【連載】コロナ騒ぎ謎解き物語(寺島隆吉)

第7回 コロナの死者より自殺の方が多い―問題なのはPCR検査のCt値(増幅回数)だ―

寺島隆吉

私は前章で、ケーニッヒの論文「新型コロナウイルスCOVID-19」という世界的疫病、真に危険なのは『ID2020』である」から引用しながら、次のようなことを紹介しました。

(1)ID2020という組織と運動が「既存の出生登録とワクチン接種を活用して、新生児に携帯可能で永続的な生体認証機能デジタルIDを提供する」ことをめざしている。
(2)ID2020という組織の2019年総会は、 「グッドID取得への挑戦」と題され、2019年9月にニューヨークで開催された。
(3)そして、2020年に同プログラムを開始することを決定し、2020年1月にダボスで開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)でその決定が確認された。
(4)ビル・ゲイツが創設したGAVIアライアンス(ワクチン接種促進世界同盟)が、この主力部隊の一部である。

と同時に、ビル・ゲイツが「自分はナノチップを使ったデジタルIDを生体に埋め込もうとしたことはない」と嘘をついていること、それがロバート・ケネディ・ジュニアによって暴露されたことも紹介しました。

しかし、この「デジタルID」が単なるSF空想小説ではなく、実際にバングラデシュ政府によって試されつつあることについて紹介することを忘れていました。

というのはケーニッヒの前述論文によれば、バングラデシュ政府プログラムの政策アドバイザーであるアニール・チョウダリーは次のように述べているからです。

 

私たちは、既存のシステムとプログラムを引き続き構築しながら、個人が自分の個人情報を制御できるようにするデジタルIDへの前向きなアプローチを実行しています。

バングラデシュ政府は、デジタルIDシステムの設計が個人のサービスや生計手段へのアクセスに広範囲に影響を及ぼすことを認識しており、私たちはこのアプローチの先駆者となることを切望しています。

 

チョウダリーは、このようにデジタルIDをひたすら美化し、その危険性をまったく自覚していないように見えます。

しかし前章で紹介したように、WEF(世界経済フォーラム)がコロナ騒ぎを利用しながら目指している未来、すなわち「グレート・リセット」はそんなに美しい世界ではありません。

WB(世界銀行)に30年間も勤務したピーター・ケーニッヒ

 

なぜなら、日本政府はコロナ騒ぎを利用して国民の団結を破壊することに、まんまと成功してきたからです。その典型的手段が次の3つでした。

(1)いわゆる「三密」回避。
(2)社会的距離を保ち、集団行動を慎め。
(3)外出するときは必ずマスクをかけ、帰宅したら手洗いを励行せよ。

上で言っている「三密」とは、密閉、密集、密接の3つを指しますが、この3つを回避せよと指示することは、政府にとってこんなに都合のよいことはありません。これでは民衆が団結して集会を開いたり抗議行動をすることが事実上、不可能になるからです。

このコロナ騒ぎが起きる前は、山本太郎が立ち上げた「れいわ新撰組」は全国を遊説しながら日本の政界に新しい息を吹き込み、 「山本太郎現象」として外国の雑誌Newsweekにも紹介されるほどの旋風を引きおこしましたが、今ではその影はまったく薄くなりました。

それも当然でしょう。 「社会的距離を保ち、集団行動を慎め」と言われたのでは身動きできなくなるからです。しかし山本太郎にも問題がなかったわけではありません。というのは、彼自身が「今度の新型コロナウイルスは危険だ。政府はPCR検査を拡大せよ」と叫んでいたからです。

PCR検査を拡大すれば、いわゆる「感染者」が激増して、 「新型コロナウイルスがいかに伝染性が強く危険か」という政府の宣伝に手を貸すことになります。しかし、PCRの発明者でありノーベル賞受賞者のキャリー・マリス自身が「これを感染症診断に使ってはならない」と言っているのです。

最近(2020年11月11日) 、ポルトガルで「PCR検査は当てにならない」 「PCR検査の元になったドロステン論文に多くの間違いがある」という画期的な判決が出たことも、既に第4章で紹介しました。

もっと面白いことには、WHO自身が、2021年1月20日にPCR検査に関する注意事項を世界各国に通知したことです。その通知は次のように言っています。

PCR検査は特定の配列の遺伝子を増幅する技術で、増幅サイクル(Ct)を増やしていけば、医学的に意味のないほど微量の遺伝子があるだけでも陽性になってしまう。そうしたことを防ぐため、取扱説明書をよく読むべきだ。

https://www.who.int/news/item/20-01-2021-who-information-notice-for-ivd-users-2020-05

