8.html
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

※ISF会員登録およびご支援のお願いのチラシ作成しました。ダウンロードはこちらまで。
ISF会員登録のご案内

「独立言論フォーラム(ISF)ご支援のお願い」

植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

ご支援ください。

ISFは市民による独立メディアです。広告に頼らずにすべて市民からの寄付金によって運営されています。皆さまからのご支援をよろしくお願いします!

Most Popular

Recommend

Recommend Movie

columnist

執筆者

一覧へ