【連載】ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メールマガジン
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メールマガジン第52号:現実味帯びる沖縄の戦争、立候補者は真剣な議論を

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今回のメルマガは当会発起人の新垣邦雄さんからの寄稿です。9月11日に沖縄県知事を控えていますが、米中の軍事緊張が高まる中、沖縄の戦争の危機について立候補者どうしの議論喚起を提起する内容です。後半は今週の南西諸島軍事強化トピックです。先週の動きに対して、発起人の新垣邦雄さんからコメントを寄せていただきました。ぜひお読みください。

米中の軍事緊張が高まっている。米下院議長の訪台で中国空母2隻が出港、米空母も周辺海域に派遣され、嘉手納基地で戦闘機が離発着、外来の空中給油機22機、電子偵察機が待機し、有事即応の臨戦態勢をうかがわせた。

野添文彬沖国大准教授は「米中関係は危険水域まで悪化」、米中双方が対抗措置を繰り返せば「偶発的な衝突の危険性」が高まり、有事に至れば「沖縄が真っ先に狙われる」と指摘した(8月3日琉球新報)。同氏の懸念通り、中国は報復的な軍事演習を強行し、波照間島近海に中国ミサイルが飛来した。沖縄が戦争に巻き込まれるのではと、多くの県民が不安を募らせている。

米下院議長の訪台を松野官房長官は「コメントする立場にない」と傍観した。中国のミサイル発射を岸防衛相は「強く非難」し、日米外相は「地域の平和と安定のため緊密に連携」と確認した。中国に対抗し、日米の軍備強化をさらに進めるということだろう。

軍事に軍事で対抗する「抑止」論はウクライナで破綻した。ウクライナに米欧は膨大な軍事、武器援助を注いだが戦争を止めることはできなかった。

ウクライナの人口は4100万人。沖縄は146万人。沖縄は肌の色も違いはるか遠い「極東」の小島でしかない。残念ながら沖縄県民の命に対する世界の関心は低いだろう。ウクライナで起きた戦争は、それ以上に沖縄で起こりうる。県民は厳しい現実を直視すべきだと思う。

まして日米政府は「台湾」防衛強化に前のめりだ。2022年版防衛白書、23年度防衛概算要求は宮古、石垣、沖縄島に配備する陸自地対艦ミサイルの射程延長(900キロ~1500キロ)、その名の通り南西諸島に配備する「離島防衛用高速滑空弾」(射程400キロ以上)の開発予算を組んでいる。ミサイル射程延長は中国に届く敵基地・中枢攻撃能力にほかならない。

一方、米軍は核搭載可能な中距離ミサイル、極超音速ミサイルの列島線配備を計画する。軍事ジャーナリストの小西誠氏は、中国ミサイルに日米のミサイル網が対抗する「ミサイル戦場化」を懸念している。

高まる戦争の危機に県民はどう向き合うべきか。中国の台湾侵攻がありうるとして、台湾を守るため日米が軍事行使し、沖縄が戦場となることを県民は受け入れるのか。有事の住民保護計画、住民避難訓練も問われている。「台湾有事で住民避難は不可能」とする専門家の指摘もある。「住民避難が可能」であるかのように沖縄県、市町村が保護計画、住民避難訓練を進めていいのか。

県知事選、市町村議員選挙を迎える。立候補する各氏は沖縄の戦争の危機を正面から見据え、県民の命を守る政策を議論してほしい。

新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会発起人)

 

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