【連載】新型コロナ騒動を検証する〜その存在証明から目的まで〜(高橋清隆)
『ニュースウオッチ9』公式ツイッターで最初に載った謝罪文

NHKワクチン隠し放送の裏側、ピラミッド組織内の抵抗か?

高橋清隆

NHK『ニュースウオッチ9』が15日、新型コロナワクチン被害者遺族の語りを「コロナ死」遺族にすり替えて放送した事件について17日、取材を受けたNPO「駆け込み寺2020」の鵜川和久代表に経緯を聞いた。青山雅幸弁護士を代理人にNHKと交渉中で、取材を受けた当初の意図が伝わる放送が改めてなされない場合は、放送倫理・番組向上機構(BPO)か裁判に訴えるとのこと。

5月16日の謝罪放送
この事件は鵜川氏が「駆け込み寺2020」本部で3人のワクチン被害者遺族とともに取材を受け、家族が亡くなった経緯や思い出などを語ったが、放送された番組ではコロナで亡くなった遺族と受け取られる内容になっていたもの。コロナに揺れた3年間を音楽と映像で振り返る1分5秒の放送で、「一体コロナって何だったのか」「5類になった途端にコロナが消えるわけではない。風化させることはしたくない」「遺族の声を届けていただきたい」との発言だけが切り取られて流された。

翌16日、同番組は最後に約1分間の謝罪放送をした。「ご遺族と紹介して3人のインタビューをお伝えしましたが、この方たちはワクチンを接種後に亡くなった方のご遺族でした」とおわびし、3人のアナウンサーが6秒間頭を下げた。『ニュースウオッチ9』公式ツイッターと同ホームページ上でも、「ワクチンが原因で亡くなったと訴えているご遺族の主張を伝えておらず、適切ではありませんでした」などと謝罪文を載せた。

『ニュースウオッチ9』公式ツイッターで最初に載った謝罪文

『ニュースウオッチ9』公式ツイッターで最初に載った謝罪文

 

ただし、謝罪動画はNHKのホームページやツイッター上に見当たらない。しかも、ツイッター上に当初あった本編動画は消えている。ツイッター上のおわび文は16日午前に掲載されたが、その後なくなり、1行長くなったものが再び掲載された。青山弁護士が削除を指摘すると瞬く間に拡散されたため、繕った可能性がある。

謝罪放送は、鵜川氏の苦情を受けたもの。番組終了直後の22時5分にディレクターから電話があり、「どうでしたか」と聞かれたので、「ちょっと待て。コロナで死んでいることに取れるじゃないか」と抗議し、もう1回やり直すよう求めた。すると「社を挙げて検討します」と答えたという。

16日、『ニュースウオッチ9』編集長と称する責任者から電話があり、鵜川氏は3点要望した。すなわち、①謝罪放送する②最低でも同じ時間を使い、意図を伝わるよう放送する③それができない場合、BPOか裁判に訴える――。鵜川氏によれば、責任者は難しそうな返答だった。

現在、青山氏が代理人として、この責任者と話し合っている。

巨大ピラミッド組織でディレクターは最大の抵抗?
メディアの廃棄を呼び掛けている筆者にしてみれば、テレビ局がビッグファーマ(巨大製薬企業)の肩を持つのは当たり前のことである。マスメディアは国際カルトが民衆をだますために発明したもの。本来の使命を終日、果たしているにすぎない。この番組も最初からコロナ脅威を維持するために計画されたに決まっている。

それが証拠に、「駆け込み寺」が記録用に撮ったインタビュー全編動画を見ると、「5類に移行した今、思うことは?」と冒頭に聞いている。それに対する返事が放送に使われた。続いて、「20年1月に国内で初感染が確認されて、翻弄された3年間だったと思うが、このまま忘れられてしまうことを許しちゃいけないという気がしますね」と向けた。これは明らかな誘導だが、遺族は賢明にも無言を貫いた。間が空いた質問者は行き詰まり、「故人さまのお話を聞かせてください」と次善の言葉を投げたように見える。

しかし、鵜川氏には疑念が残ると言う。撮影に来たディレクターは「この問題は絶対に伝えなきゃならない問題。必ず伝えていけるようにしたい」と意気込んだとのこと。綿密に打ち合わせした上、本編放送前も電話してきて「5秒延ばせることになった」「次回もやるので、それまでお待ちください」と告げられたという。「局内で戦ってくれていると感じた」と鵜川氏。記者もインタビューの最中、遺族の思い出話に涙を流していた。

筆者の理解では、ピラミッド組織内での外部への感情移入はよくあること。それでも、頂点の意思が末端業務に反映し、所期の目的を達するのがピラミッドの神髄である。記者やディレクターの一部が計画外の気持ちを抱いても、成果品が頂点の意思に沿っていれば、支配者にとって何の問題もない。小さなピラミッドは大きなピラミッドに組み込まれていて、最終的に国際カルトの采配の下にある。

意外だったのは、この事件を多のマスメディアが取り上げ始めたこと。朝日新聞読売新聞東京スポーツウェブ版がすでに報じている。朝日の記事を書いたのは鵜川氏の知人と聞く。他の媒体でも扱われたのは、この記事に触発されたのかもしれない。インターネットやSNS(会員制交流サイト)での反響もあった。だとすれば、NHKの誤算ということになる。

鵜川氏は話の最後、「ひょっとしての話だけど」と前置きして筆者に問うた。「この人(ディレクター)は炎上させるためにわざとやったんかなあ? 悪意を持ってやったようには見えないんだけど」。

筆者は「個人の気持ちがどうであれ、上の考えが出力に反映するのが組織」と通り一遍の返事をした。筆者が鵜川氏の問題提起を十分に理解していないことは、元国会議員秘書ユーチューバーの藤江成光氏との会話で気付いた。藤江氏は消えた『ニュースウオッチ9』のツイートを保存していたり、今回の事件を動画解説したりしている。彼が次の指摘をした。

「なぜ、コロナ死の遺族に取材をしなかったんだろう」

私ははっとした。新型コロナ(COVID-19)で死んだ人が本当にいるのかどうか分からないが、PCR検査陽性で亡くなったあるいは亡くなった後に陽性が出たため「コロナで死んだ」と思っている遺族なら難なく見つけられるはずだ。ディレクターは「炎上」を狙って意図的にワクチン被害者にアポを取った可能性があるという仮説だ。

「謝罪するくらいなら、最初からそんな放送すんなっつーの」

SNS上で多く見られたつぶやきだ。せいぜい矛盾する対応しか取れないのが、巨大ピラミッド組織の性質である。その中で、職員は最大の抵抗を示したのだろうか。

ディレクターの深謀遠慮かどうかは知る由もないが、「炎」が大きくなって国民が事実を知ることを願う。他媒体による拡散と訴訟の圧力が加わる中で、NHKの動向が注目される。

※なお、本記事は、「高橋清隆の文書館」(2023年05月17日)http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/からの転載であることをお断りします。

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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