【連載】植草一秀の「知られざる真実」

植草一秀【連載】知られざる真実/2025年11月19日 (水) 高市火遊び発言不況が到来する

植草一秀

11月17日に2025年7-9月期GDP速報値が発表された。

同四半期の実質GDP成長率は年率マイナス1.8%になった。

民間住宅投資が年率32.5%減少し、財・サービスの輸出も年率4・5%減少した。

日本経済に暗い影が忍び寄っている。

三つのリスクファクターがある。

第一はトランプ関税。

米国の関税率が引き上げられ、日本からの輸出が抑圧される。

トランプ関税は世界経済を冷やす効果を有する。

第二は財政緊縮。

2025年度の一般会計収支尻(=財政赤字)は前年度比10.4兆円減少する。

財政赤字減少のことを「緊縮財政」と呼ぶ。

GDPを2%近く押し下げる強いブレーキを財政が踏んでいる。

第三はインフレの進行。

インフレ進行は家計の実質所得を減らし、家計消費を抑止する効果を発揮する。

インフレを鎮静化しなければならない。

日本経済が景気後退に陥るリスクが存在する。

高市政権は補正予算を編成して景気テコ入れを図る構えだが利権補助金でなく広く国民全般に行き渡る抜本的施策を提示する必要がある。

最善の方策は消費税減税。

まずは消費税率を10%から5%に引き下げるべきだ。

税率5%引き下げは15兆円減税を意味する。

しかし、この提案を示すとすぐに反論が巻き起こる。

「財源を手当てせよ」

というもの。

景気悪化を防ぐために財政政策を発動するときに財源を手当てすると財政政策の効果はなくなる。

反論を示す者はこの基本を理解していない。

この点を措いて考察するにしても、財源はある。

税収が激増しているのだ。

2020年度から25年度までに一般会計国税収入は17兆円増加した。

国民の税負担が17兆円も増えた。

実質的な増税が行われたということ。

これを放置すると、この「緊縮財政」が景気を圧迫してしまう。

「緊縮財政」を「中立財政」に戻す上で最良の策は税の「自然増収」分を減税で国民に還元すること。

17兆円の自然増収があるから15兆円減税を実施してもお釣りが残る。

消費税率の5%への引き下げを直ちに決定するべきだ。

景気を左右する最大のファクターは個人消費。

GDPの半分を個人消費が占める。

個人消費低迷が日本経済低迷の主因である。

GDP統計の「実質民間最終消費」の推移を見ると重大な事実が判明する。

2014年4月を境に「実質民間最終消費」が「減少トレンド」に転換した。

何があったのか。

消費税率が5%から8%に引き上げられた。

この瞬間から日本の個人消費が減少トレンドに転換した。

個人消費を回復させるには消費税率を5%以下に引き下げることが必要不可欠だ。

減少トレンドにある日本の個人消費を辛うじて支えている最大のファクターは何か。

訪日外国人の日本での消費だ。

多数の外国人が訪日しているが欧米からの来訪客は日本でお金を使わない。

日本でお金を使うのは中国からの来訪者。

高市台湾有事発言に中国政府が激怒している。

中国からの来日観光客が激減する場合、日本経済に深刻な影響が生じる。

高市有事不況が発生するリスクが急激に高まりつつある。

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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