【特集】統一教会と国葬問題

第99回 世界を裏から見てみよう:安倍晋三元首相「狙撃事件」の真相

マッド・アマノ

・真犯人はほかにいる?

安倍晋三元首相が銃弾に倒れ、ほぼ即死した事件は国内外を問わず大きな衝撃を与えた。細切れに報じられる山上徹也容疑者の供述内容では、犯行理由は政治的なものではなく、ひとえに旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との色濃い関係に憤りを抱いたからだという。

母親が旧統一教会にはまり、多額の献金により一家の破産を招いたことが大きな原因との報道を、額面通り信じていいものか。また、旧統一教会総裁の殺害を計画していたがその機会がなく、狙いを安倍氏に切り替えたと供述しているそうだが、これとて何か作為を感じざるを得ない。

実は、ここへきて第2の狙撃犯の存在を示唆する動画が拡散されている。山上容疑者が発砲したとされる2発の爆発音の間に「プシュッ」というライフル音が聞こえるというのだ。動画は直ちに削除され、警察は捜査はしないか、したとしても公開しないだろう。

もし第2の狙撃犯がいるとすればどこにいたか。たとえば近くのビルからならば、上から銃弾が首から心臓に向けられているとの医師の見立てに符合する。

それにしても、事件の真相究明がどこまで進むかは、はなはだ疑問だと思う。演説する安倍元首相の警護に問題があったことが指摘されている。米国のJ・Fケネディ大統領がダラスで狙撃された際も、実行犯のオズワルド以外に複数の狙撃犯がいたという話を想起させる。

今回の狙撃事件で特に腑に落ちないのがドクターヘリだ。報道によれば、銃弾に倒れた安倍氏は直ちに心肺停止状態に陥った。心臓蘇生機器AEDによる処置が行なわれ、その後、ヘリで奈良県最大の大学病院に搬送されたが、わざわざ時間のかかる大病院に搬送せず、近くの救急病院に救急車で運べばよかったはずだ。また、心肺停止にもかかわらず大量の輸血をしたというのは、医学的に見て正しい処置だったのだろうか。

病院の発表によれば安倍氏の死亡時刻は午後5時3分。ところが一部メディアは死亡時間を午後3時頃と報じた。安倍ヨイショ本の元TBS記者も3時に死亡と自身のSNSで報じたのちに訂正。これは“早とちり”だったのか? 昭恵夫人が東京から駆け付けて、死に目に会えたというストーリーを官邸筋が作り、病院にそれを強要したとしか思えない。

銃撃事件への疑問は多いが、それでも安倍氏と旧統一教会の関係が深いのは事実である。反共産主義を掲げるのが旧統一教会だが、安倍氏の母方の祖父・岸信介元首相もCIAのバックアップを受けて、日本を米国の「反共の砦」にした。今日に至るまで自民党は米国の「属国管理者」として機能させられている。

2004年には、安倍氏から私と当時・参議院議員で「みどりの会議」代表の中村敦夫氏に内容証明の「通告書」が送られてきた。小泉純一郎政権で、安倍氏は自民党幹事長。初代幹事長は岸氏だから、米国はこの頃から、将来の総理大臣・安倍一族(晋太郎・晋三)を想定していた。

中村氏は俳優時代、視聴率30%の超ヒットドラマ「木枯し紋次郎」で三度笠越しに「あっしには関わりはござんせん」の決め台詞が大ウケ。国会議員になると、国会で防衛費拡大を批判する質問をするなど、自民党から疎まれていた。「通告書」は「脅迫状」と言うべき内容で、参院選に出馬していた中村氏が、私が日刊ゲンダイに連載していた自民党選挙ポスターを茶化した作品を、「みどりの会議」のホームページに掲載したことに対するクレームだった。

自民党の選挙ポスターは、小泉総裁の写真とともに「この国を想い この国を創る」というスローガンが直筆で書かれていた。「これは嘘だ」と感じた私は、間違いを訂正しなければいかん、と思い「あの米国を想い この属国を創る 自由民主党代表 小泉鈍一郎」と「添削」して差し上げたのである。

安倍氏は「笑い」を理解せず、マジになって「通告書」を送りつけてきたわけだ。いかに安倍氏が表現弾圧に熱心だったかも物語っている。故人を忍ぶエピソードとして、以下、「通告書」を抜粋しておこう。

