【特集】沖縄の日本復帰50周年を問い直す

復帰50年、『沖縄国会』における沖縄の民意の無視

宮城恵美子

建議書の課題に日本政府は応える義務がある。人権、平和、基地、政治、経済、社会、福祉、教育まで広範な内容を持つ建議書は沖縄の宝である。だが反映されていない。それどころか、「沖縄国会」で沖縄側の声は沖縄選出議員に質問もさせず、建議書の提出も拒まれた。沖縄には自らの将来を自ら決める権利がある。沖縄代表は形式的に存在しただけで、実態は声が封じられた。

沖縄の代表も無く声も反映されていなければ、沖縄が決めた復帰とは言えない。沖縄の人々が持っている自己決定権の行使を奪って成立した復帰である。私たちには自己決定権がある。日米の植民地主義を終わらせるためにも自己決定権の確立が急がれる。

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宮城恵美子 宮城恵美子

独立言論フォーラム・理事。那覇市出身、(財)雇用開発推進機構勤務時は『沖縄産業雇用白書』の執筆・監修に携わり、後、琉球大学准教授(雇用環境論・平和論等)に就く。退職後、那覇市議会議員を務め、現在、沖縄市民連絡会共同世話人で、市民運動には金武湾反CTS闘争以来継続参加。著書は『若者の未來をひらく』(なんよう文庫2005年)、『沖縄のエコツーリズムの可能性』(なんよう文庫2006年)等がある。

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