【特集】9.11事件の再検証

登校拒否新聞書評欄:きくちゆみ・童子丸開著『超みえみえテロ&戦争詐欺師たちのマッチポンプ』Ⅲ

藤井良彦(市民記者)

9時3分、中継映像で飛行機がビルに衝突した映像はただ一つ、FOX5(WNYW)の放送した飛行機がビルを突き抜ける「映像D」だ。これはヘリコプターからの映像で、それもかなり遠くから撮影されていたものだ。画面がツインタワーにクローズアップして、ちょっと引いたと思ったら右側から飛行機が飛んでくる。突き抜けたのはもとより、もっと早い段階から飛行機が映っていなければおかしいという指摘がある。しかし、映像だけではない。キャスターのナレーションや目撃者の証言にも矛盾がある。どれか一つの映像が、あるいは一つの局がおかしいというのではなく、比較すると一致しない点が出てくるから変だという意見が出てきたのである。もちろん特定の映像そのものがおかしいという見方もある。それは中継映像というよりも事後において発表された映像に向けられた嫌疑である。実際のところ「映像D」は再放映されなかった。であるから、ビルに飛行機が突っ込む衝突面を映した映像は中継映像ではなく事後に放映されたものである。

今回はテレビ映像のキャプチャではなく映像そのものを上げるから、自分の目で見てほしい。テレビで見たことのある映像だと思うとしても、これを編集したものがテレビや映像作品で使われていることが多いので、ここではオリジナルの動画を見てもらいたい。

当日、エヴァン・フェアバンクス(映像作家)が撮影して、テレビ局に持ち込んだという映像はCG加工されたもの。この映像は「田村」という寿司屋が映っているあたりから見てほしい。衝突時に音は入っていない。その直前、寿司屋とバーガーキングの照明が消えることも確認してもらいたい。この現象は事実として起きたものだ。映像はFBIに没収されたらしい。失われた5秒間の音声はあるはずだ、と彼は言う。

https://www.youtube.com/watch?v=pz6_8WAIGb4

マイケル・ヘザルカニ(アマチュア)の映像は翌日にCNNで報道された。この映像は必ず下記のリンク先にある最初に放映されたバージョンで見てほしい。1年後に『データライン』というCNNの番組で放映されたエピソード「America Remembers」(単発でDVD化された)では「飛行機がビルに衝突した。信じられない!」という男の声が入る。右翼が手前のマンションに隠れるのがおかしいという意見が出た。そこで、現地調査した人がいる。バッテリー公園のフェリー乗り場から見るとこの画角で間違いない。この映像については同じフェリー船上から撮影された映像が2023年になって公開されている。「ユナイテッド航空が直撃した」「第二の飛行機がやった」と撮影者の男が言っている。公表された時期は不明だが他にも同じフェリーから映した映像があるから載せておく。

https://www.youtube.com/watch?v=lzMZsE_5zSY

https://www.youtube.com/watch?v=o6t31R4tI10

https://www.youtube.com/watch?v=eIr7nhGDaVM

リュック・クールシュネ(3Dアーティスト)の映像も有名だ。14日にCBSが放送。なぜか衝突の直前に左翼が消える。おかしいのはエース・ベーカーがパフボールと呼ぶ白い噴煙の位置だ。フェアバンクスの映像ではこれが左翼の上に出るが、クールシュネでは下に出る。また、ヘザルカニとクールシュネの映像は機影がビルに消えてから爆発音が聞こえるまでの間に1秒ほどタイムラグがある。衝突音がないことに注意。

https://www.youtube.com/watch?v=rMzmFaifzh0

このタイムラグについてはパベル・フラヴァ(チェコ人の旅行者)が撮影した映像も同様だ。8時46分に爆発のあった第1ビルから煙が噴き出してる様子が道路上から映されているが撮影者は黙っている。ところが、トンネルを抜けたとたん煙を噴き上げるビルを見上げて同乗者と共に「わーっ」と声を上げる。それもつかぬ間、9時3分に第2ビルに飛行機が衝突する模様を撮影(つまり目視)しているにもかかわらず、黙して語らず。2年後にABCで公開された映像である。なお、この映像はヘザルカニの映像を転用したものという指摘もある。やはり衝突音がない。