〈前略 中村敦夫氏は、同人の管理しているホームページにおいて、「マッド・アマノの右も左もパロディでばっさり斬るぞ」ページの2004年6月23日付「『構造改革』に不具合が生じましたので回収・修理・辞任の要望にお応えします。」と題するページに、マッド・アマノこと天野正之殿が作成した図画を掲載しました。上記図画は、自由民主党が著作権を有するポスターに対し、「小泉純一郎」の「純」を「鈍」に、「この国を想い(改行)この国を創る」との文章に対し、「この国を想い」の「こ」に×印を付けて「あ」文字を横に配置し、「この国を想い」中「の」と「国」の中間に「米」という文字を加入させる旨の記載を行いました。さらに、「この国を創る」中、「の」と「国」の中間に「属」という文字を加入させる旨の記載を行い、総合して、「あの国を想い(改行)この属国を創る」と読み替えさせる文章を作成してあります(筆者注・正しくは「あの米国を想い」)。(中略)このように改変された本件改変図画は、自由民主党が改変を承諾したものではなく、小泉純一郎総裁および自由民主党の社会的評価を低下させるものです。(中略)よって、わが党は、貴殿らに厳重に抗議するものであります。また、中村敦夫殿には、直ちに上記ホームページ上の本件改変図画を削除されるよう併せて厳重通告いたします。〉

私の作品をあえてパロディと呼ばず「改変図画」とするあたりは、安倍氏や自民党の古色蒼然とした感性を図らずも披歴してしまったといえる。

安倍氏は「2日以内に回答せよ」と居丈高に強要したが、中村氏も私も回答ではなく逆に公開質問状を送り付けた。しかし、予想通り安倍氏からの回答はないまま。いずれ落とし前を付けてもらおうと思っていたが、今回の事件が起きてしまい、永久に返事は得られないことになった。

私の作品が名誉毀損に当たるのかといえば、日本大学大学院法務研究科の板倉宏教授は次のように述べている(日刊スポーツ2004年6月30日付)。

「この作品で小泉首相や自民党の社会的評価を傷つけているとまでいえるかどうかは疑問だ。よって名誉毀損の成立は難しいと思われる。また、著作権の問題についても、この作品がパロディー作品だということは、だれでも分かるわけだし、著作権侵害罪などの成立は難しいと思う」。

立教大学の服部孝章教授(メディア法)は、「パロディーを許さない社会は、表現の自由を窒息死させかねない」「自民党は先日、同党の政策に批判的な学者を出演させた一部の民放番組を『政治的公平・公正を強く疑わせる』と批判した。この程度でも自民党への批判を許さないという脅しをかけるような態度は、あまりにもごう慢だ」(毎日新聞同年7月2日付)。

明治学院大学の川上和久教授(政治心理学)は米国を例に解説。「米国の選挙では何万人というパロディーサイトから攻撃があるが、本質をついたパロディーには拍手喝采が起きる。これに対し、候補者が絶妙のユーモアを込めた“パンチ”を繰り出せば得点になる。自民党の抗議は『強すぎるパンチは禁止』と上から押さえつけるようなものだ」(同前)。

・安倍元首相の「国葬」

安倍元首相の「国葬」が、9月27日に日本武道館で執り行なうことが閣議決定された。費用は国が全額負担するという。おいおい、それはないだろう。国費とは税金だ。安倍氏が「国葬に値する人物」とはとうてい思えない。

皇族を除けば、戦後の国葬は1967年の吉田茂元首相以来2例目。松野博一官房長官は「選挙中の突然の蛮行で逝去し、国内外から幅広い哀悼、追悼の意が寄せられている」と語ったが、海外の人々が、安倍氏が国会で118回も嘘の弁解をしたことなど知る由もないだろう。木原誠二官房副長官は「国民に喪に服すことを強制したり、政治的に服すことを押し付けたりするものではない」と話したが、額面通りに納得する国民はごく稀だろう。

岸田文雄首相は「事件を踏まえ警備体制を改めて点検・強化する」と語っている。あくまでも噂だが、政府は密かに外国要人の防弾チョッキ着用を要請しているという。

(月刊「紙の爆弾」2022年9月号より)

 

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マッド・アマノ マッド・アマノ

日本では数少ないパロディスト(風刺アーティスト)の一人。小泉政権の自民党(2005年参議院選)ポスターを茶化したことに対して安倍晋三幹事長(当時)から内容証明付きの「通告書」が送付され、恫喝を受けた。以後、安倍政権の言論弾圧は目に余るものがあることは周知の通り。風刺による権力批判の手を緩めずパロディの毒饅頭を作り続ける意志は固い。

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