
3月12日のウクライナ情報
国際3月12日のウクライナ情報
安斎育郎
❶ 米、ロシアが和平合意ならエネルギー部門への制裁緩和も検討=情報筋(2025年3月9日)
[7日 ロイター]米政府は、ロシアがウクライナ紛争の終結に合意した場合に迅速な措置を講じられるよう、ロシアのエネルギー部門に対する制裁を緩和する方法を検討している。関係筋2人が明らかにした。ホワイトハウスは財務省に対し、エネルギー制裁緩和の選択肢を検討するよう要請したという。
ロイターは3日、米国がロシアのオリガルヒ(新興財閥)を含む特定の団体や個人に対する制裁解除の提案を策定していると報じていた。ただ、ロシアの巨大な石油・ガス産業が含まれるかどうかは不明だった。
ロシアは世界有数の産油国。米国はロシアの石油産業を制裁の対象とし、その輸出価格を1バレル=60ドルに制限する多国間努力を主導することで、ロシアの戦争資金を枯渇させようとしてきた。
紛争終結に向け、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領の会談が計画されている。
情報筋は、この取り組みにより、和平合意が成立した場合に米国は速やかに制裁を緩和できるようになると説明した。ただ、ロシアの譲歩なしに緩和するわけではないとも明言した。
財務省は、産油国としてのロシアが完全復活することで世界の原油価格がどのような影響を受けるか、欧州市場がロシアから米国の供給へとシフトしている取引の構図にどのような変化があるかについても分析している。
国家安全保障会議(NSC)と財務省はコメントの要請に応じなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e4c6d8c47bb1f35c92f548ff39f80fb25d70cfa3/images/000
❷トランプ大統領 ロシアに“大規模制裁”検討も…効果は限定的?(テレ朝ニュース、2025年3月9日)
トランプ大統領は7日、ロシアへの大規模な制裁を検討していると明らかにしました。一方で、和平合意に向けては、「ウクライナよりロシアと交渉する方が簡単かもしれない」との発言も。(3月8日OA「サタデーステーション」)
■マスク氏とルビオ氏が衝突?
7日、トランプ大統領がある報道の火消しに走る一幕がありました。
米トランプ大統領(7日)
「衝突などない。私はその場にいた」
6日の閣僚会議で、「政府効率化省」を率いるイーロン・マスク氏がルビオ国務長官に対し、「職員を誰も解雇していない」と批判、激しい口論になったとアメリカメディアが伝えました。
米トランプ大統領(7日)
「イーロン(・マスク氏)はマルコ(・ルビオ国務長官)ととても仲が良く、2人とも良い仕事をしている。衝突などない」
2人の仕事ぶりを評価し確執を否定しました。
■「ロシアの方が簡単」
この日の注目の発言は他にもありました。
米トランプ大統領(7日)
「ロシアとはうまくやっていると思う」
「最終的な和平という点ではロシアと交渉する方が簡単かもしれない。なぜならロシアはすべてのカードを握っているからだ」
和平合意に向け、ウクライナよりロシアと交渉する方が簡単だと語りました。
一方で、これまでみせなかった姿勢もありました。
米トランプ大統領(7日のSNSへの投稿)
「停戦と和平に関する最終的な合意が成立するまで、ロシアに対して金融分野への大規模な制裁や関税を課すことを強く検討している」
交渉を進めるため、ロシアにも圧力を加えた格好です。
■ゼレンスキー氏は関係改善に意欲
米トランプ大統領
「君の今の立場は悪い。君は今カードを持っていないのだ」
ウクライナ・ゼレンスキー大統領
「私たちはカード遊びをしていない」
(1日の首脳会談でのやり取り)
1日の会談でカードがないと指摘され、協議が決裂に終ったウクライナのゼンレンスキー大統領は7日、関係改善に意欲を示しました。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領(7日のSNSへの投稿)
「トランプ大統領のチームと作業が続けられている。和平をできるだけ早め、安全保障の基盤を強化するための会合を準備している」
来週、サウジアラビアで両国の高官が協議する見通しです。
■制裁の効果は限定的?
