【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
ノーモア沖縄戦

メールマガジン第173号:「沖縄を再び戦場にさせない」 県民大集会までの険しい道のり

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

 

戦争が廊下の奥に立っていた

1939年に詠まれた俳句だ。その2年前盧溝橋事変が起き、日中戦争が本格化していく時代だ。いまの沖縄の島々の状況は、戦争が「廊下の奥」どころか、ズカズカと玄関から入り、居間まで来た感がする。しかも、やーにんじゅ(家人)に断りもなく、土足でだ。

去年12月「安保3文書」閣議決定され、安倍・菅政権が着々と進めてきた「戦争ができる国」から、岸田政権は「戦争する国」へと大きく舵を切った。奄美諸島から沖縄島、宮古、八重山、与那国の島々で、自衛隊の「敵基地攻撃能力」を持ったミサイル基地や弾薬庫が次々とつくられている。これまで基地のなかった北大東島にも、空自のレーダー基地計画が進められている。「入口は小さくして後からどんどん大きくする」、まさに与那国島の二の舞いだ。

島々で高まる「ここが戦場にされる」の声を受け、安保3文書発表5日後にして、ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会が呼びかけ、「戦争に反対する全県組織立ち上げのための準備委員会」が開催された。それから会を重ね、今年2月「沖縄を戦場にするな!2.26緊急集会」を県庁前広場で開催、短い準備期間にしては約1600人が参加した。

さらに5月には「5.21平和集会」を北谷町公園で開催、ミニコンサート、リレートークの他、うるま市のミサイル展のブースやキッチンカーも出て、若者や家族連れも目立ち、約2200人が集まった。この時点で呼びかけ団体・個人は当初の14から100になっていた。

会の立ち上げから関わってきた身としては、これまでの道のりは山あり、谷あり、ときに崖崩れありで険しかったというのが正直な思いだ。まず組織づくりの問題。既存の動員力のある団体は、定款で行動範囲が定まっていて、会を主導することが困難ということで、手づくりで新しい組織をつくるしかなかった。

また、当初から会に参加してきた若い世代から、「〇〇反対」の言葉には拒否感がある。若者に人気のあるルードアルファの『うむい』の歌詞にある「争うよりも愛しなさい」をキャチコピーにしたらと提案があった。それに対し、シニア世代から「いま戦争の危機があるのに何を悠長なことを」とか「善良な隣人ではありえない日米両軍を愛せるのか」などの反論があり、あわや分断の一歩手前まで来た。喧々諤々の議論の末、これまで参加の少なかった若い世代に窓口を広げようと、キャッチコピーに決まった。

私も使いなれない「愛」という言葉には違和感があったので、少しむぬかんげー(物考え)してみた。去年の慰霊の日にルードアルファさんの『うむい』を目の前で聴いたことがある。沖縄戦で父を亡くした彼のおばあが涙ながらに孫に語った「争うよりも愛しなさい」には、二度と沖縄を戦場にさせないという「うちなーんちゅのうむい」が込められていた。万が一戦争になったら、まっ先に戦場に狩り出されるのは、戦争体験者でも、「戦争知らない子どもたち」世代でもなく、いまの若い世代であり、彼らの子どもたちだ。

9月24日の「沖縄を戦場にさせない県民の会設立・キックオフ集会」が800人の参加を集め成功をおさめた。これを大きなバネとし、ホップ、ステップと跳んでジャンプの「11.23県民大集会」を成功させるためには、「小異を捨てずに大同につく」の覚悟で、ちむぐくる(肝心)あーちちばらなやーさい。

具志堅正己(監視社会ならん!市民ネット沖縄会員)

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