【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第2号:上里賢一琉球大学名誉教授による台湾・中国の学習会

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」 賛同者・呼びかけ人の皆さま、いつも活動をご支援いただき誠にありがとうございます。
始まったばかりのこのメールマガジンですが、できるだけ毎週火・金の発行を目標に続けていきたいと思います。

第2号の今回は、共同代表のお一人で平和運動家の山城博治さんからメッセージが届いています。それでは、どうぞご覧ください。

2月17日に「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」設立後初の学習会を開催しました。

(写真:2月17日、上里賢一氏による講演の様子)

 

講師に上里賢一琉球大学名誉教授をお招きして中国と台湾について講話をいただきました。お話が、躍動する現代中国の解説からはじまり、明治維新以来大陸侵出を進めてきた日本との関係、さらには台湾の成り立ちや歴史、中国や日本の台湾とかかわりなど多方面にわたるお話でした。

講話は「ノーモア沖縄戦」の会のごく内輪の学習会の位置づけで行われたため、時宜を得た貴重で有意義なお話でありながら、一般参加を呼びかけず身内に限定した学習会となってしまい、大変に惜しまれるものでした。ただ、上里先生のご承諾を得ましたので後日ホームページにアップするなどで共有化していきたいと思います。

お話の中で先生は、19世紀に入ってイギリスがアヘン戦争で香港を割譲したことに始まる中国近代の苦難の歴史を概観。特に明治維新を果たした日本が、1894年の日清戦争を足掛かりに1945年の敗戦まで中国侵攻を続けた歴史を振り返り、多大な人的物的損失を被った中国がそれでも日本に一銭の戦争賠償を求めず、1972年の国交回復に合意したことの意義を語られました。

今年はその日中国交回復から50年の節目の年。その成果をどのように継承し発展させていくかが私たちの課題であると指摘されました。よくよく肝に銘じていかなくてはならないことだと感じ入った次第でした。

また、現下最大の課題になっている「台湾有事」に関して、中国は台湾当局が独立を言明しない限り台湾に侵攻することはないと再三表明していること、さらに台湾の蔡英文総統自身は穏健派のリーダーで、統一(一国二制度)には反対だが、「独立」ではなく「現状維持」の立場であり、多くの台湾世論から支持されていると説明しました。

つまり、両者とも当然のことながら戦争は望んでいないということです。この説明は、先生が一帯一路の中国経済発展の壮大な計画を説明されたことと合わせて鑑みれば当然ように思えたところです。

鄧小平総書記の改革開放政策以来経済発展を続ける中国、あるいは台湾。米国がことさらに強調するまでもなく両者は今日の世界経済体制の中で限りなく発展してきたものであり、戦争によってこれまで築き上げた経済的繁栄あるいは経済体制を自ら破壊することはないだろうと共感したところです。

これらの話から米国から強く発せられる「台湾有事」あるいは「中国脅威論」が、本当のところは軍事論というより米国が世界最大の経済大国の地位を中国に脅かされることへの対抗心が、今日語れる軍事的脅威にすり替えられているのかと強く感じたところでした。

歴史上先行する覇権国家が新興大国と摩擦を引き起こし戦争へとつながったことは古代から事例に事欠きません。私たちはその愚かを繰り返してはなりません。

私たち沖縄もそのはざ間に置かれたものとして、すべてを破壊する戦争への道を止めていく努力、全ての英知を結集して戦争を阻止していく力にならなくてはと強く思った次第でした。上里先生、貴重なお話ありがとうございました。

山城 博治

 

今週のピックアップ「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」では、設立時に発出した沖縄県民の皆さまへのメッセージに続き、全国の皆さまへも呼びかけ文を公開しました。(2月5日付)

「島々を二度と戦場にさせない」「沖縄戦をくり返さない」ーーその思いを多くの人に届けるために、ぜひ本メッセージをご活用いただけますと幸いです。

全国のみなさんへ(2022年2月5日)

「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝(ヌチドゥタカラ)の会」全国へのメッセージ

共同代表 石原昌家、具志堅隆松、ダグラス・ラミス、宮城晴美、山城博治

平和を愛する全国の友人の皆さま。今、「南西諸島」全域が戦場にされようとしています。

日米両政府は「台湾有事」を声高に喧伝し恐怖をあおり、「有事勃発の際」には台湾に近い沖縄の島々(与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島)や鹿児島の奄美大島、馬毛島など「南西諸島」と総称される島々が戦闘に巻き込まれ戦場になると公言してはばかりません。

それもそのはずです。現在これらの島々には対中国戦争をにらんだ自衛隊のミサイル基地やレーダー基地そして自衛隊員の駐屯基地が急ピッチで建設され部隊配置が進められています。「有事勃発の際」にこれらの島々から近海を通過する中国艦船や航空機にミサイルが発射されて攻撃が加えられる計画です。

さらに昨年から相次いで開催された日米首脳会談や外務・防衛担当閣僚協議「2プラス2」では、日米が一体となって行動することが確認されました。島々の自衛隊基地は米軍との共同使用となり、同時に米軍の長距離高性能ミサイルが配備され、島々から直接中国本土を攻撃できる態勢を構築することが合意されています。

昨年末、この日米共同の軍事行動計画を共同通信がスクープし初めてその概要が明らかになりました。岸田首相がにわかに強調し始めた「敵基地攻撃能力」は直接的には自衛隊の攻撃力強化を指していますが、事実上は米軍の長距離ミサイル配備を指していると考えられ、これが戦争の引き金になりかねません。

この日米の中国をにらんだ共同の軍事計画は、当然対象にされた中国の強い反発を呼んでおり、計画通り軍事行動が展開されると、島々が真っ先に反撃の対象とされ戦場となることは必至です。

ひとたび戦火が開かれると島々は逃げ場のない地獄の戦場と化すことは誰の目にも明らかであるにもかかわらず、残念ながら、日米両政府からは「有事」を回避するための外交努力が全く窺がえません。

それどころか、日本政府はことさらに「中国脅威」を喧伝して国民世論を「戦争やむなし」に誘導しているとさえ思えてなりません。岸田首相はじめ政府閣僚、自衛隊関係者の言動に身震いする恐怖を覚えます。

全国の友人の皆さま。私たちはこのような事態にあたり、再び沖縄の島々を、「南西諸島」全域を戦場にさせまいと、去る1月31日「ノーモア沖縄戦 命どぅ(ヌチドゥ)宝の会」を設立し、県内外に「戦争反対」「外交で平和を築け」との私たちの強い思いを発信することにいたしました。

会の設立趣旨、活動計画など詳細については、ホームページをご覧下さい。戦争へと暴走する日米両政府の拙速な軍事行動を止め、対話による平和を求める世論を作り出し、その力で無謀な戦争を止めましょう。

全国の皆さまのご理解とご賛同、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。戦争へとひた走る政府の暴走を共に止めましょう。

※ホームページアドレス:http://nomore-okinawasen.org

(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン第2号」より転載)

 

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「ノーモア沖縄戦の会」は「沖縄の島々がふたたび戦場になることに反対する」一点で結集する県民運動の会です。県民の命、未来の子どもたちの命を守る思いに保守や革新の立場の違いはありません。政治信条や政党支持の垣根を越えて県民の幅広い結集を呼び掛けます。

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