【特集】新型コロナ&ワクチン問題の真実と背景

巨大製薬企業の下で政府とマスコミが結託、ワクチン効果めぐる厚労省データ改ざんの本質

高橋清隆

厚生労働省は5月11日、新型コロナウイルス感染症のワクチン効果に関するデータを修正したと発表。これを受け、いくつかのメディアが〝データ改ざん〞と指摘しているが、それらは問題の本質を捉えていない。

そこで本稿では、ワクチン接種による感染防止効果について、〝本当の数字〞を提示してみたい。真相隠しに終始する厚労省の姿勢には、巨大製薬企業の手先でしかない体質が浮かび上がる。

・メディアが伝えたデータ改ざん事件

まず、今回のデータ改ざん事件の概略を振り返っておこう。厚労省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは資料として毎週、新型コロナワクチンの感染予防効果に関するデータを掲載している。

医療機関や保健所が新規陽性者を確認すると、厚労省の感染者情報システム「HER-SYS」(ハーシス)に陽性者の年齢や性別、ワクチン接種歴などを入力することになっていて、それを集計したものである。

接種歴は「未接種」「2回目接種済み」「3回目接種済み」「接種歴不明」に分けられている。どの年代においても未接種より接種済みの方が、陽性者が少ない傾向が続いていた。たとえば、4月4日~10日の週を見ると、10万人あたり新規陽性者は未接種者の12~19歳で679.4人に対し、2回接種済みの同年代では249.0人と大幅に減少している。

ところが翌週の4月11日~17日のデータでは、未接種者の12~19歳347.4人に対し、2回接種済みの同年代では252.5人と減少幅が著しく低下している。40代、60代、70代では、2回接種済みが未接種を上回った。

この、4月11日から17日のデータが公開された5月11日の資料には、次の注意書きが加わった。「ワクチン接種歴が未記入の場合、未接種に分類していたが、5月11日以降は接種歴不明に分類している」。それまで接種歴不明者の大半を「未接種」に計上していたのである。この問題は参議院厚労委員会でも採り上げられ、後藤茂之厚労相は事実を認め、今後は国立感染研究所と同様に「接種歴不明」として扱うことを表明した。

一部マスコミはこれまでのデータ表示が意図的ではなかったかと指摘。厚労省の対応を批判している。しかし、ワクチンの感染防止効果を考えるとき、接種歴不明者を「未接種」に計上してきたことが問題の本質なのだろうか。

・ワクチン効果を表す本当のデータ

アドバイザリーボードが発表したワクチン接種歴別の新規陽性者数について、4月4日から10日のものと、4月11日から17日のものを年齢にかかわらない総数で示したのが、【図表1A】と【図表2A】である。

さらに、10万人あたり新規陽性者数をグラフに示すと【図表1B】と【図表2B】になる。

年代別では2回接種者の感染率が未接種者を上回った層がある。しかし、「ワクチンを打つほど陽性者が減る」との全体の傾向は修正後も変わっていない。なぜなら厚労省が行なった修正は、せいぜい4万人強の移動でしかないからだ。

すなわち、4月4日から10日の接種歴不明者の合計は3万7146人、4月11日から17日の接種歴不明者は7万8488人。この差が未接種者の新規陽性者数をかさ上げしていたということである。

それでも結果があまり変化しないのは、母数が大きいからだ。筆者が整理した【図表1A】と【図表2A】を見ればわかりやすいが、厚労省は「10万人あたりの新規陽性者数」を出すにあたって、接種回数ごとの国民の総数を母数としている。

新規陽性者数を接種歴別の人口で比較検討することは正しいのか。厚労省の計算では、未接種者を例にとれば、未接種の新規陽性者数 ÷ 未接種者の総数 ×10万人 =10万人あたり新規陽性者数となっている。

