【連載】コロナ渦の起源についての検証(矢吹普)

第1回 世界軍人オリンピックのナゾその(一)―コロナ禍の起源―

矢吹 晋

2019年10月18日~27日、武漢で「世界軍人五輪」(Wuhan Military Sports Game 2019)が開かれた。これは109カ国9,308人の職業軍人が参加した「軍人オリンピック」であった。この大会のメダル獲得数は、次の通りである。

2019年武漢軍人オリンピック獲得メダル数

 

この武漢の軍人オリンピックに対して、米国は選手を172人派遣したが、成績は上表のごとく惨憺たる結果に終わった。はなはだ奇怪な悪成績ではないか。ホスト国の中国やその隣国ロシアの好成績はさて置くとしても、米国の成績が「109カ国中のベスト30位に入らない」のは、異常と見るほかない。軍人選手団員の体調不良が原因だとしたら、それはなぜか、気になるところであろう(ちなみに前回韓国で開かれた「2011年軍人オリンピック」の場合、アメリカは16位だった)。

Photo of pinned Wuhan on a map of Asia. May be used as illustration for traveling theme.

 

選手団員の体調不良説を裏付けるかのように、大会に参加した米国籍選手中5人が「マラリア」に罹り、武漢市の感染症専門病院金銀潭医院で診察を受け、2人が入院した、という報道が現れた。たとえば地元の武漢長江テレビ(19年11月7日)は夜のニュースで、「4名の特殊患者が現れたが、軍人五輪を支えた主催者側の縁の下の力により克服した」と報じている。地元の長江テレビのいう「特殊患者」とはなにか。それらの体調不良の軍人選手の活動を支えた五輪支援体制がどのように組織されたのか。気になるところだが、詳報はない。その後、病人組は軍人オリンピック終了後、選手団とは別に軍専用機でアメリカに帰国したと報じられた。感染症患者を隔離する必要があることは理解できるが、患者は専用機で帰国させるほどに重体だったのか不思議である。

(★ https://cj.sina.com.cn/articles/view/1444182881/56147b6101900lxa4

上の写真は、軍人五輪に参加した米国人選手がいわゆる「マラリア」に罹り、退院した際に病院関係者が花束で祝った美談の様子である。西側から「戦狼外交官」のニックネームを送られた趙立堅副報道局長はこの入退院の事実を指して、「米軍選手団が武漢にCovid-19を持ち込んだ可能性」を示唆している。すなわち趙立堅副報道局長は2020年2月2日、WeChat(微信)でこう書いた。「米国の零号患者」は、いつ現れたのか。米国ではどれほどの人が感染したのか。感染者は何という病院に入院したのか。米軍が武漢軍人五輪の際に、Covid-19を持ち込んだのではないか。米国の[情報]透明化を求める。米国はデータを公開せよ。米国は説明責任を果たしていない。

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矢吹 晋 矢吹 晋

1938年生まれ。東大経済学部卒業。在学中、駒場寮総代会議長を務め、ブントには中国革命の評価をめぐる対立から参加しなかったものの、西部邁らは親友。安保闘争で亡くなった樺美智子とその盟友林紘義とは終生不即不離の関係を保つ。東洋経済新報記者、アジア経済研究所研究員、横浜市大教授などを歴任。著書に『文化大革命』、『毛沢東と周恩来』(以上、講談社現代新書)、『鄧小平』(講談社学術文庫)など。著作選『チャイナウオッチ(全5巻)』を年内に刊行予定。

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