【連載】インタヴュー:時代を紡ぐ人々(前田朗)

第6回 カブール・プレートランチを食べませんか―アフガニスタン女性との連帯活動をする尾崎真理子さんに聞く―

前田朗

・アフガン女性の闘い

――現地調査ではRAWAに全面的に協力してもらいました。あらためてRAWAとは何ですか。

尾崎――女性の自由と人権を求めて運動している団体です。創立者はミーナーと言って、当時カーブル大学学生でした。20歳くらいでRAWAを立ち上げました。イスラーム原理主義の政権から敵視されたために、アフガンでは表立って活動できず、非合法活動をしました。厳しい時代にはパキスタンに亡命して、ペシャワールやラワルピンディで学校や孤児院を設置しました。学校は子どもたちの学校と、女性たちの識字教室や裁縫教室です。

Lots of people all holding blocks spelling out Rights

 

――難民のための人道支援や医療もやっています。

尾崎――私が行った頃はパキスタンの難民キャンプ周辺で活動していました。その後、アフガンに帰って、カーブルや各地で活動しています。2013年にはアフガンに行って、RAWAメンバーに会うことができました。

The phrase ” Save afghan women ” on a banner in men’s hand with blurred Afghan flag on the background. Protest. Riot. Violence. Collapse. Politics. Streets. Save. Cruelty. Religion. Help. Afghanistan

 

――ミーナーの印象はいかがですか。

尾崎――ミーナーの生涯を本で読んで、とにかく驚きました。若い女性がアフガンの現実に立ち向かったことだけで凄いと思います。美しい人で、一度見たら忘れられません。

――容姿というよりも、その生きざま、人生の全体がまさに美しい。

尾崎――強く印象に残って、今でも覚えているのが「同胞への愛」です。どこかで人が死んだニュースを聞いて、ミーナーが涙を流すんです。親戚でもなく、知らない人が亡くなっても、同胞だからです。

――「共感する力」という点で、RAWAとミーナーは重なりますね。「同胞への愛」がナショナリズムに回収されず、抑圧された世界の人々への共感につながっています。

尾崎――それまで全く知らなかったミーナーやRAWAの女性たちの闘いに驚きましたし、励まされました。

――その後、RAWAメンバーをパキスタンやアフガンから招いて、日本スピーキングツアーをやりました。

尾崎――長野にも来てもらいました。話を聞いた人たちの反応もとてもよかったです。

――RAWAを知って、世界観に影響を受けた。

尾崎――私と年齢の変わらない女性たちが、非常に困難な状況の中で諦めずに闘い続けています。生まれてからずっと戦争が続いているような状態で、「私の人生は戦争しかなかった」というインタヴューも読みました。同じ時代に生きている一人の女性として、何かできないか、何か伝えられないかと思います。

・アフガン料理を工夫する

――カブール・プレートランチに続くメニューを考えていますか。

尾崎――本物の味を追求したいですね。マントゥは日本で販売されている餃子の皮を使っているので、アフガンのマントゥらしい味にしたいです。

――最初がカブールでしたから、次はジャララバード・ランチやカンダハール・ランチですね。

尾崎――ピラフもアフガンの家庭によって様々だと思いますが、久しく食べていないので、現地で色々食べたいですね。炭火焼のケバブや、平らなパンのナンもつくりたいですね。

――季節ごとに少し変えていく手もありますね。

尾崎――茄子を揚げるブラニはヨーグルト味もあれば、トマト味もあります。チャイ(お茶)も用意しなくては。グリーンティーが良いです。

――ありがとうございました。

 

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前田朗 前田朗

(一社)独立言論フォーラム・理事。東京造形大学名誉教授、日本民主法律家協会理事、救援連絡センター運営委員。著書『メディアと市民』『旅する平和学』(以上彩流社)『軍隊のない国家』(日本評論社)非国民シリーズ『非国民がやってきた!』『国民を殺す国家』『パロディのパロディ――井上ひさし再入門』(以上耕文社)『ヘイト・スピーチ法研究要綱』『憲法9条再入門』(以上三一書房)『500冊の死刑』(インパクト出版会)等。

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