【連載】週刊 鳥越俊太郎のイチオシ速報!!

第24回 「私は耳が聞こえません」/補聴器所有率 低い日本 15%で16カ国中15位聞こえにくさ放置 認知障害リスク(毎日新聞記事より)/ブルース・ウィリスさん失語症!

鳥越俊太郎

最後のテーマ。補聴器所有率低い 日本!

補聴器の話の前になぜ私が補聴器と縁があるのか?私の難聴の話をきっちりとしておかねばならない。

私が耳に異常を感じたのは60歳の頃だった。最初は耳鳴りから始まり、その後左の耳が何かしら聞こえにくいな、と自覚した。

耳鳴りは結構大きく昼間雑音の中で暮らす間は気にならないが、深夜静かな暗闇の中では窓の外で工事が行われていると長い間錯覚をしていた程の音が耳の中で鳴り響くのだ。その音は眠りを妨げる程強い音だ。最初の頃はベッドの中で落語やショパン、オスカー・ピーターソンを聞いたりしていたのだが、やはり最後は病院で耳鼻咽喉科の医師に相談と診断をしてもらったら、答えは

「はい、あなたはメニエール病です」

めまい、耳鳴り、難聴

この3点セットの症状がじわじわと出始め、年齢とともに難聴が進んだ。

特に左耳の聞こえが悪くなり、左側から話しかけられると、気がつかなく、不快な思いをさせたのは1人や2人ではない。

難聴または聴覚障害は外見上は見えない。だから人との交わりの中で

「ああ、この人は障害者だな」という気付きは全く発生しない。

これが他の障害者と全く異なるところだ。たとえば目が不自由、手足が不自由などは一見してすぐわかる。だからそこにつけ込まれることもあるが、逆に配慮してもらえる利点もある。

そこが全く違う。他人には知られない障害者だ。私は自分が会食やパーティなど集団での会話に入り込めない不自由さを味わい、初めて難聴または聴覚障害の辛さを知った。

それは私だけではない。世の中全体で存在する「他に気づかれない」障害であることを思い知った。

その障害をカバーしているのが補聴器である。

https://foimg.com/00190/Ucj9L6

使用した実感で言うと補聴器は機能のいい悪い色々ある。値段も数万円くらいから100万円近くまで天と地ほどの開きがある。

毎日新聞の1月18日付け記事によると、聴力に関する各国の状況が比較可能な大規模調査の結果が昨年12月26日公表された。それによると日本の補聴器の所有率が世界で最低レベルであることが明らかになったという。

記事によると、欧州各国や中韓など世界16カ国が進める国際調査の一環として、国内では一般社団法人「日本補聴器工業会」などが1万4,061人を対象に実施し、最新データを

「JapanTrak」(ジャパントラック)2022」にまとめた。

その結果によると、聞こえにくさを自覚している人の割合は10%だった。年代別に見ると、75歳以上が 34.4%、65~74歳が14.9%、55~64歳が 8.9%だった。

聞こえにくさを自覚している人のうち、補聴器を所有している人の割合は15.2%で、16カ国の中では15位、日本の低さが際立ったという。

「難聴は生活が少し不便になるくらい」と甘く考えてはいけない。

そう警鐘を鳴らすのは東海大医学部の和佐野浩一郎 准教授(耳鼻咽喉科)だ。

聞こえにくさを放置しておくと認知障害や睡眠障害や抑うつなどが発症すリスクが高まる恐れがあると言う。

私はもう10年以上補聴器を使っているが、聞こえにくさは残っている。

むむむ、認知障害か!?

はて?はて?はてな?

(2023年2月20日)

 

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鳥越俊太郎 鳥越俊太郎

1940年3月13日生まれ。福岡県出身。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。大阪本社社会部、東京本社社会部、テヘラン特派員、『サンデー毎日』編集長を経て、同社を退職。1989年より活動の場をテレビに移し、「ザ・スクープ」キャスターやコメンテーターとして活躍。山あり谷ありの取材生活を経て辿りついた肩書は“ニュースの職人”。2005年、大腸がん4期発覚。その後も肺や肝臓への転移が見つかり、4度の手術を受ける。以来、がん患者やその家族を対象とした講演活動を積極的に行っている。2010年よりスポーツジムにも通うなど、新境地を開拓中。

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