米国マスコミが自主検閲で隠してきた重大ニュース プロジェクト・センサード〔検閲報道発掘プロジェクト〕の最新発表 2021年Top 25
メディア批評&事件検証〈プロジェクト・センサード〉は、カリフォルニア大学ソノマ校の社会学教授だった故カール・ジェンセン氏が「自主独立の民主主義社会を実現するためには真に自由な言論・出版・報道が不可欠であることを、学生と一般市民に学んでもらう」ことを目的に、1976年に開始した〝メディアとジャーナリズムを監視するプロジェクト〞である。
マスコミは黙殺しているが、ミニコミやジャーナリストが個人的に発表した時宜に即した重要な報道を、ジャーナリズムを専攻する学生と教員が(現在では一般市民も参加して)〝発掘〞して25件を厳選し、その重要性に応じてランキングをつけて発表する。こうして〝マスコミ黙殺報道〞を発掘し、厳選し、その後もマスコミの報道が登場していないかを確認し、最終的にランキング付けして一般発表するまでに、少なくとも半年以上かけて5段階の選考過程を踏んでいる。
76年の第1回〝マスコミ黙殺報道〞ランキングの第1位は、この年の選挙でそれまで全国的には全く無名だった南部ジョージア州知事のジミー・カーターがいきなり大統領になった背景に、当時は秘密結社も同然だった《外交問題評議会(CFR)》の後押しがあったことを暴いた極右団体のミニコミ記事だった。このことから判るように、この〝自主独立ジャーナリズム〞の奮闘ぶりを讃えるプロジェクトは〝右や左の旦那様〜哀れなコジキにお恵みを〜♪〞と政治党派を右顧左眄するちんけな党派主義や政治主義とは無縁なのだ。
日本では今や、新聞もテレビも、マスコミは政府や広告スポンサー企業の〝プロパガンダ装置〞としての正体を臆面もなくあらわし、国民を騙すことを日常業務としている。ハッキリ言って、マスコミは今や〝公害源〞だ。(サンケイ新聞やNHKなんぞは言うまでもないが、朝日新聞・毎日新聞やTBSとかテレビ朝日も、ボンヤリと接していたら馬鹿になってしまう〝公害源〞でしかない……)。
日本の国民は、つまりわれわれは、もうそろそろマスコミに見切りをつけて、自分の〝羅針盤〞を駆使して〝小さなメディア〞の〝大きな報道〞に自主的に接して、自己啓発に努めるべきだろう。さもなきゃわれわれは「ゾンビ」となって、政府の意のままに〝すなおに死ぬ〞ほかない(ここでは論じないが、批判的思考を放棄した連中が〝新型コロナ〞ワクチンで早死にを選んでいる嘆かわしい現状は、その典型だ)。われわれも日本で、こうした教育啓蒙イベントを開始すべき時が来ている。
筑波大学で喧嘩を学び、新聞記者や雑誌編集者を経て翻訳・ジャーナリズムに携わる。著書『もうひとつの憲法読本―新たな自由民権のために』等多数。