ウクライナのナチがクリミア大橋に穴を開ける
国際欧米のプロパガンダメディアは、自爆攻撃とされている10月8日の出来事によって、部分的に使用不能になったケルチ橋上で亡くなった3人の死を祝している。
ロイター通信では、「ロシアは2014年にウクライナからクリミアを奪って(seized)、4年後にウラジミール・プーチン大統領によって盛大なファンファーレと共にロシアの輸送網をつなぐ全長19㎞の橋が開通した」と解説されている。
プロパガンダメディアたちは、ミスリードと偏向的な用語を使うのが好きだ。
例えばロイター記事の「奪って」という動詞は、大多数の米国人を含む無知な人々に、仕込まれたプロパガンダメディア(あるいは既成メディアのジャーナリスト)が、ロシアが手荒にクリミア半島を「奪った」(乗っ取るとか征服する、服従させるという意味の関連語として)と信じ込ませようとし、そこが永久にウクライナの領土であるかのように描いている。
だが実際は、クリミアに住むロシア系住民の大半は長らく、キエフのネオナチ崇拝者らと距離を置くように努めてきたのだ。そこは現在、ヴィクトリア・ヌーランド現国務次官とその一味が民主的に選出された大統領をクーデターで打倒し、代わってネオナチの影響力が強い政府を樹立した後に、ウクライナから離れてロシアのクリミア自治共和国になっている。
もし「奪われた」という、病的な米国政府のウソつき連中の言葉を信じるのなら、2014年2月のネオナチ主導のクーデター後の政権と、そしてロシア系住民を憎悪し、オデッサでの事件のように人々を何十人も焼き殺しても何とも思わないような腐敗政治(kleptocracy)に留まりたいような連中の手から、クリミアが「奪われた」のは確かに事実ではあるだろう。
ロシアと不可分だったクリミア
ニュースの見出しぐらいしか目を通さない大多数の米国人は、実際にはクリミアのことなど何も知らない。1700年代後半に女王エカテリーナ2世の治世以降、クリミアは人口と文化の面ではロシアであった。クリミアはソ連時代にニキータ・フルシチョフ首相の下で、行政的にウクライナに移された。フルシチョフはウクライナとの国境付近で生まれ、後にドンバスで働いた。
欧米では各国とそのメディアが、クリミアがロシアへの帰属を決めた住民投票について違法だと主張し、その理由として「欧州安全保障協力機構」(OSCE)が監視しなかったからだという。OSCEの「パートナー」は、北大西洋条約機構(NATO)や欧州委員会(新自由主義の「法の支配」の執行者)、選挙で選ばれてはいない欧州連合(EU)、そして国連も含まれる。彼らがどのような結論を出すか、想像に難くない。
米国の海外配信サービス会社PR Newswireによれば、「イスラエルやスペイン、イタリア、米国、英国、ラトビア、モルドバ、そしてセルビアからの国際監視団がクリミアの主要都市であるシンフェロポリを始めヤルタ、エヴァトリア、アルシュタ、サキや、田舎の多くの村々を訪れた。全員が一致して、住民投票は国際基準に完全に一致して実施されたと指摘した」と報じている。
しかしながら、国連の偽の「民主主義」支持国によると、クリミアの住民の90%以上がクーデターの起きたウクライナにもう所属したくないと望んでいようが、そんなことは問題ではないようだ。そのウクライナは、ヴィクトリア・ヌーランド国務次官とそのネオナチ陰謀家によってネオナチ王国となり、そのうち内陸に取り残された国となる。
住民の意思は無視されている
国連やNATO、米国政府にとっては人々の意思など無関係で、超大国によって尊大にも押し付けられた、歪んだ「法の支配」なる名目だけが正当なのだ。クリミアに何世紀もの間生活しているロシア系住民は、国連とEU、NATOの権威に従い、サディスティックなネオナチのレイプや拷問、殺人に甘んじることが期待されているということなのか。
いま、ウクライナの諜報機関がクリミアからロシアに至るケルチ海峡に架かる19㎞の橋を爆破して穴を開けたという。だが橋は機能しており、とりわけ鉄道がそうだが、短時間で修理されるだろう。爆弾はおそらく、自爆した運転手によって運ばれたようだ。しかし爆発のセンセーショナルなビデオ映像が、商業メディアのウェッブサイトで拡散している。
ゼレンスキー大統領とそのネオナチ協力者らは、間違いなくこの事件を、橋が使えなくなったわけではないにもかかわらず、重要なプロパガンダの勝利と考えている。キエフでナチの旗に敬礼するならず者たちにとっては、そうなのかもしれない。
だが、間違いなくNATOと米国防総省、米中央情報局(CIA)の支援により計画されたネオナチのクリミア侵攻に備えて、ロシアの弾薬と兵員はこの橋を通ってクリミアに移動し続けるだろう。
(翻訳:成澤宗男)
原題「Kyiv Nazis Manage to Blow Hole in Crimean Bridge」(URL:https://www.globalresearch.ca/kyiv-nazis-manage-blow-hole-crimean-bridge/5795820)。
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米国のジャーナリスト。著書に、『Another Day in the Empire: Life in Neoconservative America』等。NATOや米国の海外軍事情報に詳しい。Global Researchに多くの記事を寄稿。