【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第66号:南西諸島軍事強化トピック(10月10日~10月16日)

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

◇中国「唯一の競争相手」 バイデン政権初の安保戦略(沖縄タイムス 2022.10.13)
◇台湾の現状変更認めず 政府 安保戦略に明記へ 「対中包囲網」政策も(沖縄タイムス 20.22.10.13)
◇米戦略「同盟が中核」対日要求 一層強化か(沖縄タイムス 2022.10.14)
◇戦争とメディア 価値観戦争が危険段階に 佐藤優のウチナー評論(琉球新報 2022.10.15)

米バイデン大統領が初の「国家安全保障戦略」を公表し、中ロとの対決姿勢を鮮明にした。特に中国に対しては「国際秩序を変える意図と経済力、軍事力、技術力を有する」「唯一の競争相手」と位置づける。「国際秩序を変える」とはつまり、中国を米国の世界覇権を奪い取る「脅威」とする見方であり、「唯一の競争相手」として「経済、軍事、技術」など全ての分野で中国を抑え込む国家戦略宣言だ。軍事・経済大国の中国抑止は米国単独では力不足で、バイデン大統領は日米同盟、「NATO」や日米豪印の「クアッド」にも言及し、「ビジョンを共有する全ての国家と関係を拡大」(日経新聞)するという。
中国を取り巻くあらゆる国を「中国包囲網」の戦列に動員しようという「中国敵視・排除」戦略にほかならない。トランプ政権以降、米国は「民主主義国家VS専制主義国家」の対立構図を煽り続けているが、世界の分断と対立を助長する考え方だ。
琉球新報「佐藤優のウチナー評論」は「価値観戦争が危険段階に」の見出しでウクライナ情勢の危機的な状況を報告している。「価値観戦争は敵をせん滅しない限り終わらない。ウクライナ戦争が第3次世界大戦に発展する危険性がある」と警告を発している。「西側陣営からするとこの戦争は民主主義VS独裁の戦いだが、ロシアからすると、正しいキリスト教VS悪魔崇拝の戦い」の様相を強めている、という。ウクライナの問題と米中の対決を同列に見るべきではないが、「民主主義国家VS専制主義国家」の価値観の色分けは世界を分断と危機に陥らせる可能性がある。バイデン政権が中国を「唯一の競争相手」とみなす世界政略に日本ほか各国が無批判に同調することが戦争の危機を高めている。
米「国家安全保障戦略」は「台湾海峡の平和と安定の維持」を強調し、「一方的な現状変更に反対し、台湾の独立を支持しない」(日経)と表明した。「台湾の現状変更認めず 政府 安保政策に明記へ」「『中国包囲網』政策も」(沖縄タイムス・共同配信)と日本政府は同調姿勢だ。安倍元首相の遺産である米国を盟主とする「自由で開かれたインド太平洋」構想、日米豪印「クアッド」など「対中包囲網」外交政策も新たに盛り込む方向」(同)という。米国が主導する「対中包囲」「中国排除」戦略一辺倒では戦争の危機と経済の国益を損なうことにならないか。
岸田首相は昨年9月の就任以降、習近平国家主席との対話は一度きりの電話会談だけという。この間日米の首脳、防衛、外相、NATOとの会談、合同軍事訓練は数限りなく対中の日米・NATO軍事同盟化の様相が色濃い。岸田首相は台湾有事を日本有事にしないために習国家主席に面談し「台湾は現状維持。独立も支持しない。武力侵攻することなく対話で解決を」と対話するべきだ。安倍首相のもう一つの遺産「安保法制」は「絶対にアメリカの戦争に巻き込まれることはない」と国民を騙した自衛隊の「自動参戦装置」と石井暁共同通信専任編集委員は指摘する。岸田首相は「台湾有事に関与する」と口走るバイデン大統領に「台湾有事に米軍は関与するな。日本を巻き込むな」と談判すべきだ。

