【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第42号:「島民がデマを流し、民意が誘導される」という元陸幕長発言の重大性を見抜く

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

今週の南西諸島軍事強化関連トピックス(7月18日~7月24日)

◇陸自と米軍 指揮官シンポ 対中抑止力 強化アピール 沖縄の負担増に懸念の声(沖縄タイムス、2022.7.18)
◇空自、米と共同訓練 海自も実施 中国念頭(沖縄タイムス、2022.7.18)

「対中国を念頭に」置き、都内で開かれた「陸自と米軍 指揮官シンポジウム」なる軍事イベントをタイムスが詳報した。「アジア・太平洋地域各国、英、仏含む18カ国が参加」とある。陸自木更津駐屯地での「島しょ防衛デモンストレーション」では、「陸自の水陸機動団が確保した拠点に、陸自の地対艦ミサイル、海兵隊の高機動ロケット砲システム(HIMARS ハイマース)が展開」した。

日米、英仏、アジアの「中国包囲網」軍事作戦のデモンストレーションである。「中国脅威論」のプロパガンダに併せた中国に対する軍事的恫喝にほかならない。中国はどう反応するだろうか。「台湾有事」の平和解決に向けた外交対話はないまま、軍拡競争の火に油を注ぐ軍事訓練に歯止めがない。

防衛ジャーナリストの半田滋氏は「中国の隣りの日本で、米国の旗の下には多数の国が集まる、と見せつけるのが狙い」と指摘した。

HIMARSハイマースは「伊江島の演習でも展開」。ハイマースはウクライナ支援でも米軍は投入している。半田氏は「日米政府は米軍、自衛隊の施設共用で一致している」。宮古陸自基地、石垣陸自基地に「ハイマースを配備する可能性」を指摘した。南西諸島の島々の自衛隊基地に米軍のハイマースなどミサイル兵器を投入、脆弱な自衛隊の装備、兵力を米軍が補う「台湾有事」対処の戦争シナリオが浮き彫りになりつつある。

同じ日のタイムス紙面、在沖米陸軍司令官に就任したネッド・ホルド大佐は「日本政府、自衛隊の方々とこれから苦楽を共にしていく」と決意表明した。米陸軍は極超音速ミサイルの「沖縄を含む列島線配備」を計画している。自衛隊と苦楽を共に沖縄を戦場にする決意か。きっぱりご免こうむる。

◇社説 土地規制法基本方針 全面施行は認められない(琉球新報、2022.7.19)
◇「ノーモア沖縄戦」講演会 土地規制法がやって来るによせて - 土地規制法は戦場とするための法(琉球新報、2022.7.20)
◇論壇 土地規制法の危険性 沖縄スパイ戦 再来許すな 谷山博史(琉球新報、2022.7.21)
◇「土地規制法」は戦争準備法 23日那覇で勉強会(参加無料)(沖縄タイムス、2022.7.21)
◇「「沖縄は監視対象」土地規制法で講演会 法的根拠不明瞭と指摘(琉球新報、2022.7.24)
◇土地利用規制法 危険性を訴える 弁護士ら勉強会(沖縄タイムス、2022.7.24)

沖縄をターゲットにする、と言われる「土地規制法」が9月に施行される。米軍、自衛隊基地などの「機能阻害行為」を監視、排除、罰する治安立法だ。

沖縄では「まず狙われるのは辺野古新基地の反対運動では」と危機感が高まっている。「阻害行為」とは何か。どのような行為が対象となるのか、判断は政府の裁量に委ねられ、琉球新報社説は「何が規制対象か国民が明確に把握できないまま対象が拡大される恐れがある。恣意的に運用される法律の全面施行は認めらない」と反対姿勢を明確にした。

ノーモア沖縄戦の会は7月23日、「沖縄が危ない! 土地規制法がやって来る」講演会を開催。新聞の論壇、両紙の文化面に寄稿し、土地規制法に反対、廃案の訴えを展開した。コロナ下にも関わらず多数が参加し危機感を共有し反対の声を上げた。

