【特集】ウクライナ危機の本質と背景

アゾフスタルのネオナチ戦闘員は犯罪者として訴追されることになる

ルーカス・レイロス・デ・アルメイダ(Lucas Leiroz de Almeida)

最近、ウクライナでの特別軍事作戦に参加したロシア軍は、アゾフスタルの工場の全領域を完全に支配し、この地域をネオナチ過激派と外国人傭兵の占領から解放した。この敗北により、多くの親キエフ戦闘員は降伏を余儀なくされ、武器を捨て、ロシア軍とドンバス民兵の監視下に入った。

それ以来、こうした戦闘員を軍の捕虜として扱うのか、それとも人道法の規範から除外して義勇兵として扱うのか、ロシアの判断はどうなるのかという議論が噴出している。しかし、モスクワは最近、その立場を明確にした。

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は「ロシア政府は戦闘員の戦争犯罪への関与を調査する立場に立つ」と述べた。ドンバスの当局が以前、同地域で虐殺を行ったネオナチ過激派を起訴する国際法廷の設置を要請したのを受け、違法行為への関与の証拠が見つかれば、この地域で虐殺に手を染めた囚人たちは犯罪者として裁判にかけられることになる。

「犯罪が罰せらずにすむことは無い。ドネツク人民共和国の指導者は、アゾフスタルの民族主義者を裁く国際法廷を共和国領内に創設することを計画している。現在、その憲章が作成されているところである。我々はこの措置を歓迎する」とザハロワ報道官は述べた。

・欧米の法廷に対する不評

以前、ドネツク共和国の元首であるデニス・プシーリンは、ネオナチのエージェントによって犯された容認できない犯罪を世界に明らかにすることを主な目的として裁判所が設立され、そのために広報活動が盛んに行われるだろう、と述べていた。

「法廷の主な任務は最大限周知されることであり、そのために可能な限り透明性を保たねばならない。できるだけ多くの人々がネオナチの容認できない戦争犯罪を知ることが非常に重要だ」と語った。裁判所の憲章は現在、DPR司法長官やロシアの法律顧問を含む様々な政府部門の特別委員会によって作成されている。

ウクライナの紛争はロシアの作戦が始まった2月24日ではなく、2014年にキエフが東部でロシア語を話す民間人に対して最初の攻撃を開始した時に始まったことに気付くことが重要である。

従って、過去8年間に戦闘員が犯した犯罪が調査されることになる。もし民間地域への爆撃、無辜の民衆の虐殺、拷問、集団的性暴力、及びすでに地方当局に報告されているその他の犯罪に加担した証拠が見つかった場合、彼らの運命は新しい国際裁判所での裁判中に決定されることになる。

予想通り、欧米ではこのニュースの反響は芳しくなく、親キエフの報道機関が囚人たちを擁護する偽りの人道主義的立場を採っている。 5月の最後の週に、ウクライナの戦闘員たちの親戚が降伏後のニュースを待っていると述べる新聞記事がいくつかあり、それらは裁判後に彼らの「愛する人」の運命を心配している「ウクライナの家族のドラマ」を伝えていた。

疑いなく武力紛争のあらゆる状況では家族のドラマがあり、戦闘員たちの親戚たちが最も苦しむのだが、このタイプのアプローチは、戦争犯罪に関与した人々に対して何をする必要があるかを評価する上で十分ではない。

・裁かれるのはナチスと戦争犯罪者

なぜこうしたドラマティックで、偽りの人道主義アプローチに焦点が当てられている理由を理解するのは簡単だ。欧米はロシアとドンバス共和国が共同で、戦争犯罪を告発されたネオナチ戦闘員を裁く国際法廷を設置すると決定したことに反対するもっともらしい議論がないのだ。これは、虐殺の責任を負っている戦闘員が敵側の手に渡った後、あらゆる他の紛争状況で起きることである。

ロシアの態度はより急進的で、すべての囚人を裁判にかけることもできるが、ネオナチや戦争犯罪者のみが選別され、犯罪に関与していないウクライナ軍は国際人道法で振り分けられ、保護される。これらの条件は全ての側にとって実際に有利であって、「家族のドラマ」のレトリックを除き、これに反対する議論はない。

5月28日、ドイツのオラフ・ショルツ首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領のは電話会談で、ロシア政府との交渉を直接進めようとし、とりわけロシアのウラジーミル・プーチン大統領に「(欧米メディアが呼ぶ)アゾフスタリの防衛隊」ら2500人を釈放する命令を出すことを求めた。

ロシアのプーチン大統領は、フランスとドイツの指導者による他の要求に対しては関心を払ったが、数日前に報道官のザハロワが発表した決定に反するような決定は約束せず、ドネツク人民共和国によって準備された法廷に囚人の裁判の責任を委任した。

現在のシナリオを考えると、西側ができる最良のことは、法廷で確立される規則の公正な遵守を確実にするためのオブザーバーの派遣交渉だ。国際法によれば、準軍組織の戦闘員たちを人道主義の規範で保護することはできないため、キエフが要求できることは何もない。

(翻訳:東江日出郎)

Global Research 提供。

原題:”Azovstal’s Neo-Nazi Fighters Will be Prosecuted as Criminals ”.

ルーカス・レイロス・デ・アルメイダ(Lucas Leiroz de Almeida) ルーカス・レイロス・デ・アルメイダ(Lucas Leiroz de Almeida)

ブラジルの国際問題評論家で、Global Research等に多数寄稿。

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