我が国の水際対策撤廃と海外渡航自由化を、ISFで私説展開
社会・経済2023年1月24日、大雪警報通り金沢は今、空からひっきりなしにぼたん雪が舞い降りてきて、現地特有の民家の黒瓦屋根は白い嵩で覆われている。
今からこの降りでは、明朝何十センチ降り積もることかと懸念されるが、10年に1度の大寒波というから、もしかして2018年の豪雪時の87センチを超えるかもしれない。水道管の凍結を危惧して、バケツに貯水し、ペットボトル3本も用意した。金沢市内だから大丈夫とは思うが、最悪の停電などという事態に陥らないよう祈るばかりだ(注:結局金沢市は積雪10数センチで済んだが、能登地方など1万世帯で断水、2月2日に解除された)。
北陸の厳寒に晒されると、現在、暑くも寒くもない絶好シーズンのインドがひときわ恋しくなる。日本の冬の避寒にはやはり、本宅のあるインドが1番かと思う。伴侶の他界(2019年秋に病死)やパンデミック(世界的大流行)で、これまでの日印二重生活も、滞在比率(8対4月ベース)とインドに傾いていたのが、4対8と日本の方に傾きそうな雲行きであるが、北陸の厳寒を避けるには、熱帯国インドが最適、ベースがあるのに利用しない手はない。
折しも、日本政府は、コロナ感染症を、従来の2類からインフルエンザ同様の5類へと移行する案を春に向けて進めており、それに伴う水際対策の変更(願わくば廃止)に、かすかに期待を寄せる私である。
ゼロコロナ対策が崩壊した中国では11億人以上が感染したとか、新変異株「XBB.1.5」(オミクロン型の亜系統)の脅威(重症化率は不明)並びにアメリカでの置き換わり拡大が巷を賑わせている昨今だが、もういい加減茶番劇(とあえて言う)からは解放されたい。
前号でお伝えした、わが息子(Rapper Big Deal)がホッケーワールドカップ2023の開会式て披露したラップパフォーマンスの動画を視聴頂いても一目瞭然のように、6万人のインド観衆の誰一人としてマスクをしていない。
中央政府は中国のコロナ爆発に神経を尖らせているが、インドの民衆にとって、パンデミックはすでに過去の出来事なのである。息子はショーの依頼がひっきりなしに舞い込み超多忙、我が宿、東インド・オディシャ(Odisha)州の聖地プリー(Puri)にある「ホテル・ラブ&ライフ」も、2年間の休業の反動で大盛況なのである。
リベンジ活動に沸くインド、日本がマスクやソーシャルディスタンスから解放されるのは、いつのことか。首を長くして、雪解けの春と共に、コロナ明けの春を待ちわびる当方である。
作家・エッセイスト、俳人。1987年インド移住、現地男性と結婚後ホテルオープン、文筆業の傍ら宿経営。著書には「お気をつけてよい旅を!」、「車の荒木鬼」、「インド人にはご用心!」、「涅槃ホテル」等。