https://www.youtube.com/watch?v=nbE6Tkr3mFs

ジュール・ノーデが撮影した北タワーに飛行機が突っ込む映像も翌日になってテレビ局に持ち出されたものだ。理由は飛行機が映っていることに本人が気づかなかったからだという。この映像には続きがある。ギデオン・ノーデが撮影した南タワーの爆発時の映像だ。ノーデ兄弟は『9/11』(2002年)というドキュメンタリーを制作する。その1場面に第2ビルの爆発時の様子が収められている。サイモン・シャックが『September Clues』(2007年)で指摘したように、この映像は3秒間に3カットの映像が含まれている。よく見ると飛行機が映っている映像である。しかし、映像が飛ぶ以上にまた別の問題がある。今回はキャプチャをつけて解説はしないから、自分の目で確かめてもらいたい。

https://www.youtube.com/watch?v=ZEmrq_wP5b4

中継映像がどれ一つとしてビルと飛行機の衝突画面を映していない。「映像」はすべてビルの背景に飛行機が隠れる――あるいは突き抜けるコンポジット映像である。そして、その後に出てきた衝突映像が加工されている疑いがある。爆発の前に飛行機を当てなければならない。すると機体がビルに突入し切ってから爆発音が聞こえることになる。フェアバンクスの映像は音が入っていないから、テレビ局は衝突音を入れて放送した。ベーカーが指摘しているように飛行機が衝突したのであれば爆発に翼端渦流の影響が見られるはずだ。しかし、いずれの映像も飛行機が風を切った跡を映し出してはいない。パフボールの位置もおかしい。ギデオン・ノーデの映像にもおかしな点がある。とは言っても――、

複数のホームビデオが中継映像を別の角度から映し出しているではないか?

なるほど、尾翼にユナイテッド航空のペイントがしてあることが確認できるホームビデオがある。撮影者のジェニファー・スペルは映画『7 Days in September』(2002年)に出演して、「外に出て、撮影を始めて5分後、第二の飛行機が旋回してニュージャージーに飛んで、そして」と証言した。ところが、彼女の素姓については『September Clues』を見てほしい。ホームビデオとはいえ、じつはテレビ局の関係者であったりするから抜け目ない。背景が北野ブルーならぬ単調なブルーになっている。これが加工した映像の特徴である。手前の金網フェンスが映るのもおかしい。終りのほうに映っている白い飛行機は2本目の映像でも確認できる。撮影者はナカ・ナサニエルというニューヨークタイムズ社のマルチメディアジャーナリスト。3本目は爆発の直前に映像がカットされているのに音声が継続している。撮影者は「何があったの?」などと言っているが、こっちこそ「飛行機がぶつかったんじゃないんですか?」と聞きたい。4本目は例の放送事故。あの映像が映し出した機影はもう少し早い段階から画面右側に見えていなければおかしいという指摘がある。その点を修正したか。5本目と6本目は叫び声が同じ女の声ではないかと噂されている。サイモンによればティナ・カートという女性らしい。7本目は機影は映るが撮影者には見えていない。「インサイド」「エクスプロージョン」と言っている。素人撮影の映像をあとから加工したものか。8本目は素人撮影の映像が生で出回ったもの。「何があったんだ?」「わからない」という会話が真実を語る。

https://www.youtube.com/watch?v=U26Os5mSt1s

https://www.youtube.com/watch?v=RNkk7vWDuq8

https://www.youtube.com/watch?v=kj5kDs_mBhM

https://www.youtube.com/watch?v=2BwVDTltHSo

https://www.youtube.com/watch?v=Dapb9_4CNIE

https://www.youtube.com/watch?v=-DCgEJ2bUcI

https://www.youtube.com/watch?v=EsZN3b1Arw4

https://www.youtube.com/watch?v=2xNorMqKh6Y

素人撮影の映像については公開年月日についても注意する必要がある。何年もしてから公開された映像が少なからずあるからだ。ジョシュア・グッドは当時、21才の学生。「フルトン通りとウィリアム通りの角にあるアパートの屋上」からの撮影と本人は言う。確かめて見ると、フルトン通り106番地である。広い屋上と隣りのビルにある給水塔が映っている。15年後に公開された映像を見てもらいたい。