・高島彩キャスター
「トランプ大統領はロシアに対して大規模な経済制裁を検討していると明らかにしましたけれども、現在行っている制裁について、見ていきたいと思います」
・板倉朋希アナウンサー
「これまでアメリカが行ってきた制裁は、ロシアの大手銀行の資産凍結などの金融制裁であったり、ロシアにとって主な収入源となっているエネルギー製品の輸入禁止、他にも半導体などハイテク製品の輸出禁止などがあります。ただ、この効果は懐疑的でして、実質GDP成長率を見てみますと、ロシアは3.8%ということでアメリカよりも上という状況なんです」
・高島彩キャスター
「この実質GDP成長率を見ますと、アメリカの制裁がロシアには効いていないというふうに思いますよね」
・ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「そもそも、制裁に参加しているのはG7を中心とした国々に限られているんですね。中国、あるいはインドといったグローバルサウスの国は参加していないので、いわば制裁の抜け道になっているわけですね。ですからトランプ大統領が『大規模な制裁』といっても、果たして有効な手だてが残されているかどうか、大いに疑問なんですよね。そういった意味で言うと、今回のトランプ大統領の発言というのは、自らに向けられていた『ロシア寄り』だという批判をかわすのが一番の狙いだったように思いますね」
・高島彩キャスター
「こうした中、12日にはサウジアラビアでアメリカとウクライナの高官による協議が再開されそうだということですけれども、ここではどういった話し合いが進むんでしょうか?」
・ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「アメリカが思い描いた形で停戦への道筋をつけたいと、そのために、ウクライナに対して思いっきり強い妥協を迫るような対応が考えられます。特にトランプ大統領がこだわっているウクライナの鉱物資源の権益を巡って、ウクライナの安全保障の問題も絡んでますけれども、トランプ大統領が思い描いたような格好でウクライナ側に要求を飲ませるような、そういう会議になるような気がします」
・高島彩キャスター
「ウクライナ側の要求というのはどうでしょうか?」
・ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「あくまでも安全の保証をしてほしいということなんですけど、それについてはトランプ大統領が先の会談でかなり厳しく反発してますから、果たしてウクライナ側の要求をアメリカが聞き入れるかどうか、非常にそこは未知数ですね」
・高島彩キャスター
「ウクライナへの侵攻が始まってから3年が過ぎていますからね、一刻も早い停戦の実現へ向けて大きな1歩となってほしいと思います」
(C) CABLE NEWS NETWORK 2025
https://news.yahoo.co.jp/articles/831080a1e7ab6069999a182eb1d6b25cf47322cf
❸【戦時下の夜行列車】ウクライナ発ポーランド行き 家族、恋人との別れ…様々な思い乗せ(テレ朝ニュース、2025年3月9日)
2022年2月24日のロシアによる全面侵攻後、ウクライナでは民間航空機の運航が禁止され、3年が経過した今も国外との往来は、陸路に限られています。
首都キーウと隣国ポーランドの国境の町、プシェミシルを結ぶ戦時下の夜行列車の旅路を記録しました。
(ANNロンドン支局 文:醍醐穣 撮影・動画編集:神山晃平)
各国首脳も鉄道で往来
ゼレンスキー大統領が国外訪問する際も隣国まで鉄道を利用し、その後、飛行機に乗り換えて目的地へ向かう場合がほとんどです。
各国の要人がウクライナを訪問する際も隣国から10時間以上かけて鉄道でやって来ます。
要人が乗る特別列車には、「BRAVERY EXPRESS(勇気列車)」という名称が付けられています。
侵攻3年となる2月24日は、カナダのトルドー首相や、EU=欧州連合の首脳などが利用しました。
キーウ駅構内に軍の採用カウンター
