
植草一秀【連載】知られざる真実/2025年10月14日 (火) 金権自民・国民連携が順当
社会・経済国民民主の玉木雄一郎氏が首相になりたい願望を抑え切れない。
多くの政治家が首相になりたいという。
行政のトップに立つことの意味は大きい。
しかし、「なりたい」には二つの類型がある。
一つは「自分のためになりたい」。
もう一つは「他者のためになりたい」。
残念であるのは前者が圧倒的な割合を占めていること。
玉木氏の場合も前者に属すると見られる。
公明が連立政権からの離脱を決断して誰が首相になるのかが不透明になった。
立民、維新、国民が一つにまとまると衆院で自民を上回る。
そこで立維国の共闘が模索されている。
自民政治に終止符を打つ。
自エンド政権樹立には意味がある。
この視点で野党が結集するのは悪くない。
その場合は、立維国だけでなく共れ社、さらに公まで含んでもよい。
自民の金権腐敗政治の元を断ち切る。
これだけでも意義がある。
基本政策が一致しない部分はあるだろう。
その点については政治腐敗を断ち切る法整備を終えた段階で、国民に信を問うということでもよいだろう。
その際の総選挙では各党が政権構想を主権者国民の前に明示する。
その上で主権者である国民が政権を選択する。
自民金権腐敗政治に明確な区切りをつけることは極めて重要だ。
しかし、国民民主は自党の政策を他党が呑むことを連立の条件にしている。
その条件とは
戦争法制=安保法制肯定
原発推進
の二つ。
ここには根本的な問題がある。
2014年に安倍内閣が憲法解釈を変え、2015年に戦争法制を制定した。
しかし、日本政府は1972年の政府見解で憲法上の制約から集団的自衛権の行使は容認できないことを明示した。
これが憲法の一部となり、50年以上の時間が経過している。
集団的自衛権の行使を容認するには憲法改正が必要である。
憲法改正の手続きを踏まない集団的自衛権行使容認は憲法破壊行為と言うほかない。
この点を含めて戦争法制に反対する主張には正当性がある。
「連立を協議するなら他党は我が党の基本政策で国民民主に従え」。
「それができるなら首相になってやってもよい」。
このようなスタンスを示す者を首相に担ぎ上げるのは間違いの元。
勘違いがさらに拡大する恐れが大きい。
youtubeで玉木氏と榛葉氏がかつての代表選で榛葉氏が蓮舫氏を応援したことを笑い飛ばす動画が流布されている。
榛葉氏は自分の行為を笑い飛ばしている。
玉木氏と榛葉氏の品格の欠落は鮮明。
また、国民民主は7月参院選に際してワクチン接種に関する誤情報を流した。
ワクチン接種開始時点で医薬承認に必要な治験がすべて完了していたと国民民主議員が明言したが、これが誤りである。
多くの者が国民民主の誤りを正すために丁寧な接触をしてきたが、国民民主が適正な対応を示していない。
暴力沙汰まで引き起こしている。
国民民主は戦争法制肯定、原発推進を最重要施策だとし、さらに、企業献金禁止法制化を潰すことに主導的役割を果たした。
どう考えても国民民主は自民と一心同体。
金権腐敗の自民政治を正す考えを持たないなら金権腐敗の自民と組むことが適正と思われる。
維新が自民と組むという可能性もあり新しい政権の枠組み確定には紆余曲折が予想される。
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「混迷する日本政治と活路その活路
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植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050