https://www.youtube.com/watch?v=siYkDNbeRZk&rco=1

こればっかりは完全にトーシロの撮影である。南タワーの爆発後も、また別の人が飛び降りたと騒いでいるだけで、誰も旅客機が衝突したなどと言っていない。むしろ「爆弾」だと言っている。「また人が飛び降りた」と言っている。炎が上がったのは衝突面とされる南西側ではなく反対の北東側だ。救急車やバスのホーン、ヘリコプターの音が入っているこの映像にジェット機が飛ぶ音は入っていない。爆発音も衝突音ではない。この点は、南タワーの爆発映像に共通して言えることだ。肝心の場面でカメラがそっぽを向いているが、映像が飛んでいるわけではないので信用できる。爆発後、ようやく5分ぐらい経ってから「飛行機か爆弾」と女が話し始める。男は「飛行機じゃない。見ろよ。こっち側が爆発したじゃないか」と言う。女は「左側にも爆弾が落ちたのかも」と返す。飛び降りる人を目視する位置にいる彼らがジャンボジェット機を見逃すのはおかしい。しかし、何らかの飛行体を見たようではある。女は「サムシング」という表現を用いているが、この表現は当時の中継でもよく聞かれる。そして、女は「スロー」と言っている。何かがゆっくりと近づいてきた。それに呼応して、別の男が「ビッグカーゴ」と言っているのも気になる。「カーゴ」には「貨物機」という意味がある。何か大きなものがゆっくりと近づいてきた。「でもなんでこっち側が爆発したんだよ!」とジョシュアは反論する。

彼らは南東から、第1ビルと第2ビルの南東面を見上げる位置にいる。この位置からは第2ビルの南西面(衝突面)が死角に入る。この面を直に見た証言はないのか?

サイモンが「飛行機は見ていない」という写真家デビッド・ハンドシュックの声を伝えている。エースも「爆発しただけ」という彼の証言を伝える。またまた、と思うあなたは次の写真を見てもらいたい。これはサウスタワーの南西面、つまり飛行機が衝突されたとされる面である。手前にマリオットホテル(第3ビル)がある。この立ち位置からするとジョシュアたちは反対側にいたことになる。たとえ彼らに見えなかったとして、この写真を撮ったプロのカメラマンに見えなかったはずがない。写真を撮るのに夢中で、全長48.5メートル、全幅47.6メートルのジャンボジェット機が爆音を轟かせてビルに衝突したことに気がつかなかったとでも?

https://www.thephoblographer.com/2021/09/11/david-handschuh-shot-one-of-the-most-iconic-photos-of-9-11/

実際に飛行機を見た人たちがいる、というのは事実だ。けれども当時の中継映像を見ると、ミサイルが撃ち込まれた。あるいは飛行機は見ていない、という証言も少なくない。

1機目は「商業用機よりは小さいが双発機」「セスナではなく小型のジェット機」「セスナかもう少し大型」「単発のプロペラ機」「小型のコミューター機」「737型か小型のエアバス」「双発機かボーイング727型か737型」ということで、少なくともアメリカン航空11便とされる「ボーイング767型」ではない。727型と737型の幅がどちらも約30メートル。767型の幅は約47メートルある。「小型のエアバス」についてはエアバスA320との具体的な証言もあった。こちらは幅が約34メートル。実際、ジュール・ノーデが撮影した映像に映る機影は767型よりも25%は小さいという指摘もある。

では、何が飛んだのか?「単発のプロペラ機」という特徴を取れば、RQ-1か、その武装型のMQ-1という無人機が候補に上がる。こちらの幅は約14メートル。すでに実戦投入されているモデルだからペンタゴンにぶつけるような操縦もできたはずだ。しかし小振りなので、大きさの上からするとRQ-4という幅が約35メートルの無人機の可能性もある。試作段階であるから目視されても機体を特定されずにすむ。気になるのは「ジェットエンジンが後ろにあった」という証言だ。双発機であればエンジンは翼の下にある。それをわざわざ「後ろにあった」というのはどういう意味か?この点、RQ-1とRQ-4はエンジンが後部に搭載してある。RQ-1は実戦投入されているとはいえ、RQ-4は試作機の段階だ。無人機と認識されるほどポピュラーではない。

