【特集】沖縄PFAS問題とは何か

米国ジャーナリスト アビー・マーティン氏とプロデューサーのマイク・プリスナー氏 沖縄でドキュメンタリー撮影

乗松聡子

米国の著名なジャーナリスト、アビー・マーティン氏とプロデューサーのマイク・プリスナー氏が運営するメディアプロジェクト「エンパイア・ファイルズ」の沖縄取材の手配・通訳・同行の仕事を、与那覇恵子氏(名桜大学元教員)と共に行った。

アビー・マーティン氏は、過去15年間、米国のメディアと外交政策に焦点を当てた報道を続けてきた、世界的に有名なジャーナリストでありコメンテーターである。

彼女のツイッターには約40万人のフォロアーがいる。2019年に初の長編ドキュメンタリー映画「Gaza Fights For Freedom」(ガザは自由のために闘う)を制作し、パレスチナについて最も視聴された映画のひとつとなった。

彼女のプロデューサーであるマイク・プリスナー氏は、2015年に一緒にメディアプロジェクト「Empire Files」を設立するまでは、米国の反戦活動家として広く知られていた。プリスナー氏は「米軍基地反対アジア・ワイド・キャンペーン」の一員で、彼らの会議に米国代表として出席したこともある。

現在進行中の長編ドキュメンタリー・プロジェクト「Earth’s Greatest Enemy」(地球にとって最も恐るべき敵)は、米軍による大規模な環境破壊と汚染を記録し、その実態を明らかにすることを目的としている。炭素排出から核兵器まで、この物語の主要な部分は、米国内外の生態系と周辺コミュニティに米軍基地が与える影響である。

これまでアビー・マーティン氏とマイク・プリスナー氏は、アラスカ、ハワイ、グアム、そしてアメリカ国内の数カ所を訪れ、これらの基地が環境に与える影響を記録してきた。

今回は沖縄を訪れ、科学者、指導者たち、地域住民に基地がもたらす被害について話を聞いた。この映画の最終的な目標は、ペンタゴンに厳しい環境規制をかけ、すべての海外基地を閉鎖することが急務であるという意識を、アメリカ国内、特に環境保護運動で醸成することだ。

マーティン氏は各地で指摘していた。環境問題や気候変動への取り組みと、米軍基地や戦争・軍事主義の問題は多くの場合切り離されていることが多く、この2つの問題(環境と軍事)は密接に関連していることを知らしめなければいけないと。この問題意識に深く賛同する。

マーティン氏とプリスナー氏の来沖は、沖縄地元の二紙に取り上げられた。

沖縄タイムス(10月3日)

「米軍がいかに地球を汚染しているか」 米国のジャーナリストが沖縄で見たもの

この記事は、朝日新聞デジタルや、Yahoo ニュースにも転載された。

琉球新報(10月5日)

基地から派生する環境問題を取材 米ジャーナリスト「沖縄の現状を伝えたい」長編ドキュメンタリー番組制作へ

また、OTV(沖縄テレビ)からも追跡取材があった。

10月1日から6日までの滞在期間の間、主に以下のような取材を行った。

・(2日)沖縄戦ガイドの長嶺智子氏と、宜野湾の嘉数高台から普天間飛行場を見下ろし、沖縄戦が始まった慶良間諸島、読谷の上陸地などについて説明をうけ、沖縄戦と現在の基地問題の歴史的つながりを学んだ。その後南部で「平和の礎」、「沖縄県平和祈念資料館」を取材・見学。

・(2日)東アジア共同体研究所琉球沖縄センター所長の瑞慶覧長敏氏の手配で、センターの若者グループ YouFO (Youth Friendship Okinawa)の若者たちと意見交換した。センターにおいて、宮城秋乃氏、山城博治氏のインタビューを行った。

・(3日)名護市安和桟橋・塩川港での土砂搬出に対する抵抗運動を西浦昭英氏の案内で取材。その後キャンプ・シュワブゲート前での座り込みに参加し、その後は抗議船「平和丸」(金井一船長)に乗せていただき、辺野古・大浦湾の海上における辺野古新基地建設への反対運動を取材した。安和では元名護市長の稲嶺進氏、ゲート前では高里鈴代氏など現場で抵抗運動に関わる人々に出会い取材した。辺野古のご自宅で島袋文子氏のインタビュー、民宿「てるや」で吉川秀樹氏のインタビューを行った。

・(4日)基地に起因するPFAS汚染問題を学び取材するために、照屋正史氏の案内で、金武のキャンプ・ハンセン、嘉手納基地、宜野湾の普天間第二小学校、大山、チュンナーガー(喜友名泉)を取材し、「宜野湾ちゅら水会」の新垣清涼氏、仲松典子氏らにお話をきいた。金武では仲間一町長に偶然会いお話を聞くこともできた。沖縄国際大学で前泊博盛氏、桜井国俊氏のインタビューを行った。

・(5日)北中城村の「中村家住宅」にて、親川志奈子氏のインタビューを行った。午後は県庁で玉城デニー県知事のインタビューを行い、すべての行程は終了した。

ここには書ききれないたくさんの方々にお世話になった。

マーティン氏とプリスナー氏は滞在中にさっそくツイッターでこのように発信した。

「沖縄の抗議者たちは、現在、手つかずの海の生息地を破壊している辺野古の米軍基地建設に使う土砂を運搬するトラックを阻止している」。

「海兵隊は出ていけ!沖縄の環境運動家たちは辺野古米軍基地建設のための船舶を遅らせようとしている」。

 

ドキュメンタリー映画は来年の公開を目指すという。どのような公開方法で、沖縄や日本の人たちはどうしたら観られるのか、決まったら Empire Files 「エンパイア・ファイルズ」で発表されるということなので期待したいと思う。@PeacePhilosophy 

 

※この記事はカナダ・バンクーバー在住のジャーナリスト・乗松聡子さんが運営するPeace
Philosophy Centreの記事(https://peacephilosophy.blogspot.com/2022/10/journalist-abby-martin-and-producer.html)からの転載です。

 

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乗松聡子 乗松聡子

東京出身、1997年以来カナダ・バンクーバー在住。戦争記憶・歴史的正義・脱植 民地化・反レイシズム等の分野で執筆・講演・教育活動をする「ピース・フィロ ソフィーセンター」(peacephilosophy.com)主宰。「アジア太平洋ジャーナル :ジャパンフォーカス」(apjjf.com)エディター、「平和のための博物館国際ネッ トワーク」(museumsforpeace.org)共同代表。編著書は『沖縄は孤立していない  世界から沖縄への声、声、声』(金曜日、2018年)、Resistant Islands: Okinawa Confronts Japan and the United States (Rowman & Littlefield, 2012/2018)など。

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