侵攻から3年が経ち、キーウ駅には兵士募集の広告が目立つようになり、コンコースには、軍の採用カウンターも設けられました。
戒厳令により、18歳から60歳の男性は原則出国が禁止されているため、国際列車の乗客には女性や子どもが目立ちます。
父や夫、息子、恋人を国内に残し、避難先の国外へと戻る人も多く、キーウ駅のホームでは別れを惜しむ光景があちこちで見られました。
快適な個室 厳重な国境審査
今回乗車したキーウ発ポーランド・プシェミシル行きの夜行列車の車両は、すべて個室寝台で、2人用の1等車、4人用の2等車などに分かれています。
利用する3週間前に切符を購入しましたが、その時点で空きはほとんどありませんでした。
2人用個室の運賃は1人あたり3302フリブニャ、日本円で1万1700円ほどです。
各個室内には電源もありクリーニング済みのシーツや枕カバー、ペットボトル入りのミネラルウォーターなども提供されます。日本の列車よりも多少、揺れや走行音は大きいですが清潔で快適な車内です。
国境手前の駅では、出国審査のために国境警備隊が乗り込んできます。
身分などを問われるほか、警備犬も使って各室をチェック、1時間以上かけて厳しく出国審査が行われます。
戦時下でも休みなく走る
ウクライナ鉄道の2024年初頭の定時運行率は国内路線で94%、国際路線で88%と戦時下でも高い水準を維持しています。
ウクライナ鉄道の線路幅は、ロシアと同じ広軌(1520mm)で、多くのヨーロッパの国が採用する標準軌(1435mm・日本の新幹線と同じ)と違います。
今回乗車した列車の終点、ポーランド・プシェミシルのような国境の駅までは、広軌の線路が敷かれていますが、それより先の都市を結ぶ国際直通列車の場合は、標準軌の線路を走るために乗客を乗せたまま、台車を交換する作業を行う必要があります。
この作業には数時間かかることもあり、輸送力向上のためウクライナ政府は将来、ヨーロッパと同じ標準軌に変更したい考えです。
現在、ロシア軍は発電所など重要インフラ施設を狙いミサイルやドローン攻撃を行っています。
停電などの場合はディーゼル機関車による運行に切り替えるなどして、ウクライナ鉄道は休みなくきょうも走り続けています
https://news.yahoo.co.jp/articles/a41d750bf4f050ed6155e82fe018b633c2ccad1f?page=2
❹キエフ最悪の敗北、クルスク軍が包囲され絶望的な大量降伏、米国はロシアの条件を変更(2025年3月9日) ※1時間半の動画ですので、適当に。
https://youtu.be/biQkFwwc6vM
https://www.youtube.com/watch?v=biQkFwwc6vM
❺デイブ・スミス – トランプ大統領のウクライナ政策は機能している(2025年3月9日)
https://youtu.be/FCSdQj6vlK0
https://www.youtube.com/watch?v=FCSdQj6vlK0
❻ 一層深まる米国と欧州の亀裂‼️ 次は欧州とロシアの直接対決になるのか⁉️(2025年3月9日)
https://youtu.be/iAdiJHsZk3o
https://www.youtube.com/watch?v=iAdiJHsZk3o
❼【伊藤貫の真剣な雑談】第21回「大革命家トランプ!」[桜R7/3/8](2025年3月8日)
この番組は、米ワシントンに30年以上在住で、外交・国際関係・金融問題に定評のある国際政治アナリストの伊藤貫氏が、月並みな時事解説とは一線を画す真剣な雑談を、毎月1回のペースでお送りいたします。
今回は、単なる政権交代にとどまらない、大統領就任以降の「トランプ革命」について論評していきます。
https://youtu.be/do6ZzJ3nwYQ
https://www.youtube.com/watch?v=do6ZzJ3nwYQ
❽ 「分断」だらけの欧州、最大の危機到来か?「トランプ・プーチン・中国・宗教」に対するドイツ人のホンネに迫る【ドイツ総選挙編・現地インタビューVol.2】≪Truth Z(トゥルースゼット)(2025年3月8日)
