【特集】沖縄PFAS問題

基地の街に住むということ―沖縄県宜野湾市・PFAS問題

仲松典子

 

米軍基地と隣り合わせの生活の厄介さは住んでみなければ解るまい。

自分の住む宜野湾市はど真ん中に普天間基地がある。昼夜を問わない爆音は、時として深夜、早朝にも住民を襲う。夜の11時、オスプレイが我が家の上を低空飛行したときの爆音と振動は、もはや墜落かと思う程の恐怖だった。

60余年前の宮森小学校ジェット機墜落事故以来も、宜野湾市内の大学に落ち、小学校の校庭や保育園の屋根に部品を落としながら米軍機は未だに飛んでいる。不条理なことでも長く続くとそれが当たり前になる。県外に初めて遊びに行った小学生が「なんで夜が静かなの?」と聞いたそうだ。

U.S. Air Force installation sign on chain link fence.

 

・PFAS汚染、原子炉廃棄物並みの難問か

最近、更にPFAS汚染という不条理が加わった。いや、注目されたのが最近だというに過ぎない。PFASとは難分解性の有機フッ素化合物の総称で、「永遠の化学物質」と呼ばれるほど永く自然界に残留し、その中のPFOSとPFOAは国際条約で使用・製造が禁じられている。発癌性、低体重出生、発達障害、生殖ホルモン異常、免疫不全、甲状腺疾患等々の報告があり、特に胎児・子どもへの影響が大きいとの指摘があることは恐ろしい。沖縄は低体重児出生率が全国一という。(資料:*「永遠の化学物質・水のPFAS汚染」岩波ブックレット*「低体重出生の要因分析と保健指導」(平成29年3月沖縄県保健医療部健康長寿課)

嘉手納基地由来(と推測される)PFAS が入り込む比謝川や嘉手納井戸群は、宜野湾市を含む県内7市町村、約45万人を対象とする北谷浄水場の水源となる。活性炭でPFOS やPFOAはある程度吸着されるが、5000種とも言われるPFASの全てが除去できるわけではない。また、吸着した汚泥の安全な処理方法も不明である。原子炉廃棄物並みの難問か。

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仲松典子 仲松典子

山形県出身。高校まで沖縄の「お」の字も考えたことがなかった。 大学時代、「復帰」に揺れる「沖縄問題」と、うちなんちゅの現夫に遭遇。 1988年沖縄に移住、宜野湾在住34年。 引っ越し翌日、米軍機に頭上スレスレを襲われ(という実感)、 以来、怒りとともに「なぜ?」という疑問を追及せずにはいられず、今日に至る。

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