
日航123便墜落事故 第23弾:関川栄一郎氏が述べた「圧力隔壁の修理ミスの内容」について(『書いてはいけない』に関する森永康平氏への依頼も掲載)
社会・経済現在、一般的には、123便墜落事故の事故原因は「圧力隔壁の修理ミス」であったとされている。
123便墜落事故を起こしたJA8119機は、墜落事故の7年前に尻もち事故を起こしており、その修理の際、圧力隔壁の下半分が新しいものに交換された。このとき、上半分の旧隔壁と下半分の新しい隔壁をつなぐために「継ぎ板」が使われたのだが、本来であれば適切な幅の継ぎ板1枚を用いなければならないところを、なぜか幅の足りない継ぎ板1枚とフィラ1枚が使われた。
なぜ幅の足りない継ぎ板1枚とフィラ1枚が使われたのか。その理由は、一般的には「継ぎ板が2つに切断されたから」とされている。
例えば、産経新聞は以下の通り報じている。
<独自>日航機墜落事故40年 米ボーイング、修理ミスの理由説明「設置困難で部品切断」 – 産経ニュース
(https://www.sankei.com/article/20250806-N5T7PWWI3JNLNMARNOECQE4U3Q/)
≪墜落した機体はボーイング747型機。墜落事故の7年前、別の事故で機体後部を損傷し、ボーイングが修理した。機内の気圧を保つドーム状の部品「後部圧力隔壁」について、修理チームは下半分を新品に取り換え上半分と接合した。
このとき、接合部にあてるプレートが指示書では1枚だったのに対し、2枚に切断されたものが使用された。≫
上記のような「継ぎ板が2つに切断された」という内容を、現在、各マスコミは異口同音に伝えている。
ところが、私の第十八弾目の記事「事故の1ヶ月前にJA8119機内で発生した現象が報告書から外されていた」で紹介した『コミューター・ビジネス研究』No. 6において、航空評論家の関川栄一郎氏が、上記とは異なる修理ミス内容を伝えているので、紹介する。
『コミューター・ビジネス研究』No. 6掲載の「講演録 航空安全の傾向と課題」(航空評論家 関川栄一郎)には、以下の通り記載されている。
≪ジャンボ機の圧力隔壁は、お椀の形をした直径4メートルくらいの非常に大きなものですが、ものは1ミリくらいのアルミの板です。この飛行機は昭和53年に大阪でしりもち事故を起こし、隔壁にひびが入りました。
それで、日本航空ではボーイング社に頼んで修理をさせた。ボーイングの修理班は、調べてみると上はなんともない、下が壊れているというので、下半分をちょんぎってアメリカから持ってきた新しい隔壁と交換した。そのつなぎ方は板を2枚重ね、リベットで2列に止める。これが正しい止め方です。
ところがボーイングの修理をした人は何を思ったか、必要部分まで切り落としてしまい、リベットが打てなくなってしまった。そこで彼はまん中に継ぎ板を持ってきた。スプライスという方法でよくやるのですが、3列できちんと止めれば強度にも問題はない。ところが、彼はここでもまた余分に切り落とし、リベットが打てなくなってしまった。最後に彼が取った手段は、細い小さい板を持ってきて、リベットを打った。≫
上記の通り、関川氏は「継ぎ板が2つに切断された」という定説とはまったく異なる修理ミス内容を述べているのである。
関川氏の述べた内容をチャートで表すと以下のようになる。
—–
そのつなぎ方は板(筆者注:旧隔壁[上半分]と新しい隔壁[下半分])を2枚重ね、リベットで2列に止める。これが正しい止め方です。
↓
ところがボーイングの修理をした人は何を思ったか、必要部分まで切り落としてしまい、リベットが打てなくなってしまった。
↓
そこで彼はまん中に継ぎ板を持ってきた。
↓
ところが、彼はここでもまた余分に切り落とし、リベットが打てなくなってしまった。
↓
彼が取った手段は、細い小さい板を持ってきて、リベットを打った。
—–
関川氏は「旧隔壁(上半分)が計2回、余分に切り落とされてしまった」「修理した人は細い小さい板を持ってきてリベットを打った」と述べているのである。
関川氏は上記の情報をどこから入手したのだろうか。私が調べた限りでは、同様の内容を伝えているほかの資料を見つけることはできなかった。今後は、上記の情報についても深掘りしていく必要があるだろう。
修理ミスが本当にあったのであれば、それは具体的にどのようなものであったのか。「継ぎ板が2つに切断された」という定説通りのものであったのか、あるいは関川氏が述べた通りのものであったのか。
真実が早急に明らかになることを願っている。