しかし、「新規陽性者数」とはPCR検査等で陽性が判明した人数のことであるのに、ここにはそれが加味されていない。よって本来、次の計算式によらなければならない。

接種歴別の新規陽性者数 ÷ 接種歴別のPCR検査実施人数

厚労省ホームページ「国内の発生状況など」の数字によれば、6月12日のPCR検査実施人数は3万2945件。これに対して新規陽性者数は1万3382人となっている。陽性率は40.6%。10万人あたりにすれば、各年代層において数万人単位となるが、厚労省のデータでは数百人程度である。

この事実ひとつとっても、検査で陽性が判明した人数を、検査もしていない人を含めた人口で割った「10万人あたりの新規陽性者数」が何の意味もなさないことがわかる。

この視点を提供したのが、市民活動家の宮原めぐみさんである。彼女は毎日のように厚労省前やターミナル駅前などで街頭演説をし、子どもへのワクチン接種の即時中止を訴えている。

宮原さんはワクチン接種歴別の新規陽性者数の表についての問題点を、早くも4月25日に自身のフェイスブックで指摘している。6月3日にはこの問題点の全体的な総括といえる動画を非グーグルの動画共有サイト「ビットシュート」に掲載した。

この中で彼女は、ワクチン効果を正確に見るためのデータは10万人あたりの新規陽性者数ではなく、検査による陽性率であるべきだと主張した。この値を求めるには、接種歴別のPCR検査数が必要だ。しかし、厚労省は検査数の内訳を公表していないため、その数は推測するよりほかになかった。

4月4日から4月10日の間のPCR検査数は、90万9061人である。これは厚労省ホームページ「国内の発生状況など」の下段からダウンロードできるデータベースから算出できる。

PCR検査人数の接種歴別内訳を求めるには、総数を均等で割るべきだろうか。

宮原さんはワクチン接種回数が多いほど検査人数は減少すると考えた。就職活動や、施設等への入場時にワクチン接種か検査陰性の結果の提示が求められる、いわゆる「ワクチン・検査パッケージ」実施などの経緯から、3回目接種済みの人があえてPCR検査を受けることはあまりない。検査を受ける人の大半は、未接種者であると推測した。

具体的には4月4日から10日までの間にPCR検査を受けた約90万人のうち、未接種者が60万人、2回接種者が26万人、3回接種者が4万人と推定した。この数字に基づき新規陽性率をはじき出すと、3回接種者の新規陽性率は約80%に達する。

これをフェイスブックと動画で公開すると3日後、神奈川県藤沢市にあるホスメック・クリニック院長の三好基晴医師から連絡が来た。三好医師はこの考え方に賛同するとともに、若干の修正を加えた自身の推測数字を示した。

三好医師が想定したPCR検査の接種経歴別の内訳とそれに基づいて算出した新規陽性率を次ページの【図表3A】に示した。それを棒グラフにしたものが 【図表3B】である。

【図表1B】や【図表2 B】の厚労省のデータとは真逆で、打てば打つほど陽性になりやすい結果となる。

正しいデータを得るため、三好医師が厚労省にPCR検査数のワクチン接種歴別の内訳を質問すると、教えられないとの回答だった。その際、三好医師は「本来であれば未接種者と2回接種者、3回接種者をそれぞれ約1万人ずつ無作為に選んで検査し、陽性者数から陽性率を計算し比較すべき」と提案した。厚労省の担当者は、「それが正確ではあるが、調査できない」と述べたという。

さらなる問題は、厚労省がデータを修正したことで、2回接種では足りず、3回接種の必要性が強調されていることだ。しかし繰り返すが、国民全体を母数にして10万人あたりの陽性者数を算出するのは無意味である。

厚労省の修正データは、さらなるワクチン接種に向けた誇大宣伝にほかならない。

 

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高橋清隆 高橋清隆

反ジャーナリスト。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。元ローカル新聞記者。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&K プレス)、『山本太郎がほえる~野良犬の闘いが始まった』(Amazon O.D.)など。翻訳にデーヴィッド・アイク『答え』第1巻[コロナ詐欺編](ヒカルランド)。2022年3月、メディア廃棄運動を開始。 ブログ『高橋清隆の文書館』http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/

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