◇沖縄対話プロジェクト発足に寄せて 意図せぬ戦争どう止める 中国・台湾と相互理解へ(沖縄タイムス 2022.10.14)
◇中国歌曲通し 平和友好発信 那覇で交流イベント(琉球新報 2022.10.15)
◇交流拡大で有事回避へ 台湾巡りプロジェクト 識者ら集会(沖縄タイムス 2022.10.16)
◇中国脅威論「地域を分断」 有識者警戒 対話の必要性強調(沖縄タイムス 2022.10.16)
◇「台湾有事」交流で止める 県内有識者ら プロジェクト発足(琉球新報 2022.10.16)

政府の対話なき対中軍拡路線で沖縄が戦場となる懸念が高まっている。内外の有識者が沖縄と台湾の「対話プロジェクト」をスタートさせた。那覇市では国交正常化50年を祝賀し「中国歌曲で平和友好発信」の民間イベントもあった。
対話プロジェクト共同代表の我部政明琉大名誉教授は沖縄タイムスへの寄稿で「台湾での戦争が日本の戦争となるのかは、誰からもその根拠は明らかにされないまま、不安だけが沖縄に人々の間で募っている」「誰も望まない戦争を避けるための市民の対話が、政府の対話を生むはずだ」と記した。
安倍元首相の「台湾有事は日本有事。日米同盟の有事だ」との無責任な発言が一人歩きし日米の南西諸島軍備強化、大規模な戦争準備予算が組まれつつある。南西諸島有事を想定する「避難シェルター」調査費も計上される。
戦争(有事)を仕掛けているのは中国ではなくアメリカではないのか。日本は思考停止のまま防衛強化に飲みこまれてはいないか。対話プロジェクトで岡田充共同通信客員論説委員は「米国が中国脅威論を煽る仕組まれた有事」の側面を指摘した。宮城弘岩氏は「米国や日本が仕掛けなければ有事は起こらない」と看破した。谷山博史日本国際ボランティアセンター前代表理事は、政府任せにしない民衆の国際対話による戦争の回避を提起した。会場からは中国やアセアンを含めた国際対話も提起された。
戦争の犠牲を被るのは国民だ。脅威論、抑止論で戦争準備に突き進む日米政府にストップをかけるのは政府任せにしない民衆の声だ。

10月10日(月)http://nomore-okinawasen.org/3164/
◇日中政府 動き鈍く 関係打開 見えず 正常化50周年で民間団体が集会  「首相は対米隷従」「友好こそ安全保障」(琉球新報 2022.10.10)
◇社説 10・10空襲から78年 危機回避へ外交努力を(沖縄タイムス 2022.10.10)
被害ゼロ「事実でない」 牧場汚染 西銘さん憤り 高江ヘリ炎上(沖縄タイムス  2022.10.10)
◇騒音90デジベル超 恒常化 ヘリパッド完成後激しく(琉球新報 2022.10.10)
◇大弦小弦 (沖縄タイムス 2022.10.10)
◇ミサイルや拉致 連携対応で一致 日マレーシア外相(沖縄タイムス 2022.10.10)

10月12日(水)http://nomore-okinawasen.org/3184/
◇論壇 構造的捨て石 沖縄、自動的に参戦者に(琉球新報 2022.10.12)
◇土地規制候補地に58ヶ所 政府提示 離島や自衛隊施設(沖縄タイムス 2022.10.12)
◇「沖縄の人 文法通りしゃべれない」ひろゆきさん発言 物議(2022.10.12)
◇ひろゆき氏、沖縄ヘイト きれいな日本語 話せない 識者「沖縄語奪い侮蔑」(沖縄タイムス 2022.10.12)

10月13日(木)http://nomore-okinawasen.org/3198/
◇「注視区域」尖閣も検討 土地利用法、政府言及(琉球新報 2022.10.13)
◇米中の対立回避模索 呉軍華氏(琉球新報 2022.10.13)
◇ひろゆき氏「座り込み」発言 本質触れずヘイト助長(沖縄タイムス 2022.10.13)
◇中国「唯一の競争相手」 バイデン政権初の安保戦略(沖縄タイムス 2022.10.13)
◇台湾の現状変更認めず 政府 安保戦略に明記へ 「対中包囲網」政策も(沖縄タイムス 20.22.10.13)

