【特集】新型コロナ&ワクチン問題の真実と背景

コロナワクチン開発者へのノーベル生理学・医学賞授与決定を巡る報道への疑問点

嶋崎史崇

10月2日、新型コロナワクチンを開発したカタリン・カリコ氏と、ドリュー・ワイスマン氏へのノーベル生理学・医学賞の授与が決まりました。

翌日の主要新聞6紙(朝日、読売、毎日、日経、産経、東京)の朝刊と夕刊に目を通しましたが、やはりほぼ礼賛一色です。4日付朝刊に出ている記事も、同じ方向でした。

3日付朝刊は、各紙ともジャニーズ事務所の会見とノーベル賞を抱き合わせにして、1面を構成したところがほとんどでした(日経はジャニーズを1面目次にのみ掲載)。

特にハンガリーからの移民で、”苦労人”であることは間違いないカタリン・カリコ氏の半生を振り返り、ワイスマン氏との大学のコピー機前での奇跡の出会い、といった紙面展開が典型的です。そして「ワクチンは何百万人もの命を救った」(The vaccines have saved millions of lives)というノーベル賞委員会の“公式見解”が執拗に繰り返され、いかなる超人的努力をもって2人がmRNA投与時の免疫反応を克服したか、といった“感動の物語”が語られます。日経3日付朝刊の「カリコ氏、人類救った ノーベル賞 国内研究者ら賛辞」はこうした報道の最たるものでしょう。読売3日付朝刊の「コロナから世界救った 医療現場 ワクチンに感謝」も同様の方向性です。このワクチンが登場した時にも、特に“英雄”カリコ博士、と言わんばかりの一方的な報道が氾濫したことを思い出しました。日本でのワクチン接種が始まった2021年には、彼女を「ワクチンの女神」とまで称えた、著名なジャーナリストによる書籍まで出たほどでしたが、その頃の熱狂がまた蘇ったかのようでした(増田ユリヤ『世界を救うmRNAワクチンの開発者 カタリン・カリコ』、ポプラ社、2021年10月、3頁)。

The Nobel Prize: Press Release:
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/2023/press-release/

そもそもの問題として、これまで数年がかりで行ってきた報道の方向性からそう簡単に脱却できない、といった経路依存があります。そのため、ノーベル賞授与決定の場合、報道がこのように一方的なものになることは、ある程度予想できました。あたかも戦時中であるかのように、普段は対立している右から左までの主要メディアの見解が見事に自発的に一致する時があります。そのような“翼賛報道”を目の当たりにした時こそ、私たちはその“統一見解”が本当に正しいのか、と強く警戒する必要がある、と私は考えています

もちろん、このワクチンを絶賛する専門家、有識者、現場の医師らが多いことから、一般メディアの報道姿勢が端的に”間違っている“とまではいえません。しかし、拙著『ウクライナ・コロナワクチン報道にみるメディア危機』(本の泉社、2023年6月)でも論じたように、人類を救うどころか、死亡を含む莫大な数の副反応疑いの有害事象が発生しています。肝心の効果も、「ワクチン有効率95%」は100人中95人に効くという意味からは程遠く、いわゆる公式見解に対しては、非常に強い疑問が突きつけられています。厚労省によるコロナワクチンデータ改竄疑惑も発覚し、2回接種者の方が未接種者よりもむしろ感染しやすくなっていることが示唆されています。世界各国が途中で接種をやめた後も、日本は3回目以降の追加接種に突き進み、2022年には未曾有の感染大爆発を経験したにもかかわらず、23年9月からは世界的にほとんど類例がない7回目接種まで断行されています。おりしも、コロナワクチンの救済認定の件数が、過去45年間の全てのワクチンの救済認定の件数を上回りました。大多数が厳密な「因果関係評価不能」として片づけられていますが、接種後死亡は異例の2000件を超えており、これですら氷山の一角とされています。免疫学者の荒川央博士の言う「史上最大の薬害スキャンダル」が現実のものになりつつあります。これだけの問題が出ているわけですから、繋ぐ会(コロナワクチン被害者遺族の会)、新型コロナワクチン後遺症患者の会、「子どもへのワクチン接種とワクチン後遺症を考える超党派議員連盟」、全国有志医師の会等、被害者や批判的な態度を取っている方々のコメントを取り、非常に激しい論争を呼ぶ授与決定である、という側面を一般メディアは知らせるべきだったのではないでしょうか。

サンテレビ:「【健康被害救済制度】新型コロナワクチン 過去45年間全てのワクチン被害認定数累計を超える~厚労省は『申請・認定件数の公表を控えるように』都道府県にメール~」2023年09月06日。https://sun-tv.co.jp/suntvnews/news/2023/09/06/71393/
コロナワクチンを巡る多数の疑惑の詳細については、次の拙稿を参照。

「思想としてのコロナワクチン禍試論(1) ―『半ポスト真実』とメディア批評の視点から」、
2023年5月6日(全4回の連載)。https://isfweb.org/post-20594/

実際に、コロナワクチンの薬害問題に粘り強く取り組んできた東海地方のテレビ局CBCは、京都大学名誉教授の福島雅典医師による次のような貴重な批判的なコメントを取ってきています。「技術自体は委員会が評価したんだから、それなりのものはあると思います。だけど、これはワクチンとしていえるものではないと思う。これだけ多くの被害が出ていて、ノーベル賞を取ったからといって被害をなかったことにするわけにはいかない」。現状の一般メディアによる報道姿勢は、ノーベル賞受賞決定を最大の好機として、正に不都合なことをできるだけ「なかったこと」、または見なかったことにして、いわば逃げ切りを図ろうとしているとみなされても仕方がないように思われます。

