【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第38号: ウクライナと「破滅への道」(上)

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

今週の南西諸島軍事強化トピックス(2022年7月4日~7月10日)

◇金武町伊芸区の民家に銃弾 ハンセン演習場近く 流弾可能性 米軍の実弾訓練期間中(沖縄タイムス、2022.7.8)http://nomore-okinawasen.org/1950/
◇被害民家敷地、過去にも被弾 金武伊芸 1966年に照明弾(沖縄タイムス、2022.7.9)http://nomore-okinawasen.org/1961/
◇金武伊芸区 被弾事件未解決16件 被弾数は46発(琉球新報、2022.7.11)http://nomore-okinawasen.org/1994/

金武町伊芸区の民家でガラスが割れ銃弾が見つかった。伊芸区は米軍キャンプ・ハンセンの実弾演習場に隣接し、戦後から復帰後も流弾事件が異常に多発。「女児(3歳)の太腿を直撃」、「女性の太腿を直撃」の人身被害、民家だけでなく、近くの沖縄自動車道伊芸サービスエリアなどでライフル銃弾、軽機関銃弾10発発見などの流弾事件が続いている。

今回の銃弾発見時にハンセンは実弾射撃訓練の実施期間中。実弾演習の流弾が疑われるが、米海兵隊は流弾の可能性を否定している。

沖縄タイムスによると、銃弾が見つかった同じ番地の建物は1966年にも照明弾約10発が周辺に落下し屋根を貫通。この民家の半径50メートル内の住宅などで過去、7件の被弾があった。

また区内の別の場所も半径100メートル内で7件の被弾があった。琉球新報によると金武町伊芸区の被弾事件は「複数発の事例があり、伊芸区が記録する被弾数は46発に上る」。また「1956年から2013年までに記録される被弾事故が27件あり、16件は原因究明されていない」。08年車両の被弾で米軍使用銃弾の県警鑑定に対し米軍は関与を否定した。

沖縄タイムス、琉球新報は伊芸区の「被弾マップ」を掲載。伊芸区公民館周辺の住宅地に被弾の赤丸マークが数多く並び、住民の生活の場が恒常的に米軍銃弾の脅威にさらされいることを浮き彫りにする。「戦後、県内では米軍演習による流弾事件が相次いできた。そのたびに県は演習中止や再発防止を求めるが、米軍は一方的に訓練を再開してきた」(沖縄タイムス)。

被弾事件が続く中、2004年に米軍は伊芸区民間地から300メートルの至近に「都市型戦闘訓練施設」建設を公表。政府は容認した。伊芸区住民は「We are not your Target(私たちは米軍の標的ではない)」の横幕を手にハンセン基地ゲート前に立ち続ける無言の抗議を続けたが米軍が建設を強行(その後、日本政府予算で「住民の安全配慮のため」基地内奥に移設)した。実弾演習は今も続いている。

安倍元首相の銃殺が社会に衝撃を与えたが、伊芸区区長は「こちらは実弾演習による流弾の可能性が高く、元首相は襲撃されたという違いはあるが、凶弾に命が脅かされる状況は同じだ。あってはならない」とコメントした。いつか凶弾で住民が死ぬ。その前に手立てを図るべきだろう。

住宅密集地の真ん中にある普天間飛行場、金武町伊芸区に隣接する実弾訓練場は重大事故の発生を免れない「構造的欠陥」基地だ。米国では許されない「構造欠陥」基地の存在と日本政府の容認は日米の「構造的差別」、人権無視にほかならない。「We are not your Target」の声を上げ続けるしかない。

◇「琉球の戦場化 望まず」 具志堅さん 国連で訴え(沖縄タイムス、2022.7.5)http://nomore-okinawasen.org/1916/
◇「基地が自己決定権侵害」 具志堅さん 国連で訴え(琉球新報、2022.7.6)http://nomore-okinawasen.org/1922/
◇「平和外交で解決を」 命どぅ宝の会 米大統領に手紙(琉球新報、2022.7.6)http://nomore-okinawasen.org/1922/
◇世界的平和団体 書簡送付を紹介 市民団体 米大統領宛て(沖縄タイムス、2022.7.6)http://nomore-okinawasen.org/1922/

日米政府は沖縄の声に耳をふさいでいる。であれば沖縄の声を世界に発信するしかない。「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」共同代表で遺骨収集ボランティアの具志堅隆松さんは国連で「日米安保条約により、琉球の自己決定権がないがしろにされている」、台湾有事を念頭に置く日米の軍事訓練に対し、「琉球から中国を攻撃するつもりはない。琉球は戦場になってしまう」と無謀な作戦計画の中止を訴えた。

ダグラス・ラミス共同代表らは県庁で記者会見。バイデン米大統領に宛てた「武力ではない平和外交による問題解決」を訴える手紙を公表した。沖縄が日米政府が想定する対中戦争の前線基地となることを「断固として拒否する」と主張する内容。ノーモア沖縄戦の会は賛同者を募り、米大統領ほか中国、台湾、日本の4首脳に同内容の手紙を送る。

(7月4日)  http://nomore-okinawasen.org/1907/
台湾有事 回避へ書簡 市民団体、米大統領に(沖縄タイムス、2022.7.4)
離島住民避難 議論を 小谷哲男氏(琉球新報、2022.7.4)
有事への対応 冷静に 柳沢協二氏(琉球新報、2022.7.4)
防衛力強化は「切迫」と強調 北朝鮮、日米韓に対抗(沖縄タイムス、2022.7.4)

(7月5日)   http://nomore-okinawasen.org/1916/
「琉球の戦場化 望まず」 具志堅さん 国連で訴え(沖縄タイムス、2022.7.5)

(7月6日)   http://nomore-okinawasen.org/1922/
「平和外交で解決を」 命どぅ宝の会 米大統領に手紙(琉球新報、2022.7.6)
世界的平和団体 書簡送付を紹介 市民団体 米大統領宛て(沖縄タイムス、2022.7.6)

(7月7日)   http://nomore-okinawasen.org/1942/
有事の住民避難連携 八重山3首長、県に要請(沖縄タイムス、2022.7.7)
有事の住民保護体制を 八重山市町会、県に要請(琉球新報、2022.7.7)

(7月8日)   http://nomore-okinawasen.org/1950/
「平和」の維持 意見二分 自衛隊配備強化 住民「岐路に立つ選挙」(沖縄タイムス、2022.7.8)

(7月9日)  http://nomore-okinawasen.org/1961/
論壇:台湾有事を避けるため 沖縄から人的交流広げて(沖縄タイムス、2022.7.9)
宮古陸自3周年行事に市民抗議(琉球新報、2022.7.9)

(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン第38号」より転載)

 

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