米国マスコミが自主検閲で隠してきた重大ニュース プロジェクト・センサード〔検閲報道発掘プロジェクト〕の最新発表 2021年Top 25
メディア批評&事件検証【第11位】バイエル社やモンサント社などの農薬バイオ企業が作り出した〝遺伝子組み換え農作物〞は、「知的財産権の保護」の名目に守られながら、農民がその種子を収穫して〝自家まき〞に用いるのを禁じている。これは農民を、麻薬中毒のように〝遺伝子組み換え作物〞に依存させてバイオ企業の〝ジャンキー〞にしてしまう恐るべき法制であり、世界中の農民が「ライト・トゥ・プラント(タネを植える権利)」を主張して、〝農業の独占〞と〝農民の奴隷化〞を目論む農業バイオ業界の計略を打ち砕こうとしている。
【第12位】アマゾン川流域では主に採鉱業・アグリビジネス(農業関連産業)・エネルギー産業の業者が、森林破壊・土地強奪・違法な〝野焼き〞によって、先住民の権利と生存を脅かしている。これら〝公害企業〞のなかには、30カ国以上で操業し鉄とニッケルの世界トップの鉱石生産高を誇るが鉱業廃水で先住民の主要な水源であるカテチ川を汚染してきた〝総合資源企業〞ヴァーレ社のようなブラジルを代表する超巨大企業もある。米国の投資会社(ブラックロック社、キャピタルリサーチ・グローバル・インベスターズ社、ヴァンガード社)はヴァーレ社の株式を110億ドル以上も保有して利益還元を得ている。またアマゾン流域を脅かす〝公害企業〞11社のうちの9社までが、世界トップの投資会社群から総額180億ドル以上の投資を受けている。アマゾン熱帯雨林の破壊者は、地元企業だけでなく、それに投資して儲けているグローバル投資企業なのだ。
【第13位】米国の主要なTVニュース全国放送網は新型コロナパンデミックの最中、利益団体に属さず自主独立した立場で公共利益擁護の観点から発言できる医学者や公衆衛生学者を登場させず、政府や業界の利益代弁者ばかり出演させて視聴者に不安や気休めや虚偽宣伝ばかりをばら撒き、国民の〝健全な判断力〞を腐敗させ、その生命を危機に追い込んでいる。
【第14位】米国の食肉・鶏卵の主な生産様式は、家畜や家禽を狭い飼育場に大量に閉じこめて抗生物質や加工飼料を投入する「ファクトリー・ファーミング(工場畜産)」であるが、このやり方で動物を集団飼育すれば、肥育場はウイルスや細菌による集団感染が起きやすいだけでなく、集団感染と抗菌・抗ウイルス剤の日常的な大量使用が病原体の突然変異を促進する。「工場畜産」は新たなパンデミックの病原体を生み出す〝人類絶滅工場〞になる危険性を孕んでいる。
【第15位】電子レンジより10倍以上も周波数が高い28ギガヘルツのミリ波を用いる「第5世代移動通信システム」(通称「5G」)は、電磁波被曝による健康被害が懸念されているのに、マスコミもインターネットメディアも批判や憂慮の声を検閲し、隠蔽封殺し続けている。だが「5G」は健康被害の〝公害源〞であるだけではない。その利便性を軍事通信に利用した「5G通信衛星」が大量に打ち上げられ、地球軌道上で〝集団編隊飛行〞するようになるので、地上に住む個人が精密に特定されてドローン攻撃されるといった具合に〝戦争のやり方〞に革命がもたらされる。さらに大量のロケット使用による衛星打ち上げによって大気汚染が進み温室ガスが激増するし、地球周回軌道の〝過密化〞で人工衛星同士の衝突事故が増え、〝宇宙デブリー(漂流ゴミ)〞が激増して、そのせいでますます地球周辺は人工衛星にとって危険な場所になる。しかもレアメタルの採掘に、貧困国の児童が動員され、老若男女の採鉱労働搾取も深刻化する。
【第16位】英国のNPO《フェミサイド・センサス(女性嫌悪殺人国勢調査)》の調査によれば、09~18年の十年間に英国で起きた「女フェミサイド性嫌悪殺人」1425件(2日半に1件の割合!)のうち、62%は元夫か元恋人が、残りの38%は家族・男友だち・知人男性が殺害者で、全体の59%は殺害以前にDV(家庭内暴力)が行なわれており、殺された女性の3割以上は生前に警察にDV被害を相談していた。国連機関《ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UNWomen)》は、新型コロナ汎パンデミックが「女性を襲う家庭内暴力」の全世界規模での大流行を生みだしている、と警告しているが、マスコミは追究しようともせず、「ありふれた事件」として始末している。
【第17位】05年に《ユーチューブ(YouTube)》が登場したことで、それまではTVマスコミくらいしか発表の場がなかった速報型ビデオジャーナリズムは飛躍的に発展した。しかし、創業の翌年に16.5億ドルで《グーグル社》に買収されて以来、〝無難で大衆受けする広告媒体〞への特化が進み、〝自由なジャーナリズムの発表場所〞という効能は《ユーチューブ社》自らの手で絞殺されつつある。21年2月には自由独立のニュースメディア(プログレッシブ・ソープボックス、ザ・コンボイ・カウチ、フランク・アナリシス、ハンナ・リローデッド)が事前警告なしに突然「当社のガイドラインに違反した」というたった一言の通告とともに《ユーチューブ》上から完全削除された。
【第18位】性暴力や家庭内暴力で苦しめられたが、そんな過去を捨てて〝新たな人生〞を生き直そうと奮闘している女性たちは、新型コロナパンデミックの煽りで働き口を失い、生存の危機に追い込まれてしまった。しかも〝ブラック&ブラウン〞(アフリカ系およびヒスパニック系)の女性は、〝ホワイト〞(北方ヨーロッパ系)の女性に比べて収入が6分の1程度とことさらに貧しいため、疫病汎流行(パンデミック)と人種差別の相乗的な苦境で、生活も生命も日々脅かされている。
【第19位】EU諸国が「再生可能エネルギー」利用を振興し、バイオマス燃料への使用切り替えを進めているが、その結果、米国南部では森林を伐採して〝ウッド・ペレット(木質燃料粒)〞を生産するブームが起きており、米国の森林破壊に拍車が掛かる皮肉な事態が進行中だ。
【第20位】21年1月6日にドナルド・トランプ支持の群集が起こした「国会議事堂襲撃占拠」事件がきっかけで、民主党バイデン政権は《2021年国ドメスティック内テロリズム予防法》の成立を画策しているが、FBIをはじめとする米国の司法警察機関はテロリストの監視やテロ犯罪抑止の能力をすでに十二分に備えているので、この不要な法律が制定されればアメリカ国民の基本的人権はむやみに脅かされることになる。バイデン大統領が〝中国敵視〞を正当化するための常套句にしている「民主主義の砦アメリカ」は、中国を凌しのいで〝国民を敵視する監獄国家〞に成り果てる恐れが出てきた。
筑波大学で喧嘩を学び、新聞記者や雑誌編集者を経て翻訳・ジャーナリズムに携わる。著書『もうひとつの憲法読本―新たな自由民権のために』等多数。