植草一秀【連載】知られざる真実/2025年10月28日 (火) 主権者信任なき自維金権政権
社会・経済政権の基盤は国民の信任。
国民の負託を受けて政権は成り立つ。
新たに樹立された高市政権に対する国民の負託根拠は不確かなもの。
現行制度の間隙を縫って樹立された政権という意味しかない。
昨年10月の衆院総選挙で自公は過半数割れに転落。
本年7月の参院通常選挙で自公は参院でも過半数割れに転落。
最大の問題は「政治とカネ」。
自民議員多数が政治資金を裏金にして懐に入れた。
所得税法違反の疑いも濃厚。
1000万円以上の不正を働いた議員が21名。
警察・検察が腐敗しているから刑事事件として立件されたのはほんの数件。
しかし、史上空前の巨額裏金事件は国民の自民党に対する信頼を一段と地の底まで低下させた。
事態を打開するチャンスはあった。
25年通常国会で企業団体献金を禁止する法制を整えることができた。
千載一遇のチャンスだった。
しかし、石破首相は提案を拒絶。
国民民主が自民にすり寄り企業団体献金禁止は闇に葬られた。
そのあおりで惨敗した公明が高市自民に最後通牒を提示。
高市新党首は公明の提案を拒絶。
結果として公明は連立離脱を決断した。
過半数を大幅に割り込んだ高市自民は下野する危機に直面したが、ここに維新がつけ行った。
「企業団体献金禁止」を自民に呑ませて連立に持ち込むなら国民の理解を得られただろう。
しかし、維新の行動は真逆だった。
企業団体献金の規制強化さえ放り投げて自民に連立を呼びかけた。
これに高市自民が応じて連立政権が樹立された。
長々と記述したが要点は新たに樹立された自維連立政権が国民の意思からかけ離れているということ。
国民は自民に退場通告をした。
維新も直近の衆参両院選挙で国民からダメ出しされている。
参院比例代表得票数は以下の通り(単位:万票)。
2022 2025
自民 1826 1281 -545
維新 785 438 -347
自民も維新も国民からの信任を大幅に低下させている。
その自維が「金権腐敗」で足並みを揃えて連立政権を樹立した。
維新が連立の条件に掲げたのが衆院比例代表定数の削減。
不適切にもほどがある。
自民も維新も比例代表の得票を激減させた。
維新の議席多数は大阪の小選挙区で確保されている。
ここには自民の小選挙区選出議員がほとんどいない。
維新は大阪の小選挙区を自民から割譲する考えだろう。
比例代表選挙は民意を正確に議席数に反映させる。
多党分立時代には比例代表選挙が最適だ。
完全な二大政党体制に移行しているなら比例代表議席定数を減らしても弊害は少ない。
しかし、多党分立時代に比例代表議席定数を削減することは民意の切り捨てに他ならない。
自分たちの比例代表得票が激減したから比例代表議席定数を減らすというのは自己中心主義の極みである。
最大テーマの「政治とカネ」対応を完全放棄。
「裏金がどうした内閣」誕生。
高市新政権を主権者国民は信任していない。
早期に衆院総選挙で民意を問う必要がある。
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植草一秀の『知られざる真実』2025年10月28日 (火)「主権者信任なき自維金権政権」
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植草一秀
植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050


















