【特集】ウクライナ危機の本質と背景

アメリカ元陸軍大佐、イラク・湾岸戦争戦車部隊指揮官 ダグラス・マクレガー氏の戦況分析

安斎育郎

トランプ政権の下で、米国防総省のアドバイザーを務めていた元米陸軍大佐ダグラス・マクレガーが、ウクライナ情勢について分析しています。彼は「2~3週間後、ほとんどの人はウクライナが予想以上に負けていることに気付くだろう」と予測しています。

このyoutubeの前半にあるマクレガー氏の動画は、一見一聞する価値があると思います。

https://youtu.be/QFzMFpCOIhM

マクレガー元陸軍大佐が指摘したポイントは下記のとおりです。

・この戦争は、問題なく避けられたのに、米国が仕掛けた。

・この戦争は、ウクライナの人々のためにならない戦争だ。

・この戦争は、ヨーロッパ諸国のためにもならない戦争だ。

・この戦争は、最終的には、米国のためにもならないだろう。

・支配的であった国際通貨としてのドルの地位は脅かされる。

・ウクライナは、報道とは異なり、めちゃくちゃ負けている。

・ロシアは、ウクライナ全域を占領することなど考えていない。

・ロシアは、当初から要求していた諸条件を達成するだろう。

・ロシアは、ウクライナに武器を供給することを許さなくなる。

・これ以上、NATO がウクライナに武器を供給するのは危険だ。

・万が一、ロシアとNATOが接触すれば、世界大戦の危機に陥る。

・バイデンは、プーチンを失脚させるというバカな演説をした。

・ヨーロッパは、プーチンの失脚も、世界大戦も望んでいない。

・米国は最強国だと驕っているが、ロシアはイラクとは異なる。

・ベトナム戦争を思い出せ。米国の参戦は良い結果にならない。

このところ、ゼレンスキー大統領の国民に対するウソが目立ってきました。「降伏」を「任務終了」と言ったり、「撤退」を「避難」と言ったり、まるで戦前の日本の東条内閣のようで大本営発表並にウソを言わないと持ち堪えられない程、戦況が苦しいのでしょうね。

マクレガー元大佐は、インタビューの中で、「ゼレンスキーはパペット(操り人形)だ」と断じて、彼を「英雄」呼ばわりすることなど出来ないと言っています。かなり冷静な戦況分析で、非常に参考になります。

私たちは西欧メディアの偏向した報道に振り回されないように、余程の注意をしな ければなりません。欧米のコピー報道ではなく、現地に足を運んだドキュメンタリストの報告を大事にしましょう。

今日はアメリカがビキニ環礁で史上初めて水爆の「投下」実験をした日です。初の水爆実験は1954年3月1日のブラボー爆発でしたが、あれは地上固定式の実験だったのに対し、1956年5月20日に行なった実験は、実戦での使用を考慮して「投下式」でした。

ビキニ環礁はアメリカのいいように核実験場にされましたが、ウクライナがそうならないように望むばかりです。日本は現にアメリカの従属国ですが、半ば「傀儡国家だ」という声 もあります。オリバー・ストーンも日本には「主権がない」と厳しく指摘しています。私もそう感じています。

(「2022年5月~6 月ウクライナ戦争論集」から転載)

 

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国 ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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