CBC:「『ノーベル賞を取っても被害をなかったことにするわけにはいかない』コロナワクチンの問題指摘する専門家に聞いた」、2023年10月3日。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/757044?display=1

ちなみに福島名誉教授は、他の学者らと共に、9月にもジャニーズ事務所の記者会見と同日に「ワクチン問題研究会」の設立に関する重大な会見を行いました。ウェブメディアIWJは、「殺人」「虐殺」といった衝撃的な言葉が飛び交った会見の内容を、詳しく伝えています。IWJ以外に取材したのは河北新報とCBCくらいだったと報告されており、一般メディアがコロナワクチンの負の側面に対していまだに無関心であることがわかります。本来であれば、そもそも「正」の側面はあったのか、といった根本的問いを立てる必要があるでしょう。

「【IWJ号外】ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典医師、核酸医薬(mRNAワクチン)なるまったく不完全な、薬でもないものをばらまいて!『殺人』ですよ!『虐殺が起きた』と言ってもいい」、2023年9月8日(全3回の連載)。
https://iwj.co.jp/wj/member/archives/518401

各紙を細かく読んでみると、例えば東京新聞の10月3日付社説「命救う研究たたえたい」のように、「長期的な人体への影響はこれから慎重に検討されなくてはならない」、といった指摘も見出されます。これは大変もっともですが、新型コロナに限らず「RNAを体内に取り入れて病気の予防や治療に使うという新しい医学の分野をも開いた」ことを礼賛しているのは、やはり遺伝子操作技術の恐ろしさを甘くみているのではないでしょうか。実際に原発事故の被災地の一つである福島県南相馬市では、mRNAワクチン工場が建設され、コロナ以外の病気へのmRNA技術の応用が視野に入ってきています。薬害も際限なく続く恐れがある、ということです。しかも2023年になってからは、コロナワクチンにDNAが問題になり得る分量で混入している、という重大な疑惑が持ち上がり、各国で検証が進んでいます。いまだにワクチン推進派によりあり得ないと主張されている、DNAのゲノムへの取り込みによるゲノムの改変が理論上起こり得ることを意味し、日本では荒川央博士らがこの疑惑の解明に取り組んでいます。非常に重大な疑惑ですが、“情報鎖国”たる日本では、一般メディアがほぼ取り上げないことにより、大多数の人が知らないまま接種が続く、という状況です。

アクセリード:「アクセリード設立の合弁会社アルカリスがmRNA医薬品製造工場を福島県南相馬市に建設することを決定」、2021年5月7日。https://www.axcelead-hd.com/485/

DNA混入疑惑については、荒川央氏のnote記事の中で、2023年4月以降のものを参照:https://note.com/hiroshi_arakawa

ノーベル生理学・医学賞には、大村智博士の開発したイベルメクチン(2015年)のように、長い時間をかけて効果が実証された研究への授与など、成功例も確かにあるように思われます―WHOや主要メディアは、新型コロナへのイベルメクチンの効果を決して認めようとしませんでしたが。けれども、過去にDDT(スイスのパウル・ヘルマン ミュラー、1948年)やロボトミー(ポルトガルのエガス・モニス、1949年)など、後にその弊害が強く批判された発明に授与してしまった暗い歴史もあります。
Nobel Prize Organisation:The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1948
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/1948/summary/

Egas Moniz Facts
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/1949/moniz/facts/

世界規模のコロナワクチン接種の“立役者”となったWHOのテドロス事務局長は、早速「「効果的な新型コロナウイルスワクチンの開発を可能にした。科学への献身を通じ、命を救うことに貢献した」と今回の受賞を祝った、と伝えられています。WHOは上述のイベルメクチンや自然免疫強化など、他の有力な対策可能性を排除し、“There Is No Alternative”と言わんばかりの新自由主義的なワクチン一辺倒の方針を取ってきましたが、それに対しては疑問も寄せられています。2023年9月には、“There’s a Better Way”という標語を掲げ、「人権と自由意志を守り、人々が自分の健康と幸福をコントロールできるようにすることに取り組」むことを目標とし、WHOに対抗する医療組織The World Council For Healthの日本支部が立ち上がりました。日本支部会長は、栄養療法をコロナ対策にも生かしてきた柳澤厚生医師であり、ISFでもおなじみの原口一博衆院議員も、アドバイザーとして名前を連ねています。

時事通信:「コロナワクチン貢献を称賛 WHO事務局長」、2023年10月2日。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023100201099&g=int

WCH日本支部:https://wch-japan.org/

ISF筆者の塩原俊彦氏は新著に関する連載で、原発「汚染水」の問題に即して、IAEAが「科学の政治化」に加担していると論じています。ノーベル賞もまた、公的・私的な権力者らが推進する研究の正当化・権威付けに利用される場合がある、と冷徹な視線で見る必要があると私は思います。
塩原俊彦:「『知られざる地政学』連載(2) マスメディアの罠と「科学の政治化」に気をつけて(下)」、2023年9月9日。https://isfweb.org/post-27143/

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※コロナ&ワクチン問題関連の注目サイトのご紹介です。
https://isfweb.org/recommended/page-2168/

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嶋崎史崇 嶋崎史崇

しまざき・ふみたか 1984年生まれ。MLA+研究所研究員。東京大学文学部卒、同大学院人文社会系研究科修士課程(哲学専門分野)修了。ISF独立言論フォーラム会員。著書に『ウクライナ・ コロナワクチン報道にみるメディア危機』(本の泉社、2023年6月)。記事内容は全て私個人の見解。主な論文は、以下を参照。https://researchmap.jp/fshimazaki 記事へのご意見、ご感想は、以下までお寄せください。 mla-fshimazaki@alumni.u-tokyo.ac.jp

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