10月14日(金)http://nomore-okinawasen.org/category/prewar/
◇沖縄対話プロジェクト発足に寄せて 意図せぬ戦争どう止める 中国・台湾と相互理解へ(沖縄タイムス 2022.10.14)
◇米戦略「同盟が中核」対日要求 一層強化か(沖縄タイムス 2022.10.14)
◇日本への核攻撃 北朝鮮能力保有 防衛相分析(沖縄タイムス 2022.10.14)
◇「強い気持ち感じた」 東京・和光高校生 ゲート前を訪問(琉球新報 2022.10.14)
「主語2個」専門家否定 ひろゆき氏のしまくとぅばめぐる発言 差別 継承の妨げ懸念(沖縄タイムス 2022.10.14)
米軍機騒音 耐える生活 嘉手納基地近くの親子 自閉症の息子 ヘッドホン手放せず(沖縄タイムス 2022.10.14)
武力への多額な支出に反対(沖縄タイムス 2022.10.14)
10月15日(土)http://nomore-okinawasen.org/3229/
◇社説 忖度せず権力を監視する(琉球新報 2022.10.15)
◇中国歌曲通し 平和友好発信 那覇で交流イベント(琉球新報 2022.10.15)
◇戦争とメディア 価値観戦争が危険段階に 佐藤優のウチナー評論(琉球新報 2022.10.15)
◇北朝鮮 弾道弾を発射 韓国5年ぶり独自制裁(沖縄タイムス 2022.10.15)

10月16日(日)http://nomore-okinawasen.org/3247/
◇交流拡大で有事回避へ 台湾巡りプロジェクト 識者ら集会(沖縄タイムス 2022.10.16)
◇中国脅威論「地域を分断」 有識者警戒 対話の必要性強調(沖縄タイムス 2022.10.16)
◇「台湾有事」交流で止める 県内有識者ら プロジェクト発足(琉球新報 2022.10.16)
◇根拠なき主張 論点歪める 両論併記 悪用ヘイト 木村草太の憲法の新手(沖縄タイムス2022.10.16)
海兵隊あすから津波想定の訓練 21日まで住民も参加(沖縄タイムス 2022.10.16)
血中PFAS 最大14倍 基地周辺全国上回る 市民団体調査「目標値」超過27人 7地域387人対象(沖縄タイムス 2022.10.16)

文責:新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 発起人)

 

【ブックレット『また「沖縄が戦場になる」って本当ですか?』(500円)が発刊されました!!】

「南西諸島に攻撃拠点」「住民巻き添えの可能性」
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◆希望冊数を下記のメールアドレスまでご連絡ください。一冊500円です。
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★10冊以上ご購入の方は送料をこちらで負担いたします。
(連絡先)
info@nomore-okinawasen.org
(振込先)
【ゆうちょ銀行から振込される場合】
記号 17040 番号 01742091
名義 アラカキヒトミ
【ゆうちょ銀行以外の金融機関から振込される場合】
店名 七〇八(ナナゼロハチ)
店番 708
預金種目 普通預金
口座番号 0174209
名義 アラカキヒトミ

南西諸島軍事強化トピック(10月10日~10月16日)

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●ISF主催トーク茶話会:孫崎享さんを囲んでのトーク茶話会のご案内

●ISF主催公開シンポジウム:「9.11事件」の検証〜隠された不都合な真実を問う

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「ノーモア沖縄戦の会」は「沖縄の島々がふたたび戦場になることに反対する」一点で結集する県民運動の会です。県民の命、未来の子どもたちの命を守る思いに保守や革新の立場の違いはありません。政治信条や政党支持の垣根を越えて県民の幅広い結集を呼び掛けます。

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