メールマガジン第50号:「沖縄県知事の一番の使命は県民の命と安全を守ること」-県への要請行動を行いました。
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会メルマガ琉球・沖縄通信今回のメルマガは8月19日のメルマガでお知らせした県への要請報告です。この要請行動についてですが、発起人の三上さんが厳しい腰痛をおして撮影、編集した約10分の映像を土曜日より公開し、すでに1800人以上の方々に閲覧されております。要請行動に参加し、思いをぶつけてきたメンバーである与那覇さんからその詳細を報告いただきます。ぜひお読みください。また南西諸島軍事強化の記事から現在の動きについて、新垣邦雄さんから解説いただきます。ぜひご覧ください。
★要請行動についての映像はノーモア沖縄戦のホームページの先頭で紹介しています。ぜひ今回のメルマガと合わせてご覧下さい。知人、ご友人に拡散をお願いします!! http://nomore-okinawasen.org/
「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」は8月19日(11-11:30)に沖縄県庁にて玉城デニー知事に対して提出した要請文の回答を得、さらに要請を重ねた。要請事項(新垣邦雄)は以下である。
1. 日米共同作戦計画の情報開示要求と反対表明を
沖縄県知事の一番の使命は県民の命と安全を守ることです。二度と沖縄を戦場にしてはなりません。南西諸島に軍事拠点を置く「日米共同作戦計画」の具体的内容を明らかにするよう日米両政府に要求していただきたい。また必然的に沖縄が攻撃目標となる「日米共同作戦計画」に対し、明確に反対を表明していただきたい。
2. 日米ミサイル要塞化に反対を
軍事で軍事に対抗する「抑止」論の破綻は、米欧が武器供与したウクライナが戦場となったことで明らかです。南西諸島の日米ミサイル要塞化はミサイルで対峙する中国との「沖縄のミサイル戦場化」を招きかねません。沖縄の島々のミサイル基地化を抑止し、さらなる軍備強化に反対を表明していただきたい
3.日米、台湾・中国、国際社会に「外交解決」訴えを
日米政府は「台湾有事」への軍事対処に前のめりの姿勢です。しかし台湾問題への軍事関与は日米中の3大大国の戦争、周辺諸国を巻き込み、核戦争、世界の終末戦争にすらエスカレートしかねません。軍事によらない対話外交による解決を日米政府、台湾・中国政府、国際社会に訴えていただきたい。
4.「有事の住民避難は不可能」表明を
軍事専門家は「沖縄で有事下の住民避難は不可能」と指摘しています。自衛隊幹部は「自衛隊に住民を避難させる余力はない。自治体にやってもらうしかない」(共同通信)と話しています。ところが国民保護計画、住民避難訓練があたかも「避難が可能」かのごとく県や自治体の責任で進められようとしています。実現不可能な保護計画、避難訓練に反対を表明していただきたい。
冒頭で山城博治共同代表が、池田竹州副知事(玉城デニー知事代理)に対し「「台湾有事には南西諸島が戦場となると言われているが、知事選挙の最大争点となるべき問題であるにも関わらず争点にさえなっていない現状に強い危機感がある。」と、特に日米共同作戦計画や県民避難訓練実施に関する知事の姿勢を質した。それに対して以下の回答があった。
「米中対立がアジアの緊張状況を招き、不測の事態から沖縄が攻撃目標になるようなことは決してあってはならないと知事も機会あるごとに表明し、日米政府に地域における緊張緩和と信頼行政を求めてきた。今月4日の中国軍のミサイル発射訓練に対しても県漁業関係にも影響が出ており危険な訓練の中止を要請した。日米共同計画については、詳細を明らかにするよう政府に要請しているが、いまだ回答がない。平和外交や対話を引き続き要請する。国民保護に関しても様々な課題があり、引き続き国と連携し、実施に際しては県民に不安を与えないよう皆さまの声に耳を傾けながら対応していきたい。」それに対して、メンバーから次々と質疑や要請が続いた。
「『沖縄を戦場にさせない』とのメッセージが発信されていると言うが抽象的であり、施策や公約にも掲載されていない。県のリーダーとして具体策を出して欲しい。」(宮城恵美子)
「訓練は県が戦場化を認めることになる。自衛隊トップが『自衛隊の目的は国家体制を守ることで住民を守ることではない、国民は抵抗意志をもつべきである』とするが、抵抗意志の結果が悲惨な沖縄戦だ。戦争下で住民保護は不可能と考えていただきたい」(石原昌家)
「先ほど県から避難訓練を実施していきたいとの回答があったが、訓練実施は沖縄の戦場化を前提としており、戦争を承認することとなる訳で反対すべきである。又、平和外交を日本政府に要請していると言うが、日本が平和外交をなし得ていない現状があり、沖縄が独自に平和外交をする姿勢を知事には求めたい」(与那覇恵子)
「知事は国民保護法に則った避難訓練のため四軍調整官に要請を図ると述べており、県民に沖縄を戦場にするというメッセージを送ってしまっている。余りにも酷い」(山城)
「私達の組織は12月の(戦場化に関する新聞)発表直後に結成され、沖縄の戦場化の危機を訴えてきたが、その危機感が県内でも国内でも浸透していない。それは政府や県が問題を直視してきていないからだ。目の前の問題を直視すべきである」(与那覇)
「国のやることを黙ってスルーすべきではない。政府に県の姿勢を明確にすべき」(宮城)
「国際法、人道法に則った策を講じるべきではないか。ミサイル攻撃から守るには台湾、赤十字、中国の旗も掲げる必要があるのではと冗談半分の話も出たりする。戦場化を防ぐ手立てを真剣に考えるべき」(石原)
上記の疑問や要請に対して、副知事は「神奈川県での避難訓練の件については、知事会では大規模災害の際に米軍との連携が必要とされており、神奈川県知事が会長である立場上、訓練を拒否できなかったかと思う。しかし、沖縄県が実施する計画はない」と回答した。
それを受けた山城代表の「四軍調整官に調整を要請したいとする自体が問題であり、それを訂正するなり計画はしないとのメッセージを出すなりすべき」との発言に対して、さらに「沖縄を戦場にしてはならないとのメッセージを出し続けており、平和外交に徹するとの知事の真意がある。訓練について沖縄総合事務局とも意見交換をしており、輸送問題について課題を明らかにするため自衛隊や国と話合いをしている」との回答であった。
「いまだ訓練実施の話をする。県民に戦場にさせない知事のメッセージが出されていない。『体を張って止める』と言うべき」(山城)
「水のある離島を臨時拠点として戦う作戦では、軍事計画を立てられるはずもなく、全ての離島が戦場として使用されるということが明白である」(宮城)
「戦場化について、県の政策にも入れていないしメディアも取り上げていない。」(山城)
「国際人道法に沿った無防備地域宣言を出すべきとの意見もある。具体化するようお願いしたい」(石原)
「米国からの挑発に乗らないということが外交の第一歩である」(宮城)など意見が続き共に戦場化を防ぐ協力体制をと提言、予定の15分を10分以上延長して白熱した意見交換となり「ノーモア沖縄戦」の思いを伝えることができたかと思う。今後もこのような機会を設けて、沖縄を絶対に戦場にさせないため、政治への発信を続けるべきだと考える。
与那覇恵子(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会発起人)
「ノーモア沖縄戦の会」は「沖縄の島々がふたたび戦場になることに反対する」一点で結集する県民運動の会です。県民の命、未来の子どもたちの命を守る思いに保守や革新の立場の違いはありません。政治信条や政党支持の垣根を越えて県民の幅広い結集を呼び掛けます。