【特集】沖縄の日本復帰50周年を問い直す
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中城湾港自衛隊使用許可に関する沖縄県との交渉①―中城港湾・与那国空港の自衛隊使用許可反対と日米共同統合演習について(その1)―

宮城恵美子

【「日米共同統合演習」とは】

11月8日~19日まで、「日米共同統合演習」が沖縄で大々的に展開された。同演習は「台湾有事」で中国を叩くために沖縄を拠点として戦争する作戦である「日米共同作戦計画」を推進するために行われた。

既に11月1日から同演習の準備に入る動きを示していた。「日米共同作戦計画」とは沖縄の島々で自衛隊と米軍が合同して中国と戦争する作戦計画である。今回の演習は、沖縄で再び戦争するための演習である。

中城湾港の地図の拡大とダウンロードはこちら

 

11月8日朝、演習に参加する自衛隊車両が民間船「はくおう」から荷下ろしされるというので、それに抗議するために、連絡を取り合って中城湾港に結集した。

その日、沖縄平和市民連絡会は那覇から24人が参加した。そのほか糸満・うるま・北谷からも市民が駆け付けた。なお、平和市民連絡会は私が共同世話人を務めている団体である。平均年齢は70余である。

当時の抗議行動の様子を11月9日付の沖縄タイムスは、「沖縄を戦場にするな」「民間港使用市民ら抗議」「中城湾港 県警が強制排除」との見出しで報じた。まさに見出し通りの抗議行動となった。

この抗議行動には次のような経緯があった。「日米共同統合演習」は自衛隊と米軍の合同演習である。

統合の意味であるが、私は次のように考えている。自衛隊も陸・海・空と所属が別々、米軍も陸・海・空・海兵隊と各々違う部隊である。メインの根拠地・駐屯地も日本全国に分散している。日本各地に存在している部隊が動くのである。

ゆえに、日米両軍の各部隊が一斉に琉球列島に集結して戦争事態に適合した行動がスムーズにとれるのか。欠陥や不足点、問題点などが判明するはずだ。岩国や築城あるいは佐世保から多数の部隊が移動して一つの指揮の下で、統制の取れる動きをするには演習が必要だということだろう。

沖縄の周辺に集結して闘う。そのための動きが「一糸乱れず」行動できるかは実際に港も飛行場も公道も使ってみるしかないのであろう。使い勝手が悪いのかスムーズに動けるか、時間・ペースも弾の撃ち合い方も確認する必要があろう。それを念頭に各部隊を「共同統合」して行うものだと私は認識している。

沖縄戦の教訓は「軍隊は住民を守らない」ことである。何度でも繰り返し沖縄県庁は肝に銘じてこの教訓を県政の魂の中に据えないと、日本国家のみならず米国も交えた巨大な軍事力が一体となって沖縄・琉球弧に押し付ける政策に抗うことはできないだろう。

military army boots in row

 

日本の自衛隊であろうと米軍であろうと決して住民を守らないのである。軍隊が琉球弧に存在すること自体が緊張を高める上に演習すればするほど攻撃リスクを高める恐れがある。

自衛隊と米軍を区別して曖昧な姿勢をとるべきではないことを強調しておきたい。沖縄県庁こそが住民の命を守るために「楯となり」行動しなければいけない。

現代の戦争は沖縄戦のような艦砲射撃の戦争ではなく、ミサイルを撃ち合う。沖縄住民には逃げる暇も隠れる場所もない。沖縄県民はこのような「戦争計画」について日本政府から何も説明を受けていない。「日米共同統合演習」は認めることができない。

日本政府はアメリカのお先棒を担いで軍拡を推し進め、軍事予算を倍増させて射程が1000キロメートル以上のミサイルを1600発増産して、南西諸島に配備するという。配備されるとその場所が反撃を受ける。日米が撃てば当然に中国も撃つ。私たちは日米戦争政策を止めねばならない。

【中城湾港の闘い】

「日米共同統合演習」に反対する最初の行動が中城湾港の闘いである。地域から反対の声を上げていこうと呼びかけた。

沖縄県が演習反対との立場を出していないのは残念である。そこで、沖縄平和市民連絡会は日頃から共闘の歩調をとっている「うるま市・島ぐるみ会議」「嘉手納ピースアクション」と共催して、民間湾港使用の拠点にもなっている中城湾港で抗議の行動を行うことにした。

自衛隊車両と隊員の上陸は、演習の本格化の始まりである。市民約150人が集まり声を上げた。警察・機動隊に市民は「ごぼう抜き」されて、座り込む市民の隙間から自衛隊員や軍車両部隊は出て行った。市民の激しい怒りと怒涛の中、反対運動の阻止闘争の中で始まった。

【沖縄県との交渉】

市民は沖縄県との10月31日の交渉のなかで「県民の命を守るために、沖縄県が演習反対を明らかにすべきだ」と主張してきた。さらに「与那国空港は県管轄なのだから、許可しない権限をもっている」とも主張した。しかし県は市民の意見を無視した。県は妥協している。

新聞紙上で「防衛省は県に空港の使用届や輸送機の重量超過に伴う許可申請書を提出。県は9日までに条例に基づき審査し、短時間であれば駐機などは可能として許可した」ということが分かった。県は「公道の走行のとりやめや車両の変更を求めた」というが、空港を認めたことと矛盾する。

そして実際に「日米共同統合演習」は11月10日から19日まで実施された。11月の3分の2は、日米共同統合演習が琉球列島で大規模になされたことを日本全国の人も知ってほしい。

米軍から1万人、日本自衛隊は2万数千人とか3~4万人が動いたと思われる。更にオーストラリアやNATOイギリス軍までも参加したというから実数は分からないが、政府はぜひそれも明らかにしていただきたい。私たちは沖縄の住民は、再び沖縄を戦場にさせないために行動している。ぜひ、本土の人々も動いてください。お願いします。

この度の県交渉について要請した文章を資料として掲載する。

「沖縄平和市民連絡会」要請書の拡大とダウンロードはこちら

 

以上、県に要請したが、住民に対して県からは1にある「全容」が明らかにされていないこと、2の中城湾港の使用を許可したこと、3については返答がないことを報告し、②に続く。

 

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宮城恵美子 宮城恵美子

独立言論フォーラム・理事。那覇市出身、(財)雇用開発推進機構勤務時は『沖縄産業雇用白書』の執筆・監修に携わり、後、琉球大学准教授(雇用環境論・平和論等)に就く。退職後、那覇市議会議員を務め、現在、沖縄市民連絡会共同世話人で、市民運動には金武湾反CTS闘争以来継続参加。著書は『若者の未來をひらく』(なんよう文庫2005年)、『沖縄のエコツーリズムの可能性』(なんよう文庫2006年)等がある。

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