【連載】植草一秀の「知られざる真実」

【連載】知られざる真実/ 2024年4月12日 (金) 小池知事学歴の「真実はいつもひとつ」

植草一秀

静岡県の川勝平太知事、大阪府の吉村洋文知事、東京都の小池百合子知事。

メディアは川勝平太知事だけを集中攻撃。

吉村知事を攻撃する記事をほとんど目にしない。

小池知事を攻撃する記事も目につかない。

誰が一番悪いか。

日本の主権者はメディアの情報に惑わされずによく考えるべきだ。

吉村知事は3月23日に茨木市で開かれた日本維新の会の会合で

「いま、批判しているね、名前は言いませんけど『(羽鳥慎一)モーニングショー』の玉川とかね。

いま、批判するのはいいけど、入れさせんとこうと思って」

「『入れさせてくれ』『見たい』といっても、もう、モーニングショーは禁止。

玉川徹は禁止と、言うたろうかなと思う」

と発言。

吉村知事は『モーニングショー』に出演する玉川徹氏が2025年大阪・関西万博について批判的なコメントをしているとして、玉川徹氏と、同氏が出演する番組名を名指しして、同氏を大阪・関西万博に「出禁」にしようかと思うとの発言を示した。

吉村氏は「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」の理事・副会長の職位にある。

大阪・関西万博主宰団体の最高責任者の一人。

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巨額の公金が投入されている万博事業の最高責任者が万博に対する批判をしたという理由で出禁にすると発言したわけだ。

これ以上の「政治の私物化」はない。

吉村氏は4月10日になってようやく発言の撤回と謝罪をした。

10日の会見で

「いくら政治集会の場であっても僕が言いすぎた。僕が間違っていた。撤回して、玉川さんに謝罪します。」

と述べた。

しかし、「(発言の)意図は変わっていない」とも述べた。

在野のジャーナリストの発言に対して実名を挙げて、権限を有する万博に入れさせないと述べた行為は憲法が保障する言論の自由を侵害する行為であり、出禁発言は公権力の濫用そのものである。

吉村氏に対してメディアが辞任を求めないことは川勝氏に対する対応と比較してあまりにも不自然。

他方、東京都の小池百合子知事には重大な公選法違反の疑いが向けられている。

疑惑を告発したのは小池氏の元側近である小島敏郎氏。

小島氏は環境庁高官を経て小池氏側近として活動した。

弁護士としても活動しており、2009年からは青山学院大学教授を務めてきた。

2020年にエジプト大使館がフェイスブックにカイロ大学声明を公表。

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小池百合子氏がカイロ大学を卒業したと公表したが、その文書を作成し、エジプト大使館フェイスブックに掲載する行為を主導したのが小池氏と関係者であった事実を暴露した。

本当にカイロ大学を卒業しているなら卒業証明書を取り寄せて公表すれば済むこと。

小島氏は小池氏にそう提言したが、小池氏はこの助言には従わなかった。

2020年6月9日午後4時に、小池氏の学歴詐称疑惑を追及する記者会見が予定されていた。

弁護士の郷原信郎氏とジャーナリストの黒木亮氏による外国特派員協会での会見だ。

小島氏が小池氏から呼び出されて相談に応じたのは6月6日の夕刻。

6月7日朝に小池氏からどのようにすればよいのかを尋ねるメールが届いたが小島氏は保留した。

ところが、2日後の6月9日、駐日エジプト大使館のフェイスブックにカイロ大学の声明が掲載された。

小池氏の卒業を認める文書だった。

小島氏はあまりの手回しの早さに驚いたそうだが、のちに判明したのは、エジプト大使館フェイスブックへの声明掲載を主導したのが小池知事、現千代田区長の樋口高顕氏、ジャーナリストA氏であったということ。

のちに小島氏がA氏から詳細な経緯を聞いた。

その詳細を小島氏が告発した。

焦点は経歴詐称という公選法に抵触する重大問題。

小池氏サイドはエジプト大使館フェイスブックに掲載された声明を盾に経歴詐称でないと主張すると見られるが、重要なのは真実。

「真実はいつもひとつ」

小池氏が最大の窮地に追い込まれつつある。

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植草一秀 植草一秀

植草一秀(うえくさ かずひで) 1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ株式会社代表取締役、ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)運営委員。事実無根の冤罪事案による人物破壊工作にひるむことなく言論活動を継続。 経済金融情勢分析情報誌刊行業務の傍ら「誰もが笑顔で生きてゆける社会」を実現する『ガーベラ革命』を提唱。人気政治ブログ&メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」を発行。1998年日本経済新聞社アナリストランキング・エコノミスト部門1位。『現代日本経済政策論』(岩波書店、石橋湛山賞受賞)、『日本の独立』(飛鳥新社)、『アベノリスク』(講談社)、『国家はいつも嘘をつく』(祥伝社新書)、『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)、『低金利時代、低迷経済を打破する最強資金運用術』(コスミック出版)、『出る杭の世直し白書』(共著、ビジネス社)、『日本経済の黒い霧』(ビジネス社)、『千載一遇の金融大波乱』(ビジネス社、2023年1月刊)など著書多数。 スリーネーションズリサーチ株式会社 http://www.uekusa-tri.co.jp/index.html メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」 http://foomii.com/00050

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