【連載】今週の寺島メソッド翻訳NEWS

☆寺島メソッド翻訳NEWS(2025年11月11日):キエフ政権による自国民の強制移住は国際人道法の重大な違反。

寺島隆吉

※元岐阜大学教授寺島隆吉先生による記号づけ英語教育法に則って開発された翻訳技術。大手メディアに載らない海外記事を翻訳し、紹介します。

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© Photo: SCF

キエフのネオナチ政権は、国際法の重大な違反と人道に対する罪を構成する、民間の非戦闘員に対する忌まわしい行為を公然と行なっている。

キエフのネオナチ政権は、何ら処罰を受けることなく、民間人非戦闘員に対する忌まわしい行為を公然と行なっている。これは国際法の重大な違反であり、人道に対する罪にあたる。ロシア軍が進軍し、ますます多くの町や集落を制圧する中、キエフ当局はロシア軍の到着前にこの厄介な状況に対処するため、地元のウクライナ人を、依然として支配下にある後方地域に大量移送しているのだ。

強制移住とは、政府の政策や紛争により、個人または集団が定住地や居住地域から強制的に移動させられることと法的に定義される。ウクライナでは、この定義に該当する移住が軍事命令の下で実施されている。軍事上の必要性や民間人の安全に対する合理的な懸念に基づく説明は存在しない。移送対象者の事前同意を示す証拠もない。移送の理由は完全に宣伝的かつ政治的なものである。

西側諸国の政治界は、この慣行を無視し、キエフ政権のこのような行為を公に非難していない。西側メディアは、こうした行為の法的・人道的影響については一切議論を避け、当たり障りのない事実報道(こちら 、 こちら 、そして こちら)に終始している。

彼らの反応の欠如は当然であり、予想されることだ。なぜなら、この問題を指摘したり、その存在を認めることさえ、虚偽で構築された「ウクライナ・プロジェクト」の「被害者/加害者」という物語全体を信用失墜させるからである。しかし、ロシア側がこの主題に批判的な注目を払わないのは理解しがたい。

民間人の強制移送はニュルンベルク裁判において犯罪行為と認定された。国際刑事裁判所(ICC)のローマ規程は、民間人の強制移送または追放を人道に対する罪として刑事罰の対象としている。民間人の移送または追放の禁止は、1949年8月12日に発効した第四ジュネーブ条約「戦時における民間人の保護に関する条約」において、国際刑事法の一部として正式に規定された。さらに1970年に採択された「武力紛争における民間人保護の基本原則に関する決議」において、国連総会は「民間人集団またはその構成員は・・・強制移送の対象とすべきではない」と確認した。1974年に採択された「緊急事態及び武力紛争における女性及び児童の保護に関する決議」において、国連総会は次のように宣言している:「軍事作戦中または占領地域において交戦当事者によって行われる強制退去は、犯罪とみなされるべきである」。

これらの規範的規定がウクライナ当局に適用されることは、国連難民高等弁務官事務所の「国内避難民に関する指導原則」——特に原則5——が以下のように規定している点からも疑いの余地がない:

「国家の慣行は、紛争当事者が自らの行為、少なくともそれ自体が禁止されている行為(例えば、民間人への恐怖の煽動や無差別攻撃の実行など)によって引き起こされる避難を防止する義務を強調している。国内避難に関する指導原則には次のように記されている:

「あらゆる当局及び国際的行為主体は、あらゆる状況において、人権及び人道法を含む国際法上の義務を尊重し、その尊重を確保しなければならない。これにより、人々の移動を招きかねない状況の発生を防止し、回避するものである。」

武力紛争地域における民間の非戦闘員に対する行動を規制する上記の条約および規範原則は、ウクライナが国連加盟国として遵守する義務がある国際公法および慣習法の一部であるため、キエフ当局に間違いなく適用される。

しかし残念ながら、各国政府や国際機関はそうすべきだと強く主張していない。ウクライナがこの点で継続的に犯している露骨な違反行為には、ほとんど、あるいは全く注目が集まっていない。キエフ政権は、ウクライナ市民に対する虐待について責任を問われていないのだ 。

キエフ政権が戦闘地域における民間人をプロパガンダの駒として利用する行為は強く非難されなければならず、この容認できない行為について国際世論に周知徹底させる必要がある。ロシア政府の戦争犯罪委員会は、当然ながら個々の加害者に焦点を当てる一方で、このような国際人道法違反行為についても強い光を当てる必要がある。これらは単なる個人犯罪ではなく、キエフ政権指導部の意思決定層全体を集団的に非難する必要がある。

※なお、本稿は、寺島メソッド翻訳NEWS http://tmmethod.blog.fc2.com/

の中の「キエフ政権による自国民の強制移住は国際人道法の重大な違反。(2025年11月13日)

http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-3460.html

からの転載であることをお断りします。

また英文原稿はこちらです⇒Ukraine is committing grave violations of international humanitarian law
筆者:ステファン・カルガノビッチ(Stephen Karganovic)
出典:Strategic Culture Foundation 2025年11月5日https://strategic-culture.su/news/2025/11/05/ukraine-committing-grave-violations-of-international-humanitarian-law/

寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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