【特集】統一教会と国葬問題

加治康男が書き続ける統一教会問題の核心

天木直人

以下に、読者の投稿が教えてくれる、加治康男氏が書き続ける統一教会問題の核心について、要旨を引用したい。

大手メディアがこの加治氏の書いている事を連載すれば、国民も統一教会問題の深刻さに気付くだろう。

統一教会問題の真の解決とは、戦後の日本政治からの決別、つまり日米安保体制からの決別であることがわかる。

自民党はもとより、日米安保に反対できない野党や、日本国民が受け入れない共産党に、統一教会問題の真の解決ができない理由がわかる。

大手メディアが加治氏が毎日書いている事を、知らないはずがないのに、一切言及しない事がわかる。

 

以下引用開始

統一教会の評判は韓国、米国ではさほど悪くない。

異様な手口でひたすら金を巻き上げられたのは日本だ。

霊感商法は1980年代に日本で社会問題化し、90年代に入ると信者に献金を強制する形に激化した。

安倍元首相銃撃事件の山上容疑者の母親が教会に1億円もの献金をして自己破産、家庭崩壊したのもこの時期だ。

日本経済が金融バブルを迎え絶頂に達したこの頃、米権力中枢は、米国の脅威となった経済大国日本の弱体化に着手した。

統一教会は米CIAとKCIAによって作られた宗教団体を装った政治団体であり、霊感商法被害や献金強要は、統一教会を介した米国の対日報復、バッシングの一形態でもあったのだ。

違法、異様な手口で日本人から金を吸い上げた統一教会が、日本の政権与党自民党に一貫して支援した。これが最大の問題である。

CIAは巣鴨拘置所にA級戦犯として拘留中の岸信介に接触を続け、米国に絶対逆らわないこと、日本を共産主義から守る防波堤とする政治活動に徹すること、を条件に1948年末、岸信介をGHQに釈放させたことは確実だ。

岸は1955年に保守合同で結党された自民党の傍流だったが、派閥の領袖となり、今日の清和政策研究会(清和会)の源流を育んだ。

1974年5月、文鮮明が東京・帝国ホテルで開いた「希望の日晩餐会」は、岸が名誉実行委員長を務め、約2000人が集り、自民党国会議員40人が出席した。

岸派閥の後継者で当時の福田赳夫蔵相は「アジアに偉大なる指導者現る。その名は文鮮明である。」とスピーチ、 文と抱擁を交わした。

福田は1976年に首相となり、その福田の派閥後継者が安倍晋太郎であり、派閥「清和会」は、2000年の森喜朗内閣発足以来、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫が政権を掌握し、自民党最大の主流派閥となる。

1990年代半ば、統一教会による被害が多発し、大きな社会問題となったが、日本の警察は自民党の背後に米CIAやネオコン・米権力中枢の存在をひしひしと感じ取ったのであろう。

福田赳夫は首相時代に、前述の文鮮明礼賛スピーチを国会で追及される。

その時の答弁は、「文鮮明氏が他にどういうことをしておるのか、そのことについてはいささかも承知しておりません」であった。

この虚言の系譜は44年後に赳夫の孫で三世議員福田達夫が行った、「旧統一教会と自民党の関係が批判されているが、『何が問題か分からない』」との発言に引き継がれてた。

統一教会との関係を秘匿することは岸の巣鴨拘置所からの釈放条件を固く守ることに通じる。

巣鴨3人組の一人で右翼の大物・笹川良一は1970年、政治団体「国際勝共連合」のイベントに参加したアメリカ統一教会幹部に胸を叩きながら「私は文(鮮明)氏の犬だ」と語ったという。

それは米権力中枢・CIAへの絶対忠誠を意味し、表に出ている統一教会のための裏の忠実なスパイ役・番犬であると自認したことになる。

米下院は 1976年から1977年にかけコーリアンゲートを究明する委員会を開く。

議長ドナルド・M・フレイザー下院議員(ミネソタ州選出)の名をとってフレイザー委員会と呼ばれたこの調査委員会は400ページを超える報告書を作成した。

この報告の核心は「統一教会そのものが、KCIAにより『つくられた』存在であり、第二次大戦後にKCIAを設立した主要な機関はCIAである」、「ムーニーたち(統一教会信者)は米国の外交政策に影響を与える『政治的道具』としてKCIAと協力している」にある。

統一教会は韓国人、キリスト教の仮面をかぶったCIA主宰の米国の反共政治団体なのだ。

フレイザー委員会報告書は、文鮮明は名ばかりの会長であり、ダミーとみなしている。

統一教会がKCIA、CIA、ネオコンを動かす米権力中枢の『政治的道具』であるが故に、自民党、とりわけ「清和会」は絶えずその絶大な力に脅えて協力を余儀なくされてきた。こう見なさざるを得ないのだ。

引用終わり

 

(天木直人のメールマガジン「反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説」第379号より転載)

 

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天木直人 天木直人

外交評論家・作家 ・元レバノン大使

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