テレビの中継映像における証言はすべて単発か双発か、セスナかプロペラ機かジェット機か、そして飛行機の型番という外形か、商業用機か軍用機という種別についてのものだ。つまり、テレビ中継の電話インタビューには「ボーイング767型」という証言がないばかりか「アメリカン航空」という固有名詞が出てこない。むしろ映画『911ボーイングを捜せ』が紹介していたように事故直後に撮影された映像には「アメリカン航空じゃなかった」という声が入り込んでいるくらいだ。「アメリカン航空」という名が出てくるのは飛行機がハイジャックされたというFBIの発表を受けてからのことである。

同じことは、2機目についても言える。「ユナイテッド航空」という証言がないのだ。色合いからして「バトルシップ」という愛称を持つ機体を見たならば、そのような証言があってもおかしくない。目撃談が「ジェット機」という曖昧な表現を取っていることは、機体が認識されない未知のジェット機が飛んだ可能性を示唆する。FOXの社員が証言したように「青い丸いロゴ」が前方にあったとしたら、少なくとも尾翼にロゴがあるユナイテッド航空ではない。「青い丸いロゴ」はナカムラサツマイモ店の登録商標である。

テレビ中継が始まるから実体は見えないように、しかし旅客機に見せなくてはならない。小さな黒い飛行体が近づいてきた中継映像が実写であることは否定できない。「映像」の機影がコンポジット映像だとして、何も飛んでないと言っているのではない。むしろ何かを旅客機に見せたのだろう。サイモンもAGM158のような両翼と尾翼があるミサイルが撃ち込まれた可能性は認めている。だから彼は飛行機が突き抜けた「映像D」が意外にも実写ではないかと冗談ながら言った。ミサイルであれば衝突後に爆発音が聞こえるというタイムラグも説明できそうだ。衝突面の反対側が大きく爆発したということもミサイルが突き抜けたとすればあり得ることだ。

ホログラムという説という説は突飛だけれども、角度によっては見えにくい。無音という意味では魅力的な仮説である。プロジェクターとなる飛行機を上空に飛ばし、空間中にプロジェクトするという技術は国立ロスアラモス研究所で実際に開発されている。「エアフォースワンが飛んでいた」という証言があるように上空を旋回していた白い飛行機があったとは複数の映像から確認できる。戦闘機と空中給油機が上空に到着するのはまだ先のことだ。ちなみに、この空中給油機は真っ黒なので「ビッグカーゴ」というイメージには合う。大きな爆発も給油機であれば説明できる。「青い丸いロゴ」はともかく「側面に窓がなかったので商業用機ではない」という例の証言とも合致する。(続)

その頃、ナカムラサツマイモ店では――

なに?有人飛行を再開するだと?直ちに予算を削れ!殿、いかがなさいましたか?月に行くなど断じて許さん。だいたい行けぬではないか!しかしながら石を拾っております。月の石じゃと?どこに行ったら見れるのじゃ?万博の会場にございまする。ホログラムではないのか?陰謀論はおやめくださいませ!民は信じておりますゾ。

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藤井良彦(市民記者) 藤井良彦(市民記者)

1984年生。文学博士。中学不就学・通信高卒。学校哲学専攻。 著書に『メンデルスゾーンの形而上学:また一つの哲学史』(2017年)『不登校とは何であったか?:心因性登校拒否、その社会病理化の論理』(2017年)『戦後教育闘争史:法の精神と主体の意識』(2021年)『盟休入りした子どもたち:学校ヲ休ミニスル』 (2022年)『治安維持法下のマルクス主義』(2025年)など。共著に『在野学の冒険:知と経験の織りなす想像力の空間へ』(2016年)がある。 ISFの市民記者でもある。

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