付記:『書いてはいけない』掲載の翻訳文に関する森永康平氏への依頼
私の第十四弾目の記事「『標的機の破片に似た物体』の目撃情報について(森永卓郎氏著『書いてはいけない』の書評もあり」でも述べたが、森永卓郎氏の著書『書いてはいけない』に掲載されているAP通信記事の翻訳文は、私が作成したものである。
しかし、残念ながら、『書いてはいけない』掲載の当該翻訳文の箇所には、私の名前はクレジットされていない。
私は今年(2025年)の4月、森永卓郎氏の息子である森永康平氏に、当該翻訳文の箇所に私の名前を掲載することを依頼するメールを送信したが、返信をいただけなかった。そのため、「真実探究」を目指すISF独立言論フォーラムの場をお借りして、森永康平氏に再度依頼させていただく。
森永康平氏には、紙書籍版・電子書籍版の『書いてはいけない』掲載の当該翻訳文の箇所に私の名前をクレジットしていただきたい。
なぜ私は、自分の名前のクレジットにこだわるのか。それは、現状では翻訳者名がクレジットされていないため、『書いてはいけない』の読者が「当該翻訳文の作者は森永卓郎氏である」と誤解してしまうであろうことが明白だからである。
事実、『書いてはいけない』掲載の当該翻訳文を引用しているブログ記事が存在するが、当該ブログ記事でも、当該翻訳文の作者である私の名前は記載されていない。(https://kogotokoub.exblog.jp/33460488/)
現状のままでは、今後『書いてはいけない』掲載の当該翻訳文がほかの書籍や論文などで引用されることがあっても、私の名前は記載されない可能性が高い。
つまり、現状のままでは「当該翻訳文の作者は森永卓郎氏である」という誤解が生じ、それが事実・真実として固定化される恐れがある。
そのような事態を回避するためにも、森永康平氏には『書いてはいけない』掲載の当該翻訳文の箇所に私の名前をクレジットしていただきたい。
なお、当該翻訳文に関して参考となる動画として、以下のワタナベケンタロウ氏の動画をご覧いただければ幸いである。
【日航機墜落事故127】520名が命を落とした原因が「なぜだかわからない」では済まされない(2023年8月5日投稿の動画)
https://m.youtube.com/watch?v=UuasSxGI_YU&t=62
【参考文献】
- 織田淳嗣. ”<独自>日航機墜落事故40年 米ボーイング、修理ミスの理由説明「設置困難で部品切断」”. 産経ニュース. 2025-08-06. https://www.sankei.com/article/20250806-N5T7PWWI3JNLNMARNOECQE4U3Q/(参照 2025-09-02)
- 関川栄一郎. 講演録 航空安全の傾向と課題. コミューター・ビジネス研究, 1988, 6, p.19-31. 国立国会図書館デジタルコレクション. https://dl.ndl.go.jp/pid/3330827(参照 2025-09-02)
- 森永卓郎. 書いてはいけない 日本経済墜落の真相. 三五館シンシャ. 2024. 203p.
- 小幡瞭介. “日航123便墜落事故:事故の1ヶ月前にJA8119機内で発生した現象が報告書から外されていた”. ISF独立言論フォーラム. 2025年2月11日公開. https://isfweb.org/post-50742/(参照 2025-09-02)
- 小幡瞭介. “日航123便墜落事故:「標的機の破片に似た物体」の目撃情報について(森永卓郎氏著『書いてはいけない』の書評もあり)”. ISF独立言論フォーラム. 2024年11月19日公開. https://isfweb.org/post-46551/(参照 2025-09-02)
- 小言幸兵衛. “森永卓郎著『書いてはいけない』(三五館シンシャ)より(13)”. あちたりこちたり. 2025-01-08. https://kogotokoub.exblog.jp/33460488/ (参照 2025-09-02)
- ワタナベケンタロウ. “【日航機墜落事故127】520名が命を落とした原因が「なぜだかわからない」では済まされない”. YouTube. 投稿日:2023-08-05. https://m.youtube.com/watch?v=UuasSxGI_YU(参照 2025-09-02)
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