このような通知をWHOが出した背景には、前述のような画期的な判決が出て、 「PCR検査の元になったドロステン博士の論文に多くの間違いがある」と指摘されたことが、大きいと思います。

またドイツの弁護士・科学者集団が「今回の、コロナ騒ぎを利用したロックダウン(都市封鎖)は『人道に対する罪』だ」としてドイツ政府の関係者やテドロスWHO事務局長を集団告訴する動きが出始めていることも、影響しているかも知れません。

訴状の詳しい内容は『翻訳NEWS』に次のような翻訳が載っていますので、そちらを御覧ください。

*ドイツ議会外コロナ調査委員会による告発-PCR検査による偽のパンデミックは、人道にたいする罪だ( 『翻訳NEWS』2020-11-24)。

さらに、WHOによる右の通知について詳しく知りたいかたは次の記事も参照ください。

*WHOは新型コロナPCR検査には欠陥があることを正式に認めている。 「陽性」判定は無意味。都市閉鎖措置の科学的根拠はゼロ。
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-620.html( 『翻訳NEWS』2021-07-24)。

それはともかくとして、いわゆる「三密」回避は、1人暮らしが増えている高齢者には、さらに深刻な問題をはらんでいます。

私がいつも散歩しているときにに出会う老婦人は「これまでは近くの集会所で仲間と話し合ったり運動したりする機会があったのに今ではそれもできなくなり落ち込むばかりだ」というのです。

また高齢者を収容している介護施設は、コロナウイルス対策を理由に面会が急に厳しくなり、肉親でさえ面会するのが難しくなってきています。病院でも面会を厳しく禁じているところが少なくありません。

私の甥っ子も、遠くに住んでいてしばらく疎遠になっていた自分の父親が心配になって、母親に電話をして「入院している父に面会したい」と言ったところ、 「病院が面会を禁じているから来ない方がよい」と言われたそうです。

人間は孤独感が強くなれば免疫力が大きく低下してしまいます。まして1人暮らしの高齢者、入院していたり介護施設に住んでいて肉親にも会えない高齢者は、ますます孤独感が強くなりますから、ちょっとしたことで病気になり死亡してしまいます。

大手メディアで「コロナウイルスで死亡」と書かれている人たちで、このような原因で死亡している数はどれくらいに昇るでしょうか。まして持病もちの高齢者は、免疫力が低下すると、あっと言う間にに亡くなってしまいます。

つまり、コロナウイルスで死亡するのではなく、コロナ政策で死亡しているのです。なぜなら今回のコロナは致死率が極めて低いのですから、面会謝絶という方法はまったく必要ないと言えるからです。

だから今回のコロナは風邪やインフルエンザとたいして変わらないとすれば、面会謝絶という方法が持病もちの高齢者を死に追いやったとも言えるのです。

他方、WHOは「陽性者が死亡したら原因の如何を問わずコロナで死亡と書く」よう指導してきました。

だとすれば、コロナによる死亡者数というのも全く当てになりません。本書でもブルガリア病理学会会長の次のような発言を紹介しました。

*「誰もコロナウイルスで死んでいない」ブルガリア病理学会会長ストイアン・アレクソフ博士による重大事実の暴露
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-category-60-1.html( 『翻訳NEWS』2020-08-05 )

アレクソフ博士は上のインタビューで「WHOは死因を調べようとしても検死・解剖をするなと言っている」と嘆いていました。だとすれば、 「感染者数が激増した」と大騒ぎしている大手メディアの報道は、いっそう信用できません。

なぜならPCR検査の増幅サイクル(Ct値)を増やしていけば、医学的に意味のないほど微量のウイルスがあるだけでも陽性になってしまいます。

 

上の文書では、「返事は令和2年12月21日までに延期して欲しい」とありました。しかし回答として最終的に送られてきたのは国立感染症研究所からの「行政文書不開示決定通知書」(令和 3 年4月22日付)で、そこには「開示請求に係る行政文書を保有していなかったため」という理由が書かれてあったそうです。呆れてものも言えない回答ではないでしょうか。

つまり、陽性者数(すなわち「見かけの感染者」 )を増やしたければ、Ct値を高めれば良いわけですし、そのようにして政府や自治体は国民・住民の恐怖感を煽り、ワクチン待望論者を増大させてきたのです。