https://youtu.be/T7A127VzwnU
https://www.youtube.com/watch?v=T7A127VzwnU
❾ジョン・ミアシャイマー:ウクライナ戦争はNATOを急速な崩壊に引きずり込む!トランプは世界を混乱に陥れる(2025年3月8日)
※前半はイスラエルの問題が主なので、20分あたりからどうぞ。
https://youtu.be/xQHag1570-0
https://www.youtube.com/watch?v=xQHag1570-0
❿ウクライナ戦争は沸点に達する(2025年3月8日)
ロシアはクルスクで大規模な反撃を開始し、ウクライナ軍を二分した。ロイターはこの状況を報道し、この戦闘に関する軍事アナリストの発言を引用している。ドナルド・トランプは、ウクライナに対する安全保障は戦争の解決後に保証されると述べた。ドナルド・トゥスクは、ポーランドは核兵器を入手し、軍の規模を50万人に増やすことを目指していると述べた。
https://youtu.be/xOJH071pZ1U
https://www.youtube.com/watch?v=xOJH071pZ1U
2025年3月10日ウクライナ情報pdfはこちら→
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1940年、東京生まれ。1944~49年、福島県で疎開生活。東大工学部原子力工学科第1期生。工学博士。東京大学医学部助手、東京医科大学客員助教授を経て、1986年、立命館大学経済学部教授、88年国際関係学部教授。1995年、同大学国際平和ミュージアム館長。2008年より、立命館大学国際平和ミュージアム・終身名誉館長。現在、立命館大学名誉教授。専門は放射線防護学、平和学。2011年、定年とともに、「安斎科学・平和事務所」(Anzai Science & Peace Office, ASAP)を立ち上げ、以来、2022年4月までに福島原発事故について99回の調査・相談・学習活動。International Network of Museums for Peace(平和のための博物館国相ネットワーク)のジェネラル・コ^ディ ネータを務めた後、現在は、名誉ジェネラル・コーディネータ。日本の「平和のための博物館市民ネットワーク」代表。日本平和学会・理事。ノーモアヒロシマ・ナガサキ記憶遺産を継承する会・副代表。2021年3月11日、福島県双葉郡浪江町の古刹・宝鏡寺境内に第30世住職・早川篤雄氏と連名で「原発悔恨・伝言の碑」を建立するとともに、隣接して、平和博物館「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマ伝言館」を開設。マジックを趣味とし、東大時代は奇術愛好会第3代会長。「国境なき手品師団」(Magicians without Borders)名誉会員。Japan Skeptics(超自然現象を科学的・批判的に究明する会)会長を務め、現在名誉会員。NHK『だます心だまされる心」(全8回)、『日曜美術館』(だまし絵)、日本テレビ『世界一受けたい授業』などに出演。2003年、ベトナム政府より「文化情報事業功労者記章」受章。2011年、「第22回久保医療文化賞」、韓国ノグンリ国際平和財団「第4回人権賞」、2013年、日本平和学会「第4回平和賞」、2021年、ウィーン・ユネスコ・クラブ「地球市民賞」などを受賞。著書は『人はなぜ騙されるのか』(朝日新聞)、『だます心だまされる心』(岩波書店)、『からだのなかの放射能』(合同出版)、『語りつごうヒロシマ・ナガサキ』(新日本出版、全5巻)など100数十点あるが、最近著に『核なき時代を生きる君たちへ━核不拡散条約50年と核兵器禁止条約』(2021年3月1日)、『私の反原発人生と「福島プロジェクト」の足跡』(2021年3月11日)、『戦争と科学者─知的探求心と非人道性の葛藤』(2022年4月1日、いずれも、かもがわ出版)など。