【特集】ウクライナ危機の本質と背景

ロシアのウクライナ侵攻を語るチョムスキー教授

浜地道雄

2020年初頭以来の「コロナパニック」。これが収まらぬうちに、2022年2月24日のプーチン・ロシア大統領の演説に続く「ウクライナ侵攻」が、世界を混乱に落とし入れている。

この二つの未曾有の混乱を機として、Fact Check (溢れる情報の真偽をチェックする)が不可欠な時代に突入したといえる。

【第250回】OSINT時代に想う「情報」と「知力」= Intelligence – 浜地道雄の「異目異耳」

後者の「ウクライナ侵攻」について、日本は政府をはじめ、「プーチン極悪」「ウクライナ可哀想」一色だが、知の巨人チョムスキーMIT教授がインタビューに応じた記録が2点発表された。我々日本人には中々分かりにくい文化、治政、歴史について必見である。(音がでるので注意)

知の巨人、ノーム・チョムスキー!「ウクライナ戦争とアメリカの巨大な欺瞞」―全世界必見の動画!【日本語字幕付き】 – YouTube

Noam Chomsky: US Military Escalation Against Russia Would Have No Victors

NYCでの平和シンポ後の懇親会でのチョムスキー。 2018年5月。筆者撮影。

 

同教授は世界屈指の哲学者であり、言語学者。 その物事の本質を鋭く掴みだした主張や発言、著書から、「現代における知の巨人」のひとりとも言われている。

チョムスキー教授(父はウクライナ出身、母はベラルーシュ出身のユダヤ人)の言葉は胸に響く。 「NATOの主軸であるアメリカの軍国主義に原因がある」との主張だ。(因みに、NATOに追随するゼレンスキーはロシア語を母語とするユダヤ人)

今回のウクライナ戦争の原因を「米国の軍事政策の過ち」と喝破するチョムスキーは勿論米国籍だ。以下、その発言を筆者(浜地)の主観に基づき、重要事項を列記する(順不同):

・(英雄的な言葉よりも)世界が直面している現実に注目しなければいけない。

アメリカとその同盟国が国際法を平然と破っていることは事実。だからといってプーチンの犯した罪が軽くなるわけではない。

・確かに、コソボイラクリビアの事例と、今回のウクライナ紛争とのあいだには直接の関連がある。

・米軍のイラク侵攻は、ナチスニュルンベルクで絞首刑になった戦争犯罪と同じで、まったく一方的な侵略だった。

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・今回のウクライナ紛争については二つの選択肢がある。一つ目は『交渉による解決』で、二つ目は現在のように『最後まで戦うこと』だ。

・我々は、唯一の代案である外交的解決という現実を直視する。

ウクライナはロシアに譲歩すべき。(好むと好まざるにかかわらず)プーチンの侵略行為に対して「処罰ではなく報いる」という醜悪な結論だが、それ以外の選択肢は少ない。さもないと、終末(核)戦争の可能性が極めて高い。

”Like it or not, the choices are now reduced to an ugly outcome that rewards rather than punishes Putin for the act of aggression –or the strong possibility of terminal war”.

・妥協案の基本的な枠組みは、ウクライナの中立化、おそらく、ウクライナの連邦の構造のなかで、ドンバス地域に高度の自治権を付与するものかもしれない。

・好むと好まざるとにかかわらず、クリミア半島は交渉対象ではないということを認めなければならない。

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・我々はゼレンスキーに戦闘機や高性能兵器を提供できる。が、それによりプーチンウクライナに対する攻撃を急激に強め、高性能兵器の供給網を攻撃しうる。そして、すべてを完全に破壊する核戦争に陥る可能性がある。

・広島/長崎に原爆が落ちた時に受けた衝撃を鮮明に記憶している。

※この記事は、「浜地道雄の『異目異耳』」(2022年4月25日)からの転載です。
原文は、コチラ→https://hamajimichio.hatenablog.com/entry/2022/04/25/235410

 

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浜地道雄 浜地道雄

国際ビジネスコンサルタント。1965年、慶応義塾大学経済学部卒業。同年、ニチメン(現・双日)入社。石油部員としてテヘラン、リヤド駐在。1988年、帝国データバンクに転職。同社米国社長としてNYCに赴任、2002年ビジネスコンサルタントとして独立。現在、(一財)グローバル人材開発顧問。「月刊グルーバル経営」誌にGlobal Business English Fileを長期連載中。

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