しかも、 「新型コロナウイルスが存在することを証明する文書はあるのか」と厚生労働省に問い合わせた市民がいるのですが、驚いたことに、このような文書開示の請求を要求しても、当局の答えは次のようなものでした。

「今は忙しくてそういうことを調べて回答する時間がないので、開示はもう少し待ってほしい」。

要するに、厚労省でさえ「新型コロナウイルスが存在すること」に自信を持ってなかったのです。

さらに言えば、間違ったコロナ政策、 「三密」 (密閉、密集、密接)回避のために、どれだけの病院・企業・小売店などが閉鎖や倒産に追い込まれたことでしょう。

その結果、どれだけの人が失業したり、失業を苦にして自殺したことでしょう。何度も言いますが、コロナウイルスよりもコロナ政策が人を殺しているのです。 その証拠に、 「コロナの死者よりも多い自殺者数に海外メディアが驚愕」と題する次の記事(Yahooニュース、2020-11-21)を見てください。

 

新型コロナよりも多く失われた命

10か月間よりも多くの日本の命が奪われる」と衝撃的な見出しが躍ったのは、CBS NEWSだ。

日本における自殺者の数が多いのは今に始まったことではない。というか、日々の「人身事故」などが当たり前になりすぎて、我々の感覚が麻痺しているという面もあるだろう。

しかし、そんな「自殺大国」でも、コロナショック下での自殺者数の増加は海外メディアにとって衝撃的だったようだ。

「新型コロナウイルス感染症そのものよりも、はるかに多くの日本人が自殺によって亡くなっている。これはパンデミックの経済、社会的影響が絡んでいると思われる。

全国の死者が2000人以下と、日本はコロナの流行に対して他国よりうまく対応した一方、警察庁の仮統計によれば10月だけで自殺者は2153人にも昇っている。これで上昇するのは4か月連続だ。

現在日本では、今年、自ら命を奪った人は1万7000人以上にも昇る。10月の自殺者数は例年より600人多く、女性の自殺は全体の約3割と80%以上も上昇している」。

特に注目したいのは、女性や子どもの自殺が増えているという点だ。

「主に育児を担ってきた女性は、パンデミックによる失業や不安の矢面に立たされている。また、彼女たちはよりDV被害(家庭内暴力)の危険性に晒されており、相談所によれば世界各国と同じく日本でも状況は悪化している。こちらも上昇している」。

コロナの疲弊でメンタルヘルスが悪化

新型コロナウイルスによる自殺者は世界中で増えているが、もとより高い自殺者に悩まされていた日本の現状は、まさに桁違いなのだ。

Bloombergも、 「日本の自殺者急増が、コロナによるメンタルヘルスの悪化を示す」と、この問題を取り上げている。暗澹とした気持ちにさせられるのは、 「一部の層」が特に被害を受けているという事実だ。

「政府の統計によると、8月の自殺件数は15.4%、1,854人に上昇した。なかでも、女性の自殺は約40%に跳ね上がっている。小~高校までの学生の自殺件数は59人と前年の倍以上となった」。

「経済的に、コロナウイルスは不釣合いに女性に影響している。小売りやサービス業など、より変則的な雇用についていることが多いからだ。昨今の日本の失業のうち、彼女たちは66%を占めている」。

また、親へのストレスが増していることで、子どもたちが発している「危険サイン」も見過ごされがちになっているという。同記事によれば、ここ数年、日本の自殺者数は低下傾向にあるものの、未成年の自殺件数はいまだ上昇し続けている。

病院・企業・小売店などが閉鎖や倒産に追い込まれて失業すれば、心が大きく落ち込みますし自殺者も増えます。逆に意味のないPCR検査をやめれば、いわゆる「感染者」も減ります。減るどころかゼロになるかも知れません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/468823530bb795058b5d12e78a29eb6889f409c1

ここで特に注目したいのは、 「小~高校までの学生の自殺件数は59人と前年の倍以上となった」という事実です。

というのは、例によって私の研究所の一員(高校教師)から、 「今年4月以降から夏休みまでに2人も自殺者が出た」というメールが届いたからです。

コロナ騒ぎで学校が休校になったり、授業が再開されても不規則だったり、「三密」回避のために友だちと自由に会話ができなかったことが、彼らを自殺に追い込んだのかも知れないと彼は語っていました。

以上はコロナ騒ぎが自殺を生み出した事例ですが、これが他殺を生み出した事例もあります。その事件を日経新聞(2020年4月24日)は次のように報じています。

 

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寺島隆吉 寺島隆吉

国際教育総合文化研究所所長、元岐阜大学教授

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