【連載】植草一秀の「知られざる真実」

【連載】知られざる真実/ 2024年4月 8日 (月) 川勝知事総攻撃の醜悪な顔ぶれ

植草一秀

かねてより指摘していることだが、静岡県の川勝平太知事に対する激しい攻撃には大きな背景がある。

川勝知事が問題発言をしたことは事実だが、問題発言をする政治家は枚挙に暇がない。

最近の事例では川勝知事の発言とともに大阪府の吉村洋文知事の発言に対する批判が指摘された。

本ブログ、メルマガで取り上げたが、吉村知事は3月23日に茨木市で開かれた日本維新の会の会合で

「いま、批判しているね、名前は言いませんけど『(羽鳥慎一)モーニングショー』の玉川とかね。

いま、批判するのはいいけど、入れさせんとこうと思って」

「『入れさせてくれ』『見たい』といっても、もう、モーニングショーは禁止。

玉川徹は禁止と、言うたろうかなと思う」

と発言した。

吉村知事は『モーニングショー』に出演する玉川徹氏が2025年大阪・関西万博について批判的なコメントをしているとして、玉川徹氏と、同氏が出演する番組名を名指しして、同氏を大阪・関西万博に「出禁」にしようかと思うとの発言を示した。

吉村氏は「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」の理事・副会長の職位にある。

大阪・関西万博主宰団体の最高責任者の一人。

巨額の公金が投入されている万博事業の最高責任者が万博に対する批判をしたという理由で出禁にすると発言したわけだ。

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問題発言の悪質さをランク付けすることは簡単ではないが、吉村知事の発言も重大であることは間違いない。

権力の濫用そのものである。

ところが、マスメディア情報空間では川勝知事批判と吉村知事批判に比較にならない落差が生じている。

この事実こそ重要だ。

維新は政権与党シンパ。

したがって、マスメディアは攻撃しない。

これに対して、川勝知事はリニア建設と戦ってきた。

メディアは川勝知事を攻撃するが、川勝氏は静岡県において県民の圧倒的支持を受けて知事に選出され続けてきた。

川勝知事批判は静岡県民批判という側面を有する。

何よりも重要な問題はリニア新幹線建設の是非だ。

リニア新幹線建設に対して広範な反対論が存在する。

JR東海を私物化してきたと言って過言でない葛西敬之氏と安倍晋三氏が極めて近い関係にあったことが背景で、財政投融資資金3兆円がリニア新幹線建設に投下されている。

政治との癒着がない限り、あり得ない話。

そのリニア新幹線の建設に強い反対論が存在する。

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いま、安倍政権と癒着してきた人物が声をそろえて川勝知事批判を展開していることが極めて興味深い。

このタイミングで川勝知事批判を声高に展開している人物のリストを作成しておくべきだ。

安倍政権癒着人脈図がたちどころに完成する。

メディア情報をこのように活用することが大切だ。

発言者の多くが「背景を持って」発言している。

良識と見識を持って純粋に専門的見地から発言する発言者は極めて少ないのが日本の言論空間の特徴。

とりわけ、マスメディアは権力と癒着しているから、権力と癒着する発言者の発言を大きく取り上げる。

その点に注意を払わぬ市民はマスメディアの情報操作の餌食になってしまう。

リニア新幹線は採算に合わない可能性が極めて高い。

コンコルドと同じ。

コンコルドも採算に合わないことが判明していたが、動き出したプロジェクトを止めることができず、民間飛行が開始されたが、いくばくもなく廃止された。

リニア新幹線は莫大な電力を消費する。

リニア建設は東京電力柏崎刈羽原発再稼働と表裏の関係にあると見られている。

トンネルが8割を占めるリニア新幹線。

巨大地震発生の際に壊滅的な事故を引き起こすだろう。

川勝知事が退場することになったが、次の知事に誰が就任するかは未確定。

リニア建設反対を明示する候補者の当選に全力を挙げる必要がある。

植草一秀の『知られざる真実』2024年4月 8日 (月) 川勝知事総攻撃の醜悪な顔ぶれ
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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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