仲松正人弁護士、谷山博史・土地規制法廃止アクション事務局は「沖縄だけの問題ではない」と強調した。土地規制法は、安保法制など戦争のできる国への法整備とともに、国民の知る権利を奪う特定秘密保護法、反戦・反基地を訴える市民運動、声を抑圧する総仕上げの治安立法にほかならない。「ノー」の声を上げる権利を放棄するわけにはいかない。

琉球新報は7月16日社説で安倍氏国葬に反対を主張した。全国の中央紙、地方紙の中で唯一であろう。社説の後、琉球新報の声の欄には「国葬に反対」の読者投稿が相次いでいる。「ノー」の声を上げる。新聞のオピオンリーダーの役割を再認識した。作家目取真俊氏も新報文化面で「強く反対」を表明した。

国葬の前に「功罪を問え」という指摘だ。「民主主義を踏みにじって力で物事を進めてきたのが安倍政治」、「政治を私物化してきた実態を見れば、その死がどれだけ悲惨であっても国葬には値しない」。国民の異論を「閣議決定」で踏みにじる。そのありようが安倍政治を象徴する。嫌なものは嫌、と普通に声を上げる日本を取り戻すことからだ。

7月18日 http://nomore-okinawasen.org/2076/
◆思い出したミサイルの記憶(沖縄タイムス、2022.7.18)
◆海上保安議連が発足 県議会野党と中立議員(沖縄タイムス、2022.7.18)
◆「日本政府、自衛隊の方々と苦楽をともにしていく」 トリイ司令官にホルト大佐就任(沖縄タイムス、2022.7.18)
◆陸自と米軍 指揮官シンポ 対中抑止力 強化アピール 沖縄の負担増に懸念の声(沖縄タイムス、2022.7.18)
◆空自、米と共同訓練 海自も実施 中国念頭(沖縄タイムス、2022.7.18)

7月19日 http://nomore-okinawasen.org/2087/
◆社説 土地規制法基本方針 全面施行は認められない(琉球新報、2022.7.19)
◆閲覧対応は32自治体 自衛隊名簿提供 全国と比べ慎重姿勢(琉球新報、2022.7.19)
◆自衛隊員募集のための個人情報を記した名簿提供 法的根拠見出せず違法(琉球新報、2022.7.19)
◆論壇 「保護計画」で住民守れぬ(沖縄タイムス、2022.7.19)

7月20日 http://nomore-okinawasen.org/2096/
◆「ノーモア沖縄戦」講演会 土地規制法がやって来るによせて 土地規制法は戦場とするための法(琉球新報、2022.7.20)
◆前米国防長官「台湾守る」 蔡総統と会談 中国は猛反発(沖縄タイムス、2022.7.20)

7月21日 http://nomore-okinawasen.org/2102/
◆論壇 土地規制法の危険性 沖縄スパイ戦 再来許すな 谷山博史(琉球新報、2022.7.21)
◆「土地規制法」は戦争準備法 23日那覇で勉強会(参加無料)(沖縄タイムス、2022.7.21)

7月23日 http://nomore-okinawasen.org/2119/
◆防衛費「他国より少額」」22年白書 中ロ警戒 増額求める(沖縄タイムス、2022.7.23)
◆与那国駐屯地「極めて重要」台湾記述を強化(沖縄タイムス 、2022.7.23)
◆与那国陸自「重要な役割」防衛白書 台湾との近さ強調(琉球新報、2022.7.23)
◆22年版防衛白書 防衛費大幅増へ透ける思惑(沖縄タイムス、2022.7.23)

7月24日 http://nomore-okinawasen.org/2125/
◆「「沖縄は監視対象」土地規制法で講演会 法的根拠不明瞭と指摘(琉球新報、2022.7.24)
◆土地利用規制法 危険性を訴える 弁護士ら勉強会(沖縄タイムス、2022.7.24)

(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン第42号」より転載)

 

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