【連載】安斎育郎のウクライナ情報

4月20日のウクライナ情報

安斎育郎

みなさん、おはようございます。昨日は福島に行っていた間の誕生日祝いの手紙や『ウクライナ戦争論』の注文に応えて、絵手紙を12~3通ほど書き、150冊ほどの『ウクライナ戦争論』を郵便局に持ち込みました。お一人(京都のお医者さん)からは100冊の注文があって、荷造りしたはいいものの重さが約30kg、パートナーと協力して運びました。

さて、4月20日のウクライナ情報ですが、❶ ウクライナ支援に賛成票を投じた議員はウクライナ軍への参加が義務づけられる-米上院議員による法案修正案(2024年4月19日)、❷ ゼレンスキー:ウクライナの熱エネルギーはほとんどすべて破壊された(2024年4月19日)、❸ウクライナのクレバ外相、米国の援助なしにはキエフにプランBはないと発言(2024年4月19日)、❹年末までに戦争に負ける – CIA長官バーンズ(2024年4月19日)、❺ウクライナ、やはり主人に噛み付いてきた(2024年4月19日)、❻モスクワに「誘拐」されたウクライナの子供たちがドイツで発見される(2024年4月18日)、❼共和党はウクライナ人に対し、重要機密情報を提出するよう促すビデオを使った攻撃的なツイッター広告を開始した(2024年4月19日)、❽ウクライナ兵3人が、ドニエプル川を泳いで渡り降伏(2024年4月19日)、❾アゾフJr. の最期(2024年4月19日)、❿英国の保険会社、ノルドストリーム社への支払いを拒否、爆発は「政府」の支援によるものだから(2024年4月18日)、です。

さて、『ウクライナ戦争論』を書いた私は、ある筋からは「ロシアの先棒を担ぐ知識人」と分類されているようですが、私は自分の調査結果に基づいて確信をもって論を展開しているので、そういう分類には一切興味がありません。『ウクライナ戦争論』は読んで頂いた人にはおおむね好評で、「学習会をやるので10冊送って欲しい」と送り先に小さな輪が出来ているようですが、中にはどうしても読んで頂けない人々もいます。邪悪なプーチン、英雄ゼレンスキーという見方に固まっている人には、本書は「危険な書物」のようです。だから読みたくない人、読んで知らない事実を知るのが怖い人は結局読まないでしょうね。シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授が2022年の開戦直後に、ウクライナ戦争の原因を作ったのはアメリカ、勝つのは「大義のある」ロシア、負けるのは翻弄されるウクライナ国民と喝破していましたが、「大義のある」は、「アメリカ主導のNATOの東方拡大」と「ウクライナの極右民族主義者に毒された政権による東部ロシア語話者への軍事弾圧」から「ロシアの安全」と「ロシア語話者の安全」を守るという「大義」のことで、アメリカ側では軍需産業とエネルギー産業のボロ儲けがこの戦争の「やりがい」です。ロシアを戦争に引きずり込み、NATO諸国の経済制裁でロシアの国力を疲弊させる目的な達せられなかったようですし、アメリカの戦略に「駒」として使われたウクライナ国民こそとんだ迷惑です。アメリカ帝国主義は残酷です。これを批判するっことなく、「反ロシア・ウクライナ支援」一辺倒に固まってしまった人々は、いつ目覚めるのでしょうか?

さて、今日は残りが100冊台になった『ウクライナ戦争論』の改訂第10版を作るかどうか、検討します。それに、6月~7月に伝言館でやる「安齋喜美江と仲間たちのパッチワーク・キルト展」の構想の具体化を進め、4月26日からパートナーと一緒に行く福島行きの準備も進めましょう。

皆さん、今日も元気で!

あんざい

4月20日ウクライナ情報の拡大とダウンロードはこちら

 

※ウクライナ問題関連の注目サイトのご紹介です。
https://isfweb.org/recommended/page-4879/

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安斎育郎 安